迷子の会社員、異世界で契約取ったら騎士さまに溺愛されました!?

翠月 瑠々奈

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ざわざわ、ざわざわ……③

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 でもすぐに、ざわめきたつ。ざわざわ、ざわざわ、と文字でも流れてそう。

 そのどれもが関係性を疑うようなもの。本当に?とか、信じられないわ、とかね。首もとのチョーカーをガン見しながら言ってるあたり、わざとらしい。

 少しして近くにいた一人が眉をひそめたまま、問いかけてくる。

「失礼ですが、本当にこの方が婚約者なんですか……?」

 私じゃなくフェルに再び聞く。彼が肯定すると今度は不満や批判、悪口大会になる。

 他国ってところに引っ掛かりを感じたのか、ひそひそと話始めた。

 よその人間が、とか。フェルクス様の隣に似合わない、とか。パッとしない顔立ちなのに、とかわけの分からない言い掛かりとか。

 どこに行っても、こういう人達はいるのね。結局自分の思う通りにならないから不満を言ってる。

 呆れて聞き流していたら、ふいに肩を抱かれた。

 何事かと見上げるとフェルは眉間にシワを寄せて、険しい顔をしていた。

「?」

 また具合でも悪くなったのか、と心配になる。けど今まで見てきた様子と違う気がして微かに首を傾げた。

 彼はこちらに気づかないまま、口を開きかける。

「……──!」

 瞬間、遮るように場の雰囲気が変わった。ざわざわしていた人々が口を閉じ、困惑を隠しきれないまま、わずかに後ずさる。彼女たちは一様に私達の背後を見ていた。

 え、急にこのパターンなに?

 ホラー映画の曲でもかかってないよね? 恐る恐る後ろを振り返ったら、ギャ~!みたいな。

 それを体現しかけたら、これまた恐ろしく低い声が耳に入った。

「貴様等、誰の許可を取ってここにいる?」

 不機嫌さが前面に出ている。なにもしてないのにゾクッと背筋が震えた。

 
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