迷子の会社員、異世界で契約取ったら騎士さまに溺愛されました!?

翠月 瑠々奈

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なん……ですと……!?②

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 フェルと同じ金色の髪。肩より長いその髪を緩く結んでいる。ちょっとシワのよった白いシャツの袖を捲り上げて、バケツを片手に歩く彼を見つけた。「カデム!」と声をかけて駆け寄ると、私を見るなり目を丸くした。

「な、なに……?」
「お願いがあるの。動力源のこと、教えてくれないかな?」
「……は?」

 突然の申し出に相手はポカンとしている。たしかに焦りすぎたかも。一度呼吸を整えて、改めて伝える。

「あのね、この機械を動かせるようにしたいんだ。だから力を貸してもらえないかなって思って」

 と、スマホを見せたら「なにそれ」と言われる。けど左右の小さなボタンや画面の説明を始めると、だんだん興味が出てきたのか顔を近づけてきた。

 彼は一旦持っていたバケツを置いて、ポケットからハンカチを取り出し手を拭くと恐る恐るその手を伸ばしてきた。

「それ……触らせてもらってもいい?」
「もちろん」

 ケースから外して手渡したら、上下左右と動かし始める。しばらく見ていたら、気づいたカデムが急に表情を引っ込めて軽く咳ばらいをする。スマホを戻してバケツをまた手に持った。

「ここじゃ調べようもないから、あとで俺の部屋に来てくれる?」
「うん、どのくらいあと?」
「これが終わったら」
「じゃあ、手伝うよ」
「は?」
「え?」

 しばしの沈黙「はあー……」と、盛大な溜め息を吐かれた。

「俺がいうのもなんだけど……あんた、旦那様の婚約者だろ? 手伝うとか言うなよ」
「でも頼むのは私だし当然かなって。それに二人でやった方が早いじゃない?」

 って首をかしげたら、相手は思いっきり顔をしかめる。

「当然じゃないよ。またセルトンになんか言われるじゃん」
「今いないから大丈夫だよ。何すればいい?」
「何すればって…部屋に戻りなよ」
「バケツ持ってるってことは片付けとか?」
「そうだけど、いいって…」
「でもほら、早く終わらせた方が面倒な人いなくなるよ」

 ニコニコって笑ったら「自分で言う?」って返される。けど今度は丁寧に片付けのしかたを教えてくれた。
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