【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。

村松砂音(抹茶砂糖)

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1 彼にくちづけられるたび ※

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 身体のなかが満たされていく。
 彼にくちづけられるたび、身体のなかに魔力が注がれていく。魔力が身体の熱を上げ、触れる彼の唇が、彼の指が、身体の熱をさらに上げていく。そうして、リュカの身体は彼に満たされていく。

「んッ、う……っ!」

 大きく広げた脚のあいだに香油で濡れた指がもう一本入ってきて、リュカはとっさに男の首へとしがみついた。
 こちらを見下ろすライトブルーの瞳は、探るような視線を向けてくる。ちりちりとかすかに感じていた違和感がだんだんとはっきりしてきて、それが身体のなかで大きく膨らんだ瞬間、びくりと身体が跳ね上がった。

「ああ……ッ!」

 なかを拡げるように動いていた指がふいに動きを変えて、そこを重点的に擦りはじめる。くちゅくちゅと香油の粘ついた音が耳について、興奮を煽ってくる。

「オレの指は、気持ちいいんだったか?」
「はい……きもち、いい、です……っ」

 リュカがそう答えると、気をよくしたように男が笑う。笑みを象った唇が押し当てられて、香油の立てる水音に舌の絡み合う音が混じりはじめた。快楽にとける瞳を間近で見つめられ、腹の内側の弱いところを強く圧迫される。

「う、ん……ッ、うっ、ぐ、んんッ!」

 未知の快感に困惑しながらも、それをあたえるのが彼だと思えば、なにも怖くなかった。
 足元から這い上がってきたなにかに引っ張りあげられて、わけがわからないうちに絶頂を迎えていた。

「――……ッ!」

 リュカの悲鳴は深く合わさった唇のあいだに飲み込まれ、空に浮いていた脚はがくがくと震えている。ぬめる内壁はぎゅうぎゅうと二本の指を締めつけた。精液を出し尽くしたリュカの性器からはなにも出ず、深い快感にただ痙攣するばかりだった。

「あ……っ、ん」

 離れていった唇に胸の尖りを食まれて、腰がひとりでに揺れる。舌先で突起を転がされ、こねられ、根元に軽く歯を立てられた。
 快感に弛緩する身体から引き抜かれた指が、香油を纏ってもう一度戻ってくる。指がもう一本増えたのがわかった。

「……っ、あ」

 整った顔が近づいてきて、自分から舌を突き出せば、男もこちらへ舌を突き出してくる。舌が絡みあって、誘われて、熱い口内に舌が飲み込まれる。舌を伝って流れ込んできた唾液を飲み込み、身体はいっそう熱くなる。
 彼と交わすくちづけは、頭が痺れるほどに気持ちよかった。

 着々と、準備が整っていく。彼を受け入れる準備が整っていく。
 それがたまらなくうれしいのに、たまらなくさみしい。

 終わりへと近づいていくのが、どうしようもなくさみしかった。
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