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しおりを挟む依然として事件が世間を騒がせている中、私はカンナちゃんに会う事も出来ず(メッセージのやりとりだけしている)、GWも気付かないうちに過ぎ、落ち着かない日々を過ごした。
あの2人が役所にくることは減ったが、防衛省に行かされる回数が増えた。
書類届け以外を要求される事はないが、顔を合わせることが増えている。大変よろしくない状況だ。
この勤務に対して特別な書類にサインさせられているわけではないので、とっとと辞めてしまおうか?
そんなことを思いつついつものお使いの途中、いつもの防衛省の受付で何やら揉めている声が聞こえた。
「とにかく担当者に会わせてよ!」
「ですから、お約束のない方とはー…」
「私は特別なの!そんな態度だと後悔するわよっ!」
テレビとかでよく見る定番のやりとりだ。だが、単なる市役所とかでなく防衛省でやる人は珍しい。
お偉いさんのご令嬢かなんかだろうか?
そう思いつつ、顔を合わせないようにして通り過ぎた。巻き込まれたくはなかったから。
だが、この時、顔を合わせておくべきだったかもしれないーー既に手遅れだったのかもしれないけど。
更に半月が過ぎ、事件の報道が大きくなる度、私が防衛省に行かされる回数も更に増えてきた。
有り難くないことにもう彼らと会う部屋までの道も覚えてしまった(迷路みたいな内部構造なのに)。私がその声を耳にしたのは偶然だったーーはずだ。
「だから、今回の事件は人の仕業じゃないわ!私にはわかるのーーだって私は聖女になるはずだったんだもの!」
「……っ?!」
悲鳴を上げずに息を呑み込む。
(この声って……!)
私はすぐに気が付いた。
これはあの時、受付で耳にした声だ。そして、今のセリフとセットで琴線に触れる記憶はーー最悪だ。
その声がするドアは僅かに開いている。が、この程度なら中にいる人間は外を通り過ぎる人間なんか、認識しないはず。
私は急いでそこを通り過ぎようとしたが、その時、
「ミス・サキサカ?」
と背後から声がかかった。悲鳴を呑み込んで振り向くとウィリアムと、今一番見たくない相手ーークレイルと目が合う。
(ヤバい!)
と瞬間的に思った私と違い、ウィリアムはのほほんと告げた。
「へんなとこに居合わせちゃったねぇ。まぁ、本来なら僕たちが駆けつける案件じゃないんだけど。先にいつもの部屋に行っててくれる?」
「あ、はい」
私は急いで言われた通りにその場を離れた。
だから、この後この2人がどんな会話をしたかは知らない。
「ーーで?クレイル。あの子が君の知ってる聖女様?」
「いや、彼女は聖女ではない」
*・゜゚・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゚・*
*なんでこの2人↑日本語ペラペラなのに敢えてミス~とかって呼び方してるかっていうと、外に出た時日本語の通じない外国人の振りしてる方が何かと便利だからです。
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