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第1章:許嫁契約!?
第5話:えっ、許婚に恋人がいるの!?
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「奈月様、ドアを開けてもよろしいでしょうか。」と、扉の向こうから、お世話係の日高の落ち着いた声がした。
私はスマホをベッドに置き、深呼吸して立ち上がった。
もちろん、この結婚は破棄したい。すぐにでも「あなたはこれを望んでいるのか」と問いただしたい。
まずは相手の性格とルールを見極め、破棄の糸口を見つけることが先決だ。15億3,000万円の借金が消えたという事実は、簡単に覆せない。
「はい。そちらに行きます。」
扉を開けると、廊下には日高とボディガードの桐谷が待っていた。
「ご案内いたします。」
日高が丁寧に頭を下げた。
桐谷は無言で一歩前に出て、私の歩調に合わせる。その距離は、常に私の肘一つ分ほど。まるで、私が歩くコースを定める、生きた道標のようだった。
ゲスト棟の廊下は、まるで美術館のように長く、天井が高かった。カーペットの上を歩く音は吸収され、聞こえるのは日高の低い靴音と、桐谷の微かな息遣いだけ。
この長い廊下は、まさに檻の中の通路。私を護衛している桐谷の存在そのものが、私が借金と引き換えに売られた商品であることを思い知らせる。
無言の監視と、華美な贅沢。
この孤独な圧迫感の中で、私はこの家とどう戦うのだろうか。
やがて重厚な扉が開かれ、広大なダイニングホールが姿を現す。
テーブルの奥の席に、黒のスーツを完璧に着こなした男性が座っていた。彼こそが、借金の肩代わりと引き換えに、私の許嫁となった神谷瑛斗だ。
その容姿は、非の打ちどころがない。艶のある漆黒の髪は整然とセットされ、その顔立ちも彫刻のように端正で美しい。その瞳は夜の湖面のように冷たく、一切の感情を寄せ付けない。まさに、財閥のトップに立つべく造られた、氷の御曹司といった印象だった。
「奈月様、こちらの席へどうぞ。」
恭しく進み出た執事が、私の席を引く。席に着くと、改めて瑛斗と向き合った。
唾を飲み込み、「水野奈月です。これからよろしくお願いします。」と、声を絞り出す。緊張のあまり、まるで他人のもののように棒読みの挨拶になった。
瑛斗は、その挨拶に対し、何も答えなかった。ただ、冷たい視線を一瞥くれただけで、再び目の前の料理に目を落とした。
この瑛斗という人は、本当に財閥なのか。非常に常識外れの男とみた。それは、私が席に着く前から既に食事をしている。挨拶をしているのにも関わらず話をしている人の顔を見ない。そもそも、「いただきます」と、言ってから食事をしているかも定かではない。
それとも、いつも一人で食べるのが当たり前すぎて、私という人間がそこに存在していることすら、意識の外にあるのだろうか。
長すぎるテーブルの中央に並ぶ料理は、見たこともないほど豪華だった。銀の蓋を外すと、香ばしい肉料理や色鮮やかな前菜が次々と現れる。
私は、目の前に並んだ無数のフォークとナイフを前に、一瞬たじろいだ。こんなにたくさんの種類、どれから使えばいいのか、まるで暗号のようだ。
瑛斗は、私が食事に手をつけない様子を一瞥し、ナイフを皿に置いた。
「俺を見ていないで、食べたらどうだ」
この人、自己愛強め。いやいや、優しさも何も持っていない。どうせなら、和食にしてほしいくらい。
「ナイフとフォークの使い方も知らないのか。」と、瑛斗の言葉は、図星過ぎて、私は何も言い返せなかった。
空腹なのにまるでよだれを垂らしたままおあずけになる子供のようだ。悔しさを堪え、瑛斗の方を見つめた、その時だった。
瑛斗の後方に立つ執事と目が合った。執事は、無言のまま私の手元のカトラリーに目を向け、微かに顎で特定のフォークを指していた。
それだけではない。執事はさらに、両手を使い、テーブルの中央にある前菜の皿の領域を、小さく長方形に描いて示した。
(外側から、長方形の領域の料理を。そういうことね。)
執事の無言の救済に、私は胸の内で深々と頭を下げた。私は、執事が示したフォークを手に取り、瑛斗を真っ直ぐに見つめた。
「……一つだけ、どうしても聞きたいことが。」
瑛斗は、ナイフを皿に置いた。
「食べれないのか。」
それはどういう意味?カトラリーの使い方に困惑しているからなのか?まさか、わざと?嘲笑っている?もしくは、聞きたいことに答える気など、最初からないと言いたいのか。疑問に疑問を突き付けても意味がない。この壁は、押し通すしかない。
「私が聞きたいことは、この結婚を、あなたは望んでいるかです。」
一瞬、ダイニングホールの空気が張り詰める。
執事も日高も桐谷も、息を呑んで視線を逸らした。
瑛斗はしばらく黙したまま、ワインのグラスを持ち上げる。
「……遺言だろう。」
遺言、ね。私を結婚という名目で拾う行為は、彼の人生の棚卸しでたまたま見つかった未処理の項目か不正な負債のように思っている。もちろん、私も同じ。遺言自体が、私たちにとって押し付けられた迷惑な任務という皮肉としか思えないものだ。
だとしたら、感情論ではなく、論理で打開するしかない。
私は、グラスを持つ瑛斗を見て言った。
「解決方法を探すことはできないものなの?それとも、この問題は、あなたの業務範囲外としますか?」
瑛斗は、ワイングラスを持ったまま動きを止めた。
「業務範囲外?」と、瑛斗は鼻で笑った。グラスを音もなくテーブルに置き、私を冷徹に見据えた。
「解決方法?君の家族の借金15億3,000万円を、君が弁護士を使って自力で破棄できるなら、そうすればいい。僕が手を貸すものでもないと思うが。」
私は言葉に詰まった。その額の重みが、反論の糸口をすべて断ち切った。この男の言う通り。だけど、冷たい人。でも、瑛斗は私を責めているのではないと分かった。この火種は神谷家ではなく、水野家が持ち込んだものだ。私の感情など、瑛斗にとってはノイズに過ぎないのだから。
その瞬間、ダイニングホールに、場にそぐわない明るい女性の声が響いた。
瑛斗がテーブルに伏せていたスマホの画面が点灯し、冷たい音楽ではない、聞き取りやすい合成音声で着信を告げる。
「さえき りょうこさん(佐伯 涼子)からお電話です。」
瑛斗は、グラスを音もなくテーブルに置き直したまま、動きを止めた。
――再び、合成音声が冷たく響く。
「さえき りょうこさん(佐伯 涼子)からお電話です。」
私にとってはノイズだと切り捨てた感情が、瑛斗自身にもあった。しかも、さっき遺言だから従うしかないと、きっぱり言っていた男に、だ。早く出ればいいものの、何故でない。
この女性は誰?恋人?
少しだけ、嫉妬している私がいる気がする。いや、大いに腹立たしい。この屈辱感は、借金で買われたことに起因しているのか、それとも彼の二枚舌に対する怒りなのか――どちらにせよ、私はこの婚約を、絶対に彼の思うようにはさせない。
佐伯涼子という女性が、この遺言を覆すための唯一の業務になるはずだ。その業務を進めるには、私自身がまずこの婚約を業務として定義し直し方が先決。瑛斗という土俵でルールを作る必要がある。
私は静かにフォークを皿の上に置いた。
「食事は結構です。あなたはお忙しいようですので、先にそちらの対応をなさってください。私はこれで失礼します。」
私はそう言い切ると、瑛斗の返事を待たず、席を立った。
「待て。」
瑛斗が静かに言った。彼は初めてスマホの画面に手を伸ばし、着信を無視して切った。
「どこへ行くつもりだ。」
「失礼ですが、私はあなたの使用人ではありません。話があるなら、改めて業務時間内に。では。」と、言い切ってダイニングホールを後にすると、背後で瑛斗が何かを言おうとした気配を感じたが、私は足を止めなかった。
重厚な扉が背後で閉まり、一瞬、全てが止まったように感じた。
(つづく)
私はスマホをベッドに置き、深呼吸して立ち上がった。
もちろん、この結婚は破棄したい。すぐにでも「あなたはこれを望んでいるのか」と問いただしたい。
まずは相手の性格とルールを見極め、破棄の糸口を見つけることが先決だ。15億3,000万円の借金が消えたという事実は、簡単に覆せない。
「はい。そちらに行きます。」
扉を開けると、廊下には日高とボディガードの桐谷が待っていた。
「ご案内いたします。」
日高が丁寧に頭を下げた。
桐谷は無言で一歩前に出て、私の歩調に合わせる。その距離は、常に私の肘一つ分ほど。まるで、私が歩くコースを定める、生きた道標のようだった。
ゲスト棟の廊下は、まるで美術館のように長く、天井が高かった。カーペットの上を歩く音は吸収され、聞こえるのは日高の低い靴音と、桐谷の微かな息遣いだけ。
この長い廊下は、まさに檻の中の通路。私を護衛している桐谷の存在そのものが、私が借金と引き換えに売られた商品であることを思い知らせる。
無言の監視と、華美な贅沢。
この孤独な圧迫感の中で、私はこの家とどう戦うのだろうか。
やがて重厚な扉が開かれ、広大なダイニングホールが姿を現す。
テーブルの奥の席に、黒のスーツを完璧に着こなした男性が座っていた。彼こそが、借金の肩代わりと引き換えに、私の許嫁となった神谷瑛斗だ。
その容姿は、非の打ちどころがない。艶のある漆黒の髪は整然とセットされ、その顔立ちも彫刻のように端正で美しい。その瞳は夜の湖面のように冷たく、一切の感情を寄せ付けない。まさに、財閥のトップに立つべく造られた、氷の御曹司といった印象だった。
「奈月様、こちらの席へどうぞ。」
恭しく進み出た執事が、私の席を引く。席に着くと、改めて瑛斗と向き合った。
唾を飲み込み、「水野奈月です。これからよろしくお願いします。」と、声を絞り出す。緊張のあまり、まるで他人のもののように棒読みの挨拶になった。
瑛斗は、その挨拶に対し、何も答えなかった。ただ、冷たい視線を一瞥くれただけで、再び目の前の料理に目を落とした。
この瑛斗という人は、本当に財閥なのか。非常に常識外れの男とみた。それは、私が席に着く前から既に食事をしている。挨拶をしているのにも関わらず話をしている人の顔を見ない。そもそも、「いただきます」と、言ってから食事をしているかも定かではない。
それとも、いつも一人で食べるのが当たり前すぎて、私という人間がそこに存在していることすら、意識の外にあるのだろうか。
長すぎるテーブルの中央に並ぶ料理は、見たこともないほど豪華だった。銀の蓋を外すと、香ばしい肉料理や色鮮やかな前菜が次々と現れる。
私は、目の前に並んだ無数のフォークとナイフを前に、一瞬たじろいだ。こんなにたくさんの種類、どれから使えばいいのか、まるで暗号のようだ。
瑛斗は、私が食事に手をつけない様子を一瞥し、ナイフを皿に置いた。
「俺を見ていないで、食べたらどうだ」
この人、自己愛強め。いやいや、優しさも何も持っていない。どうせなら、和食にしてほしいくらい。
「ナイフとフォークの使い方も知らないのか。」と、瑛斗の言葉は、図星過ぎて、私は何も言い返せなかった。
空腹なのにまるでよだれを垂らしたままおあずけになる子供のようだ。悔しさを堪え、瑛斗の方を見つめた、その時だった。
瑛斗の後方に立つ執事と目が合った。執事は、無言のまま私の手元のカトラリーに目を向け、微かに顎で特定のフォークを指していた。
それだけではない。執事はさらに、両手を使い、テーブルの中央にある前菜の皿の領域を、小さく長方形に描いて示した。
(外側から、長方形の領域の料理を。そういうことね。)
執事の無言の救済に、私は胸の内で深々と頭を下げた。私は、執事が示したフォークを手に取り、瑛斗を真っ直ぐに見つめた。
「……一つだけ、どうしても聞きたいことが。」
瑛斗は、ナイフを皿に置いた。
「食べれないのか。」
それはどういう意味?カトラリーの使い方に困惑しているからなのか?まさか、わざと?嘲笑っている?もしくは、聞きたいことに答える気など、最初からないと言いたいのか。疑問に疑問を突き付けても意味がない。この壁は、押し通すしかない。
「私が聞きたいことは、この結婚を、あなたは望んでいるかです。」
一瞬、ダイニングホールの空気が張り詰める。
執事も日高も桐谷も、息を呑んで視線を逸らした。
瑛斗はしばらく黙したまま、ワインのグラスを持ち上げる。
「……遺言だろう。」
遺言、ね。私を結婚という名目で拾う行為は、彼の人生の棚卸しでたまたま見つかった未処理の項目か不正な負債のように思っている。もちろん、私も同じ。遺言自体が、私たちにとって押し付けられた迷惑な任務という皮肉としか思えないものだ。
だとしたら、感情論ではなく、論理で打開するしかない。
私は、グラスを持つ瑛斗を見て言った。
「解決方法を探すことはできないものなの?それとも、この問題は、あなたの業務範囲外としますか?」
瑛斗は、ワイングラスを持ったまま動きを止めた。
「業務範囲外?」と、瑛斗は鼻で笑った。グラスを音もなくテーブルに置き、私を冷徹に見据えた。
「解決方法?君の家族の借金15億3,000万円を、君が弁護士を使って自力で破棄できるなら、そうすればいい。僕が手を貸すものでもないと思うが。」
私は言葉に詰まった。その額の重みが、反論の糸口をすべて断ち切った。この男の言う通り。だけど、冷たい人。でも、瑛斗は私を責めているのではないと分かった。この火種は神谷家ではなく、水野家が持ち込んだものだ。私の感情など、瑛斗にとってはノイズに過ぎないのだから。
その瞬間、ダイニングホールに、場にそぐわない明るい女性の声が響いた。
瑛斗がテーブルに伏せていたスマホの画面が点灯し、冷たい音楽ではない、聞き取りやすい合成音声で着信を告げる。
「さえき りょうこさん(佐伯 涼子)からお電話です。」
瑛斗は、グラスを音もなくテーブルに置き直したまま、動きを止めた。
――再び、合成音声が冷たく響く。
「さえき りょうこさん(佐伯 涼子)からお電話です。」
私にとってはノイズだと切り捨てた感情が、瑛斗自身にもあった。しかも、さっき遺言だから従うしかないと、きっぱり言っていた男に、だ。早く出ればいいものの、何故でない。
この女性は誰?恋人?
少しだけ、嫉妬している私がいる気がする。いや、大いに腹立たしい。この屈辱感は、借金で買われたことに起因しているのか、それとも彼の二枚舌に対する怒りなのか――どちらにせよ、私はこの婚約を、絶対に彼の思うようにはさせない。
佐伯涼子という女性が、この遺言を覆すための唯一の業務になるはずだ。その業務を進めるには、私自身がまずこの婚約を業務として定義し直し方が先決。瑛斗という土俵でルールを作る必要がある。
私は静かにフォークを皿の上に置いた。
「食事は結構です。あなたはお忙しいようですので、先にそちらの対応をなさってください。私はこれで失礼します。」
私はそう言い切ると、瑛斗の返事を待たず、席を立った。
「待て。」
瑛斗が静かに言った。彼は初めてスマホの画面に手を伸ばし、着信を無視して切った。
「どこへ行くつもりだ。」
「失礼ですが、私はあなたの使用人ではありません。話があるなら、改めて業務時間内に。では。」と、言い切ってダイニングホールを後にすると、背後で瑛斗が何かを言おうとした気配を感じたが、私は足を止めなかった。
重厚な扉が背後で閉まり、一瞬、全てが止まったように感じた。
(つづく)
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