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家族3
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――……。
「やっぱり速かったね。フリー」
「……」
「選ばれるんじゃないかな。リレーの選手に」
部活の帰り道。
また本人よりも嬉しそうに話す唐木には、正直呆れる。
この際自分の事は棚に上げても構わないことにしよう。
「まだ決まった訳じゃねえだろ。お前こそ、どうするんだよ」
「僕? 僕はもちろんブレだよ。フリーもいいけど希望者多そうだからね」
「そんな動機でいいのか? フリーがやりたいなら――」
「ううん。僕はブレが好きだからいいの。タイムもフリーと大差ないしね。フリーは相見のを見るだけで満足!」
「あ、っそ」
唐木の言うブレは平泳ぎのこと。
ちなみに背泳ぎはバックという。
まあどれを泳ぐかは本人の自由だし、結果も自己責任。
とはいえ、俺は他人を満足させられる泳ぎなんてできないし、責任も負えないが。
「そういえば、パーティーって日曜日だったよね」
ポツリと紡がれた言葉に、数回瞬き、頷く。
「……、ああ」
「僕も行っていいかな」
「……え?」
「もちろん、家族水入らずなら遠慮するけど、僕も一緒にお祝いできたらなーって。訊いてもらえない?」
こう問い掛けられたら断れない。
俺は視線を前に向けて言葉を零した。
「まぁ……訊くだけなら訊いてみるけど」
「うん、お願い」
(訊くなら李煌さんだろうけど、ほぼ100%の確率でOKなんだろうな。……まさか、そうなると思ってコイツ……)
唐木のどこかホッとした横顔を盗み見ながら、俺は心中で溜息を零した。
*****
パーティー当日。
珍しく朝からバタバタと家の中が騒がしい。
「リオ兄どこ行くのー?」
「ちょっと足りない物を買って来なくちゃいけなくてね。お昼までには帰ってくるから」
「一人で持てる?」
「大丈夫大丈夫。じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃーい」
李煌さんと悠璃の会話を二階へ続く階段で聞きながら、玄関の扉が閉まるのを見計らって下り立つ。
足音に気付いた悠璃が俺に視線を向けた。
「大兄は手伝わなくていいわけ?」
「昨日、そうしようとしたら断られたんだ。主役は何もしなくていいからってさ」
「まあ確かにそうかもね。いいなー」
悠璃は唇を尖らせながらリビングへ入って行った。
(いいな……か。俺は距離を置かれてるみたいで、嫌なんだけどな)
あれ以来、まともに李煌さんとちゃんと目を合わせて会話をした記憶があまりない気がする。
(余所余所しいんだよな……。俺も、李煌さんも)
だから余計に視線が絡まない。
(……って、このままパーティーなんてやって大丈夫なのか? ――まあ、唐木も来ることだし、気まずくなることは、薄いだろうけど……)
案の定、李煌さんに唐木のことを話したら、すんなり承諾された。
「やっぱり速かったね。フリー」
「……」
「選ばれるんじゃないかな。リレーの選手に」
部活の帰り道。
また本人よりも嬉しそうに話す唐木には、正直呆れる。
この際自分の事は棚に上げても構わないことにしよう。
「まだ決まった訳じゃねえだろ。お前こそ、どうするんだよ」
「僕? 僕はもちろんブレだよ。フリーもいいけど希望者多そうだからね」
「そんな動機でいいのか? フリーがやりたいなら――」
「ううん。僕はブレが好きだからいいの。タイムもフリーと大差ないしね。フリーは相見のを見るだけで満足!」
「あ、っそ」
唐木の言うブレは平泳ぎのこと。
ちなみに背泳ぎはバックという。
まあどれを泳ぐかは本人の自由だし、結果も自己責任。
とはいえ、俺は他人を満足させられる泳ぎなんてできないし、責任も負えないが。
「そういえば、パーティーって日曜日だったよね」
ポツリと紡がれた言葉に、数回瞬き、頷く。
「……、ああ」
「僕も行っていいかな」
「……え?」
「もちろん、家族水入らずなら遠慮するけど、僕も一緒にお祝いできたらなーって。訊いてもらえない?」
こう問い掛けられたら断れない。
俺は視線を前に向けて言葉を零した。
「まぁ……訊くだけなら訊いてみるけど」
「うん、お願い」
(訊くなら李煌さんだろうけど、ほぼ100%の確率でOKなんだろうな。……まさか、そうなると思ってコイツ……)
唐木のどこかホッとした横顔を盗み見ながら、俺は心中で溜息を零した。
*****
パーティー当日。
珍しく朝からバタバタと家の中が騒がしい。
「リオ兄どこ行くのー?」
「ちょっと足りない物を買って来なくちゃいけなくてね。お昼までには帰ってくるから」
「一人で持てる?」
「大丈夫大丈夫。じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃーい」
李煌さんと悠璃の会話を二階へ続く階段で聞きながら、玄関の扉が閉まるのを見計らって下り立つ。
足音に気付いた悠璃が俺に視線を向けた。
「大兄は手伝わなくていいわけ?」
「昨日、そうしようとしたら断られたんだ。主役は何もしなくていいからってさ」
「まあ確かにそうかもね。いいなー」
悠璃は唇を尖らせながらリビングへ入って行った。
(いいな……か。俺は距離を置かれてるみたいで、嫌なんだけどな)
あれ以来、まともに李煌さんとちゃんと目を合わせて会話をした記憶があまりない気がする。
(余所余所しいんだよな……。俺も、李煌さんも)
だから余計に視線が絡まない。
(……って、このままパーティーなんてやって大丈夫なのか? ――まあ、唐木も来ることだし、気まずくなることは、薄いだろうけど……)
案の定、李煌さんに唐木のことを話したら、すんなり承諾された。
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