21 / 29
3
しおりを挟む
やめてよね、漸く落ち着いてきたのに。なんで、奴が目の前に現れるの?
別に容姿を変えたのはこうなる事を想定していた訳ではない。万が一にも他の聖女候補に接触したり、何らかの影響があったりしたらーーを危惧しての事で、間違ってもクレイルと再会するなんて事態は思い浮かびもしなかった。
私は見た目を変えるタイミングに合わせて職場もアパートも変えた。
勤務先には妙なつきまといを受けて嫌がらせみたいな事をされているので、とかごまかし(ちょうど見た目がMAXに痩せすぎていた頃なので意外にあっさり通った)、ゴスロリも封印したーーカンナちゃんと出掛ける時以外は。
カンナちゃんには引っ越す理由と共に最近 近所に妙な人がいて、跡をつけられてるみたいで気持ちが悪いから、見た目については帰り道でいきなり髪を切られそうになったから、と説明した。
カンナちゃんは”ツキナ”の頃の私しか知らない為、再会した時だけは黒髪黒眼の姿で行った。
私の趣味を知っている友人にはこの趣味は卒業したと説明し、ゴスロリはカンナちゃんと出掛ける時のみの気晴らしとなっている。
このご時世に再就職は冒険ではあったが、たまたま英語が堪能だったおかげで今の職に就けた。
全てはあの世界での”何か”が現在の私に影響を及ぼさない為にーーここまでやったのだ。壊されてたまるか。
(今回の人事異動は本当に何の意図もないの?)
と考える。
ーーあの2人は確かに外国人だが、日本語堪能だし英語いらないよね?なのに何故私が選ばれた?
上の指示ーーあの口ぶりからすると決めたのは区役所の人事でなく、防衛省側の指示ともとれる。
だとしたら、最初から私が"ツキナ"だとバレている事になる。でも、先程の奴はそんな様子は微塵も見せなかった。
考えすぎか?
ただの偶然か?
どちらにしろ、今すぐリアクションをとるのは危険だ。
クレイルも随分細身になっていた。
こちらではそれでもかなり筋肉質な方ではあるが、以前は筋肉質過ぎて騎士服以外は似合わない感があったが、今の感じなら貴族の正装みたいなのも似合いそうである。いかにも女子が喜びそうなーーん?
ここまで考えて、頭の隅に何かが引っかかったが、突き詰めるとイヤな記憶に突き当たりそうだったので、考えるのをやめた。
役所に戻って、至って普通に報告を済ませ、1日を終える。
だが、帰る道すがら、祈らずにはいられなかった。
ーー確かに、彼の幸福を願いはした。
だが、それはこっちの世界ここでの話ではない。
あの願いに、一つ付け加えるとするならば。
私のいないところで幸せになって、騎士様。
に尽きる。
お願いだから、こっちの世界に、私の世界に、入ってこないで。私は貴方を幸せには出来ないから。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
定刻で更新が出来ない……体力の限界をひしひしと感じます(^^;)
相変わらず噛み合わない2人ですが、次話からはエンカウント率があがります。
別に容姿を変えたのはこうなる事を想定していた訳ではない。万が一にも他の聖女候補に接触したり、何らかの影響があったりしたらーーを危惧しての事で、間違ってもクレイルと再会するなんて事態は思い浮かびもしなかった。
私は見た目を変えるタイミングに合わせて職場もアパートも変えた。
勤務先には妙なつきまといを受けて嫌がらせみたいな事をされているので、とかごまかし(ちょうど見た目がMAXに痩せすぎていた頃なので意外にあっさり通った)、ゴスロリも封印したーーカンナちゃんと出掛ける時以外は。
カンナちゃんには引っ越す理由と共に最近 近所に妙な人がいて、跡をつけられてるみたいで気持ちが悪いから、見た目については帰り道でいきなり髪を切られそうになったから、と説明した。
カンナちゃんは”ツキナ”の頃の私しか知らない為、再会した時だけは黒髪黒眼の姿で行った。
私の趣味を知っている友人にはこの趣味は卒業したと説明し、ゴスロリはカンナちゃんと出掛ける時のみの気晴らしとなっている。
このご時世に再就職は冒険ではあったが、たまたま英語が堪能だったおかげで今の職に就けた。
全てはあの世界での”何か”が現在の私に影響を及ぼさない為にーーここまでやったのだ。壊されてたまるか。
(今回の人事異動は本当に何の意図もないの?)
と考える。
ーーあの2人は確かに外国人だが、日本語堪能だし英語いらないよね?なのに何故私が選ばれた?
上の指示ーーあの口ぶりからすると決めたのは区役所の人事でなく、防衛省側の指示ともとれる。
だとしたら、最初から私が"ツキナ"だとバレている事になる。でも、先程の奴はそんな様子は微塵も見せなかった。
考えすぎか?
ただの偶然か?
どちらにしろ、今すぐリアクションをとるのは危険だ。
クレイルも随分細身になっていた。
こちらではそれでもかなり筋肉質な方ではあるが、以前は筋肉質過ぎて騎士服以外は似合わない感があったが、今の感じなら貴族の正装みたいなのも似合いそうである。いかにも女子が喜びそうなーーん?
ここまで考えて、頭の隅に何かが引っかかったが、突き詰めるとイヤな記憶に突き当たりそうだったので、考えるのをやめた。
役所に戻って、至って普通に報告を済ませ、1日を終える。
だが、帰る道すがら、祈らずにはいられなかった。
ーー確かに、彼の幸福を願いはした。
だが、それはこっちの世界ここでの話ではない。
あの願いに、一つ付け加えるとするならば。
私のいないところで幸せになって、騎士様。
に尽きる。
お願いだから、こっちの世界に、私の世界に、入ってこないで。私は貴方を幸せには出来ないから。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
定刻で更新が出来ない……体力の限界をひしひしと感じます(^^;)
相変わらず噛み合わない2人ですが、次話からはエンカウント率があがります。
95
あなたにおすすめの小説
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
異世界追放《完結》
アーエル
ファンタジー
召喚された少女は世界の役に立つ。
この世界に残すことで自分たちの役に立つ。
だったら元の世界に戻れないようにすればいい。
神が邪魔をしようと本人が望まなかろうと。
操ってしまえば良い。
……そんな世界がありました。
他社でも公開
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる