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本当に一瞬で魔物がうじゃうじゃいる場所に転移した。魔法って凄い。
目の前に真っ黒かつばかでかい(5×8メートルくらいありそう、尻尾含まなくても)ドラゴンがいる。
「おい…、死ぬ気か?」
背後に貼り付いたまままだショックが抜けきれてないクレイルの呟きに答えてやるつもりはない。
因みに転移作動時クレイルの側近も咄嗟にクレイルにしがみついたので騎士団が3人背後にプラスされている。
「あなたがやれって言ったんでしょ?アレ倒すのに邪魔だから離してくれない?」
「バカを言うな!早くここから離れろ!」
♦︎♦︎♦︎
ーー本気か?いきなり単身であれに挑むなど自殺しようとしてるとしか思えない。
奴の黒い口は今にも灼熱の炎を吹き出しそうだ。何とか彼女を奴から引き離さなければ。
そう思って腕に力を込めた途端、目の前のドラゴンが吹き飛んだ。
いや、正しくは消し飛んだというべきか。彼女の右手から放たれた一撃で、燃えて、一瞬で消し炭になって霧散した。
♢♢♢
凄いな、魔法って。
「一撃でコレとか、便利ね……」
私は素直に感心した。
戦い方はわかってる。
魔法の使い方も。
あの時勝手に入りこんできたのは多分歴代の聖女達の戦ってきた記録ーー記憶じゃなくて記録っていうのはそこに感情がなかったから。魔物を倒したり斬ったり封印したり?その時の感覚を”体が覚えてる”という感じ。そこに彼女達の感情は存在していない。良い事だ。その時の感情とか他人に継承されたらヤだもんね。
そして多分感情がないからこそ、はなからこんな真似が出来る。
「なんで驚くの?あなた達の手に負えないから私は呼ばれたんでしょ?」
単純な労働力としてアナタ達はこの世界に必要、だけど聖女に対して出来る事はない。
何もない。
コレが真実。
♢♦︎♦︎♢
「ーーだから、離して」
そう言って腕を振り払う彼女にかける言葉がみつからない。
「ぼけっとしてないで下にいる人たちの救出と避難指示でも出したらどうなの?騎士団の皆さん。」
そう言われてはっとする。
自分達は宙に浮いたままだが、眼下の村はあらかた焼き尽くされて酷い有り様だ。悲鳴や怒号も沢山聞こえる。
「しかし、君はどうする」
「次にヤバい奴のとこに行く。でかい奴から倒してった方が被害は少なくて済むでしょ?さっきのマップは出したままにしておく。点滅が消えれば倒せたってわかるでしょ。ここの避難が終わったら同じルートで同じ様に転移してついて来ればいいんじゃない?」
「し、しかし聖女様っ…!我々が使う転移魔法では移動距離に限りがあります!今の貴女がしたような転移は我々には無理です…!」
「その辺は自分達で何とかして。そこまで面倒は見切れない」
騎士団の人(名前知らない)の訴えを無視してとっとと転移した。目の前にいるラスボスタイプの魔物を一撃必殺仕留めてついでに周りの中級クラスの数を減らし、次の場所に転移。私はそれを繰り返した。
六体目のボスを倒したあと、クレイルが現れた。
「ツキナ様!」
「何?」
「ケガは…、してないようだな」
みりゃわかるだろそんなもん。
「王宮には報告をした。君が回った場所には魔法使いと騎士団の合同部隊が事態の鎮静と収拾に当たっている」
「そう」
良かったわね。
「君はーーあれだけ倒して何ともないのか?」
「見ればわかるでしょ?監視したきゃお好きにどうぞ。ただし邪魔はしないで?」
「ケガのある無しじゃない!あれだけの魔力を使い続けて反動はないのかと聞いてるんだ!」
「ないよ」
反動はない。消耗はしてるけどね?
「こんな短時間にあんな使い方は正気の沙汰じゃない」
「それを望んだのはあなた達でしょ?」
絶句するクレイルにちょっとだけ溜飲が下がる。
「ーー本当に体には何の影響もないのか?」
「あってもなくてもあなたに報告なんかしないよ?」
ーーもう猫を被る必要もないしね?
言い終わると同時に体が抱きあげられる。
「ーーならば無理にでも休んでいだこう。この世界にはあなたが必要なのだから」
やっぱりこいつの観察眼は侮れない。
嫌だな、居心地悪い。
てか、お姫様抱っこはやめろ。
実際私は体力がある方じゃない。本当に魔法の行使に反動はないが、体力は普通に消耗するのだ。魔物退治行脚って持久走みたいなものだしね?
見破られて、引きずりだされて、取り残されて。
とりあえず他にやる事が思いつかなかったから、ご希望通り魔物退治をやってみたワケだが。
ーーやってみたら魔物を倒すこと自体はそんなに難しくない。
それくらい、預けられた魔力は強大だった。
でも、体が疲れてきてるのは本当だ。けれどそれを教えるつもりもない。
代わりに、
「次、お姫様抱っこしたら攻撃するよ?」
とだけ言った。
ーーあんたに助けられるのは御免よ。
目の前に真っ黒かつばかでかい(5×8メートルくらいありそう、尻尾含まなくても)ドラゴンがいる。
「おい…、死ぬ気か?」
背後に貼り付いたまままだショックが抜けきれてないクレイルの呟きに答えてやるつもりはない。
因みに転移作動時クレイルの側近も咄嗟にクレイルにしがみついたので騎士団が3人背後にプラスされている。
「あなたがやれって言ったんでしょ?アレ倒すのに邪魔だから離してくれない?」
「バカを言うな!早くここから離れろ!」
♦︎♦︎♦︎
ーー本気か?いきなり単身であれに挑むなど自殺しようとしてるとしか思えない。
奴の黒い口は今にも灼熱の炎を吹き出しそうだ。何とか彼女を奴から引き離さなければ。
そう思って腕に力を込めた途端、目の前のドラゴンが吹き飛んだ。
いや、正しくは消し飛んだというべきか。彼女の右手から放たれた一撃で、燃えて、一瞬で消し炭になって霧散した。
♢♢♢
凄いな、魔法って。
「一撃でコレとか、便利ね……」
私は素直に感心した。
戦い方はわかってる。
魔法の使い方も。
あの時勝手に入りこんできたのは多分歴代の聖女達の戦ってきた記録ーー記憶じゃなくて記録っていうのはそこに感情がなかったから。魔物を倒したり斬ったり封印したり?その時の感覚を”体が覚えてる”という感じ。そこに彼女達の感情は存在していない。良い事だ。その時の感情とか他人に継承されたらヤだもんね。
そして多分感情がないからこそ、はなからこんな真似が出来る。
「なんで驚くの?あなた達の手に負えないから私は呼ばれたんでしょ?」
単純な労働力としてアナタ達はこの世界に必要、だけど聖女に対して出来る事はない。
何もない。
コレが真実。
♢♦︎♦︎♢
「ーーだから、離して」
そう言って腕を振り払う彼女にかける言葉がみつからない。
「ぼけっとしてないで下にいる人たちの救出と避難指示でも出したらどうなの?騎士団の皆さん。」
そう言われてはっとする。
自分達は宙に浮いたままだが、眼下の村はあらかた焼き尽くされて酷い有り様だ。悲鳴や怒号も沢山聞こえる。
「しかし、君はどうする」
「次にヤバい奴のとこに行く。でかい奴から倒してった方が被害は少なくて済むでしょ?さっきのマップは出したままにしておく。点滅が消えれば倒せたってわかるでしょ。ここの避難が終わったら同じルートで同じ様に転移してついて来ればいいんじゃない?」
「し、しかし聖女様っ…!我々が使う転移魔法では移動距離に限りがあります!今の貴女がしたような転移は我々には無理です…!」
「その辺は自分達で何とかして。そこまで面倒は見切れない」
騎士団の人(名前知らない)の訴えを無視してとっとと転移した。目の前にいるラスボスタイプの魔物を一撃必殺仕留めてついでに周りの中級クラスの数を減らし、次の場所に転移。私はそれを繰り返した。
六体目のボスを倒したあと、クレイルが現れた。
「ツキナ様!」
「何?」
「ケガは…、してないようだな」
みりゃわかるだろそんなもん。
「王宮には報告をした。君が回った場所には魔法使いと騎士団の合同部隊が事態の鎮静と収拾に当たっている」
「そう」
良かったわね。
「君はーーあれだけ倒して何ともないのか?」
「見ればわかるでしょ?監視したきゃお好きにどうぞ。ただし邪魔はしないで?」
「ケガのある無しじゃない!あれだけの魔力を使い続けて反動はないのかと聞いてるんだ!」
「ないよ」
反動はない。消耗はしてるけどね?
「こんな短時間にあんな使い方は正気の沙汰じゃない」
「それを望んだのはあなた達でしょ?」
絶句するクレイルにちょっとだけ溜飲が下がる。
「ーー本当に体には何の影響もないのか?」
「あってもなくてもあなたに報告なんかしないよ?」
ーーもう猫を被る必要もないしね?
言い終わると同時に体が抱きあげられる。
「ーーならば無理にでも休んでいだこう。この世界にはあなたが必要なのだから」
やっぱりこいつの観察眼は侮れない。
嫌だな、居心地悪い。
てか、お姫様抱っこはやめろ。
実際私は体力がある方じゃない。本当に魔法の行使に反動はないが、体力は普通に消耗するのだ。魔物退治行脚って持久走みたいなものだしね?
見破られて、引きずりだされて、取り残されて。
とりあえず他にやる事が思いつかなかったから、ご希望通り魔物退治をやってみたワケだが。
ーーやってみたら魔物を倒すこと自体はそんなに難しくない。
それくらい、預けられた魔力は強大だった。
でも、体が疲れてきてるのは本当だ。けれどそれを教えるつもりもない。
代わりに、
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とだけ言った。
ーーあんたに助けられるのは御免よ。
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