2 / 41
2 王宮
しおりを挟む
「えー、この度は、なんといいますか。えっと、なんだっけ?」
数日後。
兄に背中を押されて、渋々王宮まで向かった俺は、眉間に深い皺を刻んだダリス殿下と対面させられていた。
まさか婚約者を公爵令息に寝取られたなんて口が裂けても言えないと、プライドだけは高い殿下のおかげで、この件は内々に処理されることとなった。俺にとっては、願ってもない幸運である。
内々なので、俺への処分はなし。だが、殿下への直接謝罪だけはきっちり行えと、兄がうるさかった。
ダリス殿下は、兄と同じ二十一歳。この国の第一王子であり、次期国王。眩い金髪が特徴的な、少し気難しい顔の青年である。
偉そうにテーブルに肘をついて、じっと俺のことを見据える殿下は、苛立ったように足を鳴らしている。コツコツと、靴のつま先と床のぶつかる音が、静まり返った室内に思いのほか響き渡っている。
「ウィル」
「……なんでしょうか、殿下」
幼少期より俺は頻繁に王宮に出入りしていた。俺の父でもある公爵は、国王の右腕として政治に関わる仕事をしている。そのため、目の前で不機嫌そうに腕を組む殿下とは親しい仲である。
なんか暇さえあれば、殿下の遊び相手をさせられていた。第一王子ということもあり、気軽に知らない子供たちと遊ぶことが許されなかった殿下にとって、俺らアグナス公爵家の息子たちは恰好の遊び相手だったのだろう。身元もしっかりしているし、なんなら身内だし。
なので俺にとってダリス殿下は、この国の王太子殿下というよりは、幼少期によく遊んだ親戚の兄ちゃんという感覚の方が強い。
だから特に緊張することもなく対面していたのだが、ダリス殿下は難しい顔で俺のことを見据えてくる。
「ウィル。君は、私に対して謝罪をしに来たのでは?」
「そうですけど」
「そうか。では続けて」
偉そうに顎で指示してくる殿下に苛立つ気持ちをグッと堪える。殿下の言葉を否定するな、謝罪に徹しろと、朝から兄に口うるさく言われていた。
「えー。この度は、えー」
「この度は、なんだ?」
「俺の、じゃないや。私の不注意で、えっと。殿下の婚約者? みたいな人を、んと」
視線は殿下に向けたまま、上着の内ポケットを探る。殿下が怪訝な表情で首を傾げているが、構うものか。
そうして内ポケットから取り出した一枚の紙を、堂々と手元に広げる。
「殿下の婚約者であるカルロッタ様には大変なご無礼を」
「待て! 待て、ウィル!」
気を取り直して謝罪をしていたところ、鋭い声が飛んできたために、ぴたりと口を閉じて顔を上げた。眉を吊り上げたダリス殿下と視線が合う。
「その手元の紙はなんだ」
「兄に渡された謝罪文です」
「せめて文面くらいは自分で考えたらどうなんだ。いやそんなことよりも。メモを見ながら謝罪するんじゃない!」
「はぁ」
「なんだその気の抜けた返事は!」
手を伸ばしてくる殿下に、兄お手製の謝罪メモを渡してやる。一瞥した殿下は、深いため息をついた。
「ディックにも困ったものだな。こうやって甘やかすから、ろくなことにならない」
なんだか殿下の怒りの矛先が兄へと向かった気がする。これはチャンスとばかりに「本当ですね!」と全力で同意を示しておけば、「おまえが言うな」と睨まれてしまった。解せない。
ぽいっと謝罪メモを放り投げた殿下は、「こういう時には自分の言葉で謝罪するんだ」と妙なアドバイスを寄越してくる。
「はぁ、そうですか。じゃあ、すんません」
早口で述べて、ぺこりと頭を下げれば、隠しもしない舌打ちが降ってきた。がらの悪い王子である。
しかし、殿下の要望通り自分の言葉で謝罪した。この場はもうお開きで構わないだろうと考えて、殿下に背を向ける。
「じゃあ俺は忙しいので。もう帰りますね」
「待て、ウィル」
「え、もう終わりましたよね?」
「終わったわけがないだろう」
こっちに来いと手招きされて、今度はこちらが舌打ちしたくなる。
「俺、この後すぐに女の子とデートの約束があるんですけど」
「反省という概念を知らないのか?」
なぜだか絶句する殿下は、両手で顔を覆ってしまう。
「おまえは本当に……!」
そのまま突っ立って、続きを待ってみるが、殿下が会話を再開する気配はない。これは帰っていいやつ? そろそろと、扉に向けて忍び足で後退する。
そうして出口までたどり着いたところで。なぜだか勝手に扉が開いた。
咄嗟に避けようとしたのだが、勢いよく突入してくる女と肩がぶつかってしまう。「いって」と肩を押さえる俺を睨み付けてきた気の強い女は、聖女様であった。
「ウィル! あなた、またやらかしたそうですね!」
勢いのままに指を突き付けてくる美しい金髪の少女は、この国の聖女ソフィアである。王宮内に存在する神殿に引きこもり、国のために祈りを捧げる少女。
この国では十八で成人となる。聖女になる条件は、魔力が豊富な未成年の少女。成人に達すれば、新しい聖女へと代替わりすることになっている。
聖女を務めた者は、その後の人生においても聖なる神の使いとして様々な面で優遇される。つまり幼少期に聖女に選ばれれば、その後の人生は安泰というわけで、このポジションを狙う少女(というよりその親)は山ほどいる。
そんな熾烈な争いを勝ち抜いてきた今代の聖女は、現在十三歳。もちろん魔力は豊富。聖女として神様の加護を受けたおかげで、人間離れした力を有している。少々やんちゃな性格が玉に瑕という感じだが。
本日だって、神殿を抜け出して王太子殿下の自室に乗り込んできた。彼女の背後では、護衛役の騎士やお付きの神官がオロオロしている。
「聖女様」
慌てたように立ち上がるダリス殿下も、困ったような様子で彼女を部屋から追い出そうと奮闘している。聖女様は神様の分身的な役割を担うので、いくら王太子殿下とはいえ無下にはできないのだろう。
そんな焦りをみせる周囲をものともせず、聖女ソフィアは、俺にぐいぐい近寄ってくる。
「今度は何をやらかしたのかしら?」
ニマニマと意地の悪い笑みを浮かべる聖女は、俺が殿下に呼び出されたと知って駆けつけたらしい。この女は、俺が殿下に呼び出される時は説教のためだと決めつけている節がある。面白おかしく毎度見学にやってくる嫌な女なのだ。
いくら聖女とはいえ、相手は完全に十三歳の少女。年下の女の子に舐められていい気はしない。ふんっとそっぽを向けば、聖女が「愛想わるぅ」と文句を垂れてくる。
「どうせあなたが余計なことをしたんでしょうけど。もう十八歳でしょ? そろそろ落ち着いた方がよろしいと思うけど?」
腰に手を当てて、嫌味ったらしく小首を傾げる聖女に、ふつふつと怒りが沸いてくる。ぎゅっと拳を握りしめれば、聖女と共に部屋へ乱入してきたフロイドが「まぁまぁ、落ち着いて」と俺の両肩を掴んでくる。
フロイドは、俺の護衛という名の見張り役である。
あれは俺が十五歳になった日であった。
ダリス殿下から誕生日プレゼントが用意されていると聞き、わくわくしていた少年時代。現れたのが、このフロイドであった。殿下からの誕生日プレゼントである。もっといい物を期待していた俺は、心底がっかりした。そんでもってフロイドが持参していたダリス殿下からの手紙に「おまえは目を離すとろくなことをしないので、見張り役をつけようと思う。仲良くするように」との文言を見つけて、もっとがっかりした。
それ以来、フロイドは俺の行動を監視しては、いちいち殿下に報告している。聞けば、所属は王立騎士団だという。だったら王族にでも引っ付いておけよ。俺に引っ付くな。
「怖い怖い。そんなんだから、いつまで経っても子供扱いされるのよ」
「あん?」
フロイドに宥められる俺を横目に、聖女はわざとらしく肩をすくめてみせる。
子供はそっちだろうが。
数日後。
兄に背中を押されて、渋々王宮まで向かった俺は、眉間に深い皺を刻んだダリス殿下と対面させられていた。
まさか婚約者を公爵令息に寝取られたなんて口が裂けても言えないと、プライドだけは高い殿下のおかげで、この件は内々に処理されることとなった。俺にとっては、願ってもない幸運である。
内々なので、俺への処分はなし。だが、殿下への直接謝罪だけはきっちり行えと、兄がうるさかった。
ダリス殿下は、兄と同じ二十一歳。この国の第一王子であり、次期国王。眩い金髪が特徴的な、少し気難しい顔の青年である。
偉そうにテーブルに肘をついて、じっと俺のことを見据える殿下は、苛立ったように足を鳴らしている。コツコツと、靴のつま先と床のぶつかる音が、静まり返った室内に思いのほか響き渡っている。
「ウィル」
「……なんでしょうか、殿下」
幼少期より俺は頻繁に王宮に出入りしていた。俺の父でもある公爵は、国王の右腕として政治に関わる仕事をしている。そのため、目の前で不機嫌そうに腕を組む殿下とは親しい仲である。
なんか暇さえあれば、殿下の遊び相手をさせられていた。第一王子ということもあり、気軽に知らない子供たちと遊ぶことが許されなかった殿下にとって、俺らアグナス公爵家の息子たちは恰好の遊び相手だったのだろう。身元もしっかりしているし、なんなら身内だし。
なので俺にとってダリス殿下は、この国の王太子殿下というよりは、幼少期によく遊んだ親戚の兄ちゃんという感覚の方が強い。
だから特に緊張することもなく対面していたのだが、ダリス殿下は難しい顔で俺のことを見据えてくる。
「ウィル。君は、私に対して謝罪をしに来たのでは?」
「そうですけど」
「そうか。では続けて」
偉そうに顎で指示してくる殿下に苛立つ気持ちをグッと堪える。殿下の言葉を否定するな、謝罪に徹しろと、朝から兄に口うるさく言われていた。
「えー。この度は、えー」
「この度は、なんだ?」
「俺の、じゃないや。私の不注意で、えっと。殿下の婚約者? みたいな人を、んと」
視線は殿下に向けたまま、上着の内ポケットを探る。殿下が怪訝な表情で首を傾げているが、構うものか。
そうして内ポケットから取り出した一枚の紙を、堂々と手元に広げる。
「殿下の婚約者であるカルロッタ様には大変なご無礼を」
「待て! 待て、ウィル!」
気を取り直して謝罪をしていたところ、鋭い声が飛んできたために、ぴたりと口を閉じて顔を上げた。眉を吊り上げたダリス殿下と視線が合う。
「その手元の紙はなんだ」
「兄に渡された謝罪文です」
「せめて文面くらいは自分で考えたらどうなんだ。いやそんなことよりも。メモを見ながら謝罪するんじゃない!」
「はぁ」
「なんだその気の抜けた返事は!」
手を伸ばしてくる殿下に、兄お手製の謝罪メモを渡してやる。一瞥した殿下は、深いため息をついた。
「ディックにも困ったものだな。こうやって甘やかすから、ろくなことにならない」
なんだか殿下の怒りの矛先が兄へと向かった気がする。これはチャンスとばかりに「本当ですね!」と全力で同意を示しておけば、「おまえが言うな」と睨まれてしまった。解せない。
ぽいっと謝罪メモを放り投げた殿下は、「こういう時には自分の言葉で謝罪するんだ」と妙なアドバイスを寄越してくる。
「はぁ、そうですか。じゃあ、すんません」
早口で述べて、ぺこりと頭を下げれば、隠しもしない舌打ちが降ってきた。がらの悪い王子である。
しかし、殿下の要望通り自分の言葉で謝罪した。この場はもうお開きで構わないだろうと考えて、殿下に背を向ける。
「じゃあ俺は忙しいので。もう帰りますね」
「待て、ウィル」
「え、もう終わりましたよね?」
「終わったわけがないだろう」
こっちに来いと手招きされて、今度はこちらが舌打ちしたくなる。
「俺、この後すぐに女の子とデートの約束があるんですけど」
「反省という概念を知らないのか?」
なぜだか絶句する殿下は、両手で顔を覆ってしまう。
「おまえは本当に……!」
そのまま突っ立って、続きを待ってみるが、殿下が会話を再開する気配はない。これは帰っていいやつ? そろそろと、扉に向けて忍び足で後退する。
そうして出口までたどり着いたところで。なぜだか勝手に扉が開いた。
咄嗟に避けようとしたのだが、勢いよく突入してくる女と肩がぶつかってしまう。「いって」と肩を押さえる俺を睨み付けてきた気の強い女は、聖女様であった。
「ウィル! あなた、またやらかしたそうですね!」
勢いのままに指を突き付けてくる美しい金髪の少女は、この国の聖女ソフィアである。王宮内に存在する神殿に引きこもり、国のために祈りを捧げる少女。
この国では十八で成人となる。聖女になる条件は、魔力が豊富な未成年の少女。成人に達すれば、新しい聖女へと代替わりすることになっている。
聖女を務めた者は、その後の人生においても聖なる神の使いとして様々な面で優遇される。つまり幼少期に聖女に選ばれれば、その後の人生は安泰というわけで、このポジションを狙う少女(というよりその親)は山ほどいる。
そんな熾烈な争いを勝ち抜いてきた今代の聖女は、現在十三歳。もちろん魔力は豊富。聖女として神様の加護を受けたおかげで、人間離れした力を有している。少々やんちゃな性格が玉に瑕という感じだが。
本日だって、神殿を抜け出して王太子殿下の自室に乗り込んできた。彼女の背後では、護衛役の騎士やお付きの神官がオロオロしている。
「聖女様」
慌てたように立ち上がるダリス殿下も、困ったような様子で彼女を部屋から追い出そうと奮闘している。聖女様は神様の分身的な役割を担うので、いくら王太子殿下とはいえ無下にはできないのだろう。
そんな焦りをみせる周囲をものともせず、聖女ソフィアは、俺にぐいぐい近寄ってくる。
「今度は何をやらかしたのかしら?」
ニマニマと意地の悪い笑みを浮かべる聖女は、俺が殿下に呼び出されたと知って駆けつけたらしい。この女は、俺が殿下に呼び出される時は説教のためだと決めつけている節がある。面白おかしく毎度見学にやってくる嫌な女なのだ。
いくら聖女とはいえ、相手は完全に十三歳の少女。年下の女の子に舐められていい気はしない。ふんっとそっぽを向けば、聖女が「愛想わるぅ」と文句を垂れてくる。
「どうせあなたが余計なことをしたんでしょうけど。もう十八歳でしょ? そろそろ落ち着いた方がよろしいと思うけど?」
腰に手を当てて、嫌味ったらしく小首を傾げる聖女に、ふつふつと怒りが沸いてくる。ぎゅっと拳を握りしめれば、聖女と共に部屋へ乱入してきたフロイドが「まぁまぁ、落ち着いて」と俺の両肩を掴んでくる。
フロイドは、俺の護衛という名の見張り役である。
あれは俺が十五歳になった日であった。
ダリス殿下から誕生日プレゼントが用意されていると聞き、わくわくしていた少年時代。現れたのが、このフロイドであった。殿下からの誕生日プレゼントである。もっといい物を期待していた俺は、心底がっかりした。そんでもってフロイドが持参していたダリス殿下からの手紙に「おまえは目を離すとろくなことをしないので、見張り役をつけようと思う。仲良くするように」との文言を見つけて、もっとがっかりした。
それ以来、フロイドは俺の行動を監視しては、いちいち殿下に報告している。聞けば、所属は王立騎士団だという。だったら王族にでも引っ付いておけよ。俺に引っ付くな。
「怖い怖い。そんなんだから、いつまで経っても子供扱いされるのよ」
「あん?」
フロイドに宥められる俺を横目に、聖女はわざとらしく肩をすくめてみせる。
子供はそっちだろうが。
282
あなたにおすすめの小説
どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…
左遷先は、後宮でした。
猫宮乾
BL
外面は真面目な文官だが、週末は――打つ・飲む・買うが好きだった俺は、ある日、ついうっかり裏金騒動に関わってしまい、表向きは移動……いいや、左遷……される事になった。死刑は回避されたから、まぁ良いか! お妃候補生活を頑張ります。※異世界後宮ものコメディです。(表紙イラストは朝陽天満様に描いて頂きました。本当に有難うございます!)
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
見習い薬師は臆病者を抱いて眠る
XCX
BL
見習い薬師であるティオは、同期である兵士のソルダートに叶わぬ恋心を抱いていた。だが、生きて戻れる保証のない、未知未踏の深淵の森への探索隊の一員に選ばれたティオは、玉砕を知りつつも想いを告げる。
傷心のまま探索に出発した彼は、森の中で一人はぐれてしまう。身を守る術を持たないティオは——。
人嫌いな子持ち狐獣人×見習い薬師。
大好きな獅子様の番になりたい
あまさき
BL
獣人騎士×魔術学院生
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カナリエ=リュードリアには夢があった。
それは〝王家の獅子〟レオス=シェルリオンの番になること。しかし臆病なカナリエは、自身がレオスの番でないことを知るのが怖くて距離を置いてきた。
そして特別な血を持つリュードリア家の人間であるカナリエは、レオスに番が見つからなかった場合彼の婚約者になることが決まっている。
望まれない婚姻への苦しみ、捨てきれない運命への期待。
「____僕は、貴方の番になれますか?」
臆病な魔術師と番を手に入れたい騎士の、すれ違いラブコメディ
※第1章完結しました
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
長編です。お付き合いくださると嬉しいです。
宰相閣下の絢爛たる日常
猫宮乾
BL
クロックストーン王国の若き宰相フェルは、眉目秀麗で卓越した頭脳を持っている――と評判だったが、それは全て努力の結果だった! 完璧主義である僕は、魔術の腕も超一流。ということでそれなりに平穏だったはずが、王道勇者が召喚されたことで、大変な事態に……というファンタジーで、宰相総受け方向です。
悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――
ロ
BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」
と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。
「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。
※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)
ゲームにはそんな設定無かっただろ!
猫宮乾
BL
大学生の俺は、【月の旋律 ~ 魔法の言葉 ~】というBLゲームのテストのバイトをしている。異世界の魔法学園が舞台で、女性がいない代わりにDomやSubといった性別がある設定のゲームだった。特にゲームが得意なわけでもなく、何周もしてスチルを回収した俺は、やっとその内容をまとめる事に決めたのだが、飲み物を取りに行こうとして階段から落下した。そして気づくと、転生していた。なんと、テストをしていたBLゲームの世界に……名もなき脇役というか、出てきたのかすら不明なモブとして。 ※という、異世界ファンタジー×BLゲーム転生×Dom/Subユニバースなお話です。D/Sユニバース設定には、独自要素がかなり含まれています、ご容赦願います。また、D/Sユニバースをご存じなくても、恐らく特に問題なくご覧頂けると思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる