俺の兄貴、俺の弟...

日向 ずい

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俺と尊の過去!(尊と恋の過去 恋目線)

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俺と尊(たける)の過去について
 もうこれ始まってる??やっほー、恋だよ!!ってこんな風にやっちゃいけないのかな??まぁ、いっか!みんなに聞いて欲しいんだけど、俺、最近恋のやつに好きなものについて聞かれたんだけど、何でかな??俺としては「好きな物は、尊だー!!」って言いたかったけど、尊がまた怒りそうだから、そりゃ、メロンパンって言ったら「...恋って、ほんとにメロンパン好きだよな~...まぁ、でも、分かった。ありがとう。」
 なんて言ってたんだけど、尊は何を企んでいるんだろうって気になってるんだよな...もしかしたら、全国のききメロンパンやらされるんじゃないのか...だとしたらまずい...今からでも、計画立てとかないと......って、あっ、はやく俺と尊の過去について話してほしい??
 分かった、そろそろ本題に入ろうか!(笑)
 俺と恋が出会ったのは、幼稚園に通うよりも前で、まだ寒い雪の降る真冬のある日だった。
 俺の、その頃のマイブームは、イタズラだったんだ...(笑)マイブームがイタズラって...俺自身も若干ひくわ...。
 その日も、俺ん家の花壇?って言うのか分からないが、野菜とか花とか育てているところを踏み荒らしていたんだ。俺は、軽いイタズラでやったんだけど俺の母さんは、本当に大切にしていたみたいで、今まで見たことのないくらいの形相で
「あんたは、うちの子じゃない...出ていきなさい!!」
って言われたかと思ったら、腕を掴まれて玄関の外まで引きづられて鍵を閉められちゃったんだ...この時の俺はまだ餓鬼で、捨てられちゃったと思って大泣きしながら、いつもの公園に走っていったんだ。何かあれば、公園に来て泣いていたから、だから、その時も普段誰もいない公園に行っては一人で泣いて沢山泣いてから次のことを考えようと思ってたんだ。
 でも、その日の公園には人がいた。俺は、涙を流していたし自分のことでいっぱいになっていたから気づかなかった...。そいつは、泣いている俺に近づくと
「大丈夫??何があったかは知らないけれど、寒いし僕の家に行こう!!」
そう言って俺に手を差し出したのは、尊だった。尊は、今と同じぐらい可愛くて、優しくて何よりも表裏がないような純粋な目をしていた。俺は、その日から尊のことが、大好きだ。なんて...死んでも尊には言えないけどな...(笑)
 手を差し出されて、少しの間その綺麗に整ったまるで天使のような顔についつい見入っていたが、尊が不思議そうな顔をしてたからはっと我に返って尊の手を取り、立ち上がった。
 尊の家に向かっている時、尊が沢山質問をしてきた。
 「君の名前は...??何処に住んでいるの??何でさっき泣いていたの???」
尊が沢山質問してくるから、正直困っていたが、尊が必死に俺を慰めようとしてくれているって分かったから俺も、必死に答えた。
「...お...俺の名前は...音海 恋(おとみ れん)。...家は、こっちの方向じゃなくて向こうの方...泣いていた理由は......別にいいだろ...。」
多分バレたな...俺は、今と比べものならないくらい恥ずかしがり屋なシャイボーイだったんだ...。それが、今じゃこーんなにお喋りで、挙句の果てに尊からは、プレイボーイなんて呼ばれているし...(笑)
そんな俺をじっと見つめていた尊は
 「恋くんか!...家は、僕の家とは逆の方向なんだね...うーん、泣いている理由は、話さなくてもいいけど、喋ると楽になるよ!だから、僕でよかったらいつでも話を聞いてあげるからいつでも頼ってね!!」
笑顔で言われてドキッとした。でも、俺の気持ちにも気付かれたくなくて尊に
「...そうなのか...??俺は、お父さんからいつも男は涙を見せちゃいけない。悩み事も俺でなんとかしないといけないって...。だから、喋る事は、ダメなことだと思っていたが、えっと『...あっ!名前だね!!僕は、成瀬 尊 (なるせ たける)って言うんだ。』あっ...分かった...尊の家では、お父さんそんな事言わないのか??」
 お父さんから、男が泣くなんてみっともないって言われて、俺も泣かないように頑張ってた。泣きたくなったら、公園に来て...。だから、尊のことが不思議で仕方なかった。そんな俺を見て
「...うん、僕の家では、お父さんもお母さんも僕に興味ないから...いつもにーちゃんばっかり...だから、別に何も言われないよ??」
声は、普通なのに顔は、今にも泣きそうなそんな表情をしていたくせに、俺を慰めようとここまでしてくれる尊に俺は
「...そうなのか...お前の家も大変だな...。でも、もう寂しくないな!」
俺が、不思議なことを言うから尊も首をかしげていたが、俺は続けて言った。
 「...だって、もう俺っていう家族がいるだろ??俺は、お前のもう1人のにーちゃんになってやる!!だから、そんな悲しそうな顔するなよな!!!...な??」
シャイだった俺が、唯一心を許して話せた初めての友達...それが尊だった。この時から、俺は誰とでも仲良くなれる尊のような人間になろうって心に決めたんだよな...俺が、今こんなにフレンドリーなのも、尊のお陰ってわけ!(笑)尊には、黙っているけど。
 こういった俺に尊は、満面の笑みで
「...恋くん...ありがとう!(笑)僕もっと、強くなれるように頑張る!!」
って言ってきたから俺も笑いかけて
「おう!だから、お前は俺の弟だ!!弟だから、これからも毎日一緒に遊ぼうな!!ずっと一緒だからな!!約束!!!」
そう言って俺は、小指を尊に差し出し指切りげんまんを促した。尊は、きっとそんな恥ずかしいことを俺がやるわけないだろ??なんて言うと思うけど、ここだけの話、あいつは結構乗り気だったぞ!(笑)
 尊の家は、とっても暖かい感じがした。尊は、両親に愛されてないとか言っていたけど、俺みたいなどこの子かわからない子にご飯くれたりするところを見ていると、きっと大切にされているんだろうなって思った。
ご飯のあとのレンジャーの玩具で変身ポーズを真似して遊んでいたが、尊は、レンジャーと言うよりも女の子が見ていたヒーローものの、キャラにそっくりだった。俺得だったけどな(笑)
 そのあと、尊のお兄さんが俺を家まで送ってくれた。
  あっという間に家の前まで着いた。するとお母さんが、玄関の前に立っていた。俺は、やっぱり酷いことしたから家に入れてもらえないんじゃないかと思って怖かったが、俺の姿を見た瞬間俺の方に走ってきて、俺を平手打ちした。
今でも覚えているけど、あれは痛かったな...(笑)そんな俺を
「...全く...こんな時間まで何してたの!?...どれほど心配したか...でも、良かった...無事でほんとによかった...。」
 叱りながら涙を流して、俺を抱きしめられた。そんなお母さんを見て、もう二度とこんな顔をさせてはいけないって思って、それから今の俺が出来上がったってわけ!(笑)
 暫くしてお母さんは、尊達の方を向き頭を下げて
 「...ほんとにご迷惑お掛けしました...なんとお礼を言っていいのか...。」
そしたら、尊のお兄さんは
 「...いえ、こちらこそすみません...音海さんの大切な恋さんを連れ回してしまって...こんなことをしておいてなんですが、これからも尊と友達として仲良くしてください。お願いします...。」
こう言って頭を下げていた。尊を見ると尊も真似して頭を下げていた。
 俺のお母さんは
「...いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします...恋も友達が出来て嬉しいと思いますし、これからもよろしくお願いします。」
何度も頭を下げていたお母さんを横目に俺は、尊の前まで行くと
「...尊。これからも友達としてよろしくな!!!また、遊ぼうな!(笑)」
って言って手を差し出したら尊も
「僕も、宜しくね!恋くん!!また、遊ぼう!!!(笑)」
そう言って俺の差し出した手を握り返してくれたんだ。
この時から俺と尊は、ずっと一緒にいるってわけだけど...未だに好きって気持ち...伝えられないんだよな~...どうやったら伝えられるようになるか、アドバイスくれよな!えっ、もしかしてもう締めないといけない時間??...あっという間だし、と言うより俺まだ、みんなと話したいことたくさんあるんだけど???...嘘っ!?後で、メロンパン買ってくれるの!?それを早く言ってよね。という事で、これが俺と尊の過去でした。これからの、俺と尊の関係にも注目だよ!!
じゃあね、ばいばい。
 さぁ、はやくメロンパン買いに行こうぜ!!!

ここだけの話!
 恋の好きな物はメロンパンだけど、嫌いなものは、メロンで尊によく聞かれるけど恋自身も理由は、分からないみたい。
 恋が、1回付き合ったことあるって言ったのは、中学生の頃だけど、尊の事が好きだってカミングアウトしたらドン引きされて振られてしまった...。その時のことは、ずっと後悔している恋の話は、またの機会に...。
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