俺の兄貴、俺の弟...

日向 ずい

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俺とこいつの過去...。(尊と恋の過去、尊目線)

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 俺とこいつ(恋)の過去について
 まぁ、なんて言ったらいいか分からないけど、俺と恋は、昔からの腐れ縁で幼稚園に通うより前から、知り合いだったんだ。
  俺と恋が出会ったのは、とても寒いまだ雪の降る真冬のある日だった。その頃のマイブームと言えば、ブランコだった。毎日、お昼ご飯を食べては、公園に行ってブランコを夕方までこぐ生活を送っていた...うーん、今思うとなんだか少し照れくさいな...(笑)
  あっ、それで恋と出会ったその日も俺はいつものようにブランコをこいで遊んでいた。そしたら、公園に走ってくる1人の男の子を見つけたんだ。その子は、公園に入るなり地面に座り込んで泣き出したんだ...俺は、びっくりしてその子の近くに走って寄っていった。
  この泣いていた子が、恋なんだけど、この頃の恋は、やんちゃっ子でイタズラをしては、お母さんに怒られていたんだってさ。(笑)今じゃ、笑い話だけどこれを恋の前でいうと本気で殴られそうになったから、言わないように気をつけてることは、恋には内緒だから。
  その日も、いつものように恋のお母さんが趣味にしてた家庭菜園を靴で踏み荒らしちゃったんだって。恋は、ほんのイタズラ心からやってしまったみたいなんだけど、恋のお母さんは、本当に大切にしていた家庭菜園だったから、恋のことを怒鳴った後に
「あんたは、うちの子じゃない...出ていきなさい!!」って言われて、腕を引っ張られて玄関を追い出され、鍵を閉められたらしい。でも、お母さんもきっと辛かったんだと思う...心を鬼にして追い出したんだと思う。
  恋は、途方に暮れてこの公園にやってきたんだって、でも、寒いし雪もうっすら積もってるこんな日に外に出てたら死ぬってことは、俺たち子供でも安易に理解することは出来た。
  それで、俺はとりあえず家に連れて行ったんだ。
「大丈夫??何があったかは知らないけれど、寒いし僕の家に行こう!!」
俺は、こう言って座り込んでいる恋に手を差し出したんだ。
 恋は、そんな俺を暫く見つめていたけど、やがて笑顔になり俺の手をギュッと握って立ち上がった。
俺と恋は、俺の家に向かいながら沢山喋った。
「君の名前は...??どこに住んでいるの??なんでさっき泣いていたの???」
 俺が、沢山質問したせいで恋は、困り果てた顔をしていた。
「...お...俺の名前は...音海 恋(おとみ れん)。...家は、こっちの方向じゃなくて向こうの方...泣いていた理由は......別にいいだろ...。」
恋は、今とは比べ物にならないくらいシャイな男の子だったんだと思う。
真っ赤になりながら、必死に俯いて話をする恋を、じっと見つめていた俺は、話が終わると
「恋くんか!...家は、僕の家とは逆の方向なんだね...うーん、泣いている理由は、話さなくてもいいけど、喋ると楽になるよ!だから、僕でよかったら話を聞いてあげるからいつでも頼ってね!!」
 ...俺って、こんな恥ずかしい喋り方してたっけ??あー、もうコレ絶対公開処刑だよね...。それと黒歴史...。
  話戻すけど、恋は、そんな俺の言葉に
「...そうなのか...??俺は、お父さんからいつも男は涙を見せちゃいけない。悩み事も俺でなんとかしないといけないって...。だから、喋る事は、ダメなことだと思っていたが、えっと『...あっ!名前だね!!僕は、成瀬 尊 (なるせ たける)って言うんだ。』あっ...分かった...尊の家では、お父さんそんな事言わないのか??」
不思議そうに俺の顔をみてきた恋に
「...うん、僕の家では、お父さんもお母さんも僕に興味ないから...いつもにーちゃんにばっかり...だから、別に何も言われないよ??」
この時から、俺は気づいていたんだよな...両親は、俺に期待してくれてない...関心がないこと...。
  でも、そんな素振りを見せないように恋に普通の顔で言ったんだ。
 そしたら、恋は
「...そうなのか...お前の家も大変だな...。でも、もう寂しくないな!」
俺は、何で寂しくないのか分からなかったから、首をかしげたんだ。そしたら、
 「...だって、もう俺っていう家族がいるだろ??俺は、お前のもう1人のにーちゃんになってやる!!だから、そんな悲しそうな顔するなよな!!!...な??」
 この時の恋は、本当にオレの憧れだった。
「...恋くん...ありがとう!(笑)僕もっと、強くなれるように頑張る!!」
恋にニコッと笑いかけると恋も笑いながら
 「おう!だから、お前は俺の弟だ!!弟だから、これからも毎日一緒に遊ぼうな!!ずっと一緒だからな!!約束!!!」
約束って言って、小指を俺に差し出してきた。そう、いわゆる...指切りげんまんってやつ...うわっ、マジでこれは黒歴史でしょ...(笑)
 まぁ、純粋だった俺は、ちゃんと指切りげんまんしてやったけどな...。(ドヤ顔)
そうこうしてるうちに、俺の家に着いてお母さんは、俺に関心が無いけど世間体気にする人だったから...ご飯出してくれたし、ここで初めて親の表裏ってのを知った(笑)
 ご飯食べて俺のハマってた戦隊モノの玩具で遊んだりしてて気づいたら8時とかで兄貴が、恋を家まで送ってくれるって言って3人で夜道を歩いて恋の家まで向かったんだ。
 恋の家の前まで来ると、恋の母さんが玄関に立ってて、恋の姿を見ると俺たちに駆け寄ってきた。と次の瞬間、恋の頬を思い切り平手打ちした。
 恋は、痛かったみたいで「...うっ。」と小さい声を漏らした。
そんな恋に
「...全く...こんな時間まで何してたの!?...どれほど心配したか...でも、良かった...無事でほんとによかった...。」
恋の母さんは、恋を叱った後にギュッと恋を抱きしめて、涙を流していた。正直言うと、とても羨ましかった...俺は、両親に叱られたり、抱き締められたりしなかったから...全部...兄貴が教えてくれた...だから、俺にとったら兄貴は、俺の兄であり親であり先生であり憧れの人であるわけで...。
暫くして恋の母さんは、俺たちを見て深々と頭を下げて
「...ほんとにご迷惑お掛けしました...なんとお礼を言っていいのか...。」
そんな恋の母さんを見て
「...いえ、こちらこそすみません...音海さんの大切な恋さんを連れ回してしまって...こんなことをしておいてなんですが、これからも尊と友達として仲良くしてやってください。お願いします...。」
俺の兄貴は、深々と頭を下げていた...俺も何となく、真似して頭を下げた。すると、恋の母さんは
「...いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします...恋も友達が出来て嬉しいと思いますし、これからもよろしくお願いします。」
恋の母さんは、何度も頭を下げていた。恋は、俺の目の前に来ると
「...尊。これからも友達としてよろしくな!!!また、遊ぼうな!(笑)」
 俺に恋が手を差し出してきて、俺も
「僕も、宜しくね!恋くん!!また、遊ぼう!!!(笑)」
こうして握手を交わして俺と恋は、友達になって高校生になった今でも、腐れ縁でずっと一緒にいるってわけ...まぁ、でも、悪い気はしないけどね...。
 それにしても、俺って...こんな変な喋り方してたんだな...今になって振り返ると...真面目に恥ずかしい...。でも、これで兄貴が俺の好きな焼きそば作ってくれるって言うなら、安いものかもな...。
 あっ、言っとくけど、ここだけの話だからな...他にチクッたりとか...ってこれ...みんなに読まれてるんだよな.........。
「...兄貴ー!!!!俺を騙したな!!!!!ここで俺と恋の出会いを語るだけって言ってたじゃん、俺の黒歴史を...プライバシーとか無いのかよ!それにしても、焼きそばだけじゃ、失うものと得るものが釣り合ってないだろ!!プラスで、スイーツも100種は、作ってもらわないと割に合わない!!って、聞いてるのかよ、おい、兄貴!?」
 このあと都和は、尊に散々ねだられたのは、言うまでもない。

ここだけの話!
 尊は、見た目や性格からは、考えられないくらい子供が好きな食べ物が大好きで、恋といい勝負の甘党である。でも、その事を尊は、恥ずかしいと思っており、口外は決してしてないため、恋ですらまだ知らない。
 
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