迷子の会社員、異世界で契約取ったら騎士さまに溺愛されました!?

翠月 瑠々奈

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侍女さんが来ました①

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 朝、目が覚めたら……以下略。

 とにかくまた見知らぬ女性が二人、寝室にいた。既視感たっぷりの状況だけど今日はメイクアップ隊とガルシアさんがいなかった。

 お仕着せ──黒いワンピースに白いエプロンと白いフリルのついたリボンとキャップをつけた妙齢の女性たち。

 彼女たちはそれぞれカーテンを開けたり、タオルを運んだりしている。

「…………」

 寝ぼけ眼で見てたら、起きたのに気づいたのか近くにいた一人がにこやかに笑みを作る。

 艶やかな茶の髪をお団子状に纏めていて、瞳も同じ茶色だった。彼女は笑顔のまま頭を傾ける。

「おはようございます、ルミ様」
「おはよう…ございます」
「私はカマリと申します。こちらはエラにございますわ」
「初めまして、エラと申します」

 そう言って後ろにいたもう一人も頭を下げる。エラは、少し赤みがかってる髪をキャップにまとめていた。

「カマリさんと、エラさん……」
「カマリとエラで構いませんわ。それよりお支度致しましょう? 今日はダンスの指導がありましたね」
「ガルシアから聞きましたよ。でもカマリその前に」
「ええ」
「?」

 二人が視線を合わせ……かと思ったら、一気にベッドのそばで並んで綺麗なお辞儀をした。

「ありがとうございます、ルミ様。貴女のおかげで私たち戻って来れましたの」
「まさか働き口がなくなるなんて思ってなかったんですよ。でも助かりました。ありがとうございます」
「え、私なにもしてませんよ??」

 何が何やら分からない。寝ぼけてるからではないはず。疑問符を浮かべてたらエラが、うふふっと笑う。

「ルミ様が戸惑ってしまいましたわ」
「事情も話さず失礼しました」

 そうしてカマリが説明してくれる。

「私たち、元々ロギアスタ邸に仕えていたんです。でも結婚して少し離れてる間に、大奥様が大旦那様と遠くの領地に行ってしまって。その理由で勤めも断られてしまって……」

 エラも困ったように眉根をよせた。

「だいぶ前にここを出てよそに行ったりもしたけど、あまり続けられる環境じゃなかったわ」
「私たち本当に困っていて、でも先日声をかけてもらえて貴女のこともガルシアから良い方だって聞いてました。だから、すごく楽しみで……これから私たちがルミ様に付かせていただきますね。よろしくお願いします」
「いきなりごめんなさいね。でも、あまりに嬉しくて、どうかよろしくお願いししますね」

 そういえば以前、ガルシアさんに侍女をつけると聞いていた。それがこの二人なのかもしれない。ぼんやりそんなことを考えつつ、私も「よろしくお願いします」と頭を下げた。

 二人は「では」と、背後に用意していた洋服類を振り返る。

「着替えの準備は出来ております」
「さあ、さあ。ルミ様はこちらに」

 そんな風に連れられて、手早く身支度をする。

 そうしてまた、一日が始まる──はずだったんだけど……。
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