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家族3
3-4
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開始は夜。
間に合うように夕方には来るだろう。――一泊分の荷物を持って。
――カチャっ。
「ただいまぁ」
玄関から李煌さんの声がした。
「お帰り~。……思ったより大荷物じゃん」
出迎えたのは悠璃のようだ。
(大荷物って……、なら悠璃を連れて行けば良かったのに)
俺は昼食を済ませたところで、ふたりの会話をリビングで耳に入れていた。
そしてふたりがキッチンに入ってくる。
「あれ? 大河くん出かけるの?」
余所行きの服を身に着けていた俺に、李煌さんが瞬く。
「ん。ちょっと、唐木と」
「ああ! 唐木くんは夕方に来てくれるんだよね?」
「うん。それまでには帰ってくるよ」
それだけ告げて、俺は家を出た。
唐木との約束は、嘘だ。
パーティーの準備をするなら、本人はいない方がいいだろう。
そう思って出かけてみたはいいものの……。
(さて、何処で何しよう……)
ぶらぶらと店を梯子する。
入っても何も買わないなんて、冷やかしもいいところだ。
結局落ち着いたのは、漫画喫茶。
(久し振りに来たな。漫画自体あんま読まねえけど……)
ずらりと並ぶ本棚から、適当な漫画を数冊抜き取って、指示された個室に入った俺は、それを読むわけでもなくソファーで時間を潰した。
ブー、ブー……。
ポケットに入れていた携帯が振動して目を開ける。
「……はい……」
『あ、相見? 僕だけど』
電話の主は唐木だった。
「どうしたんだ?」
『夕方からって言ってたけど、これからって暇?』
「まあ、俺は暇だけど……」
『じゃあ時間までどこかで遊ばない? 僕も暇なんだよ~』
「……なんだ、デートの誘いか?」
(なんてな)
この程度の冗談、唐木ならサラッと受け流してくれるだろう。
でも、それは数日前までの話だった――。
『分かってくれてるなら話は早いや』
「は? 何言って……」
『今家?』
「え、いや……漫画喫茶だけど――」
『じゃあそこに居て。僕がそっち行くから』
「行くからじゃねえよ。ちょっとま――……」
ツー、ツー……。
(……切りやがった)
虚しく流れる無機質音に、グッと眉を寄せた。
漫画を元の場所に戻して、仕方なく一階のロビーに向かう。
そして十五分ほどして唐木が入ってくるのが見えた。
「相見! お待たせぇ」
やたら息が切れている。
(わざわざ走って来たのか……)
「わざわざ出て来てくれたんだ?」
心中の言葉と重なってドキリとする。
「……当たり前だろ。お前がいるならココにいる意味なんてないからな」
男二人で漫画喫茶を利用する気にはならないという意味でいったのだが、唐木はどう捉えたのか知れない。
ニコニコしている辺り、自分の好きなように取ったのだろうと想像はつくが……。
「漫画は何を読んでたの?」
「なにも」
間に合うように夕方には来るだろう。――一泊分の荷物を持って。
――カチャっ。
「ただいまぁ」
玄関から李煌さんの声がした。
「お帰り~。……思ったより大荷物じゃん」
出迎えたのは悠璃のようだ。
(大荷物って……、なら悠璃を連れて行けば良かったのに)
俺は昼食を済ませたところで、ふたりの会話をリビングで耳に入れていた。
そしてふたりがキッチンに入ってくる。
「あれ? 大河くん出かけるの?」
余所行きの服を身に着けていた俺に、李煌さんが瞬く。
「ん。ちょっと、唐木と」
「ああ! 唐木くんは夕方に来てくれるんだよね?」
「うん。それまでには帰ってくるよ」
それだけ告げて、俺は家を出た。
唐木との約束は、嘘だ。
パーティーの準備をするなら、本人はいない方がいいだろう。
そう思って出かけてみたはいいものの……。
(さて、何処で何しよう……)
ぶらぶらと店を梯子する。
入っても何も買わないなんて、冷やかしもいいところだ。
結局落ち着いたのは、漫画喫茶。
(久し振りに来たな。漫画自体あんま読まねえけど……)
ずらりと並ぶ本棚から、適当な漫画を数冊抜き取って、指示された個室に入った俺は、それを読むわけでもなくソファーで時間を潰した。
ブー、ブー……。
ポケットに入れていた携帯が振動して目を開ける。
「……はい……」
『あ、相見? 僕だけど』
電話の主は唐木だった。
「どうしたんだ?」
『夕方からって言ってたけど、これからって暇?』
「まあ、俺は暇だけど……」
『じゃあ時間までどこかで遊ばない? 僕も暇なんだよ~』
「……なんだ、デートの誘いか?」
(なんてな)
この程度の冗談、唐木ならサラッと受け流してくれるだろう。
でも、それは数日前までの話だった――。
『分かってくれてるなら話は早いや』
「は? 何言って……」
『今家?』
「え、いや……漫画喫茶だけど――」
『じゃあそこに居て。僕がそっち行くから』
「行くからじゃねえよ。ちょっとま――……」
ツー、ツー……。
(……切りやがった)
虚しく流れる無機質音に、グッと眉を寄せた。
漫画を元の場所に戻して、仕方なく一階のロビーに向かう。
そして十五分ほどして唐木が入ってくるのが見えた。
「相見! お待たせぇ」
やたら息が切れている。
(わざわざ走って来たのか……)
「わざわざ出て来てくれたんだ?」
心中の言葉と重なってドキリとする。
「……当たり前だろ。お前がいるならココにいる意味なんてないからな」
男二人で漫画喫茶を利用する気にはならないという意味でいったのだが、唐木はどう捉えたのか知れない。
ニコニコしている辺り、自分の好きなように取ったのだろうと想像はつくが……。
「漫画は何を読んでたの?」
「なにも」
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