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ハワイ最終決戦
第66話 最後のメッセージ
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戦闘初日は第五次攻撃で打ち止めとなった。
艦上機隊、その中でも戦闘機搭乗員の疲労が限界を迎えていたからだ。
それに、オアフ島の基地航空隊はすでに壊滅させ、さらに脚の速い乙一もまた全滅させていたから、焦る必要は無かった。
優速を生かし、甲一から甲五までの五個機動部隊との間合いを詰めた第一機動艦隊は、早朝から航空攻撃を実施した。
一晩のインターバルがあったことで、搭乗員らはかなりの程度、体力を回復している。
出撃したのは紫電改が三一七機に天山が九八機の合わせて四一五機だった。
紫電改は五割、天山に至っては三割以下にまでその可動機が激減している。
それだけ、米軍の反撃もまた激しかったのだ。
第六次攻撃に参加する機体については、紫電改は両翼にそれぞれ二五番を一発、天山のほうはイ号一型丙無線誘導弾を胴体下に懸吊していた。
これらのうちで、第三艦隊は甲一、第四艦隊は甲二、第五艦隊は甲三、第六艦隊は甲四、第七艦隊は甲五を叩くことになっていた。
甲一から甲五までの五個機動部隊は、そのいずれもが六隻の護衛空母とそれに八隻の駆逐艦から成っていた。
この時点ではまだ日本側は承知していなかったが、四〇隻ある駆逐艦のうちの二〇隻までが戦力の小さな護衛駆逐艦だった。
四一五機からなる第六次攻撃隊は、もっぱらそれら駆逐艦にその的を絞って攻撃を実施した。
防御力が低い駆逐艦にとってはイ号一型丙無線誘導弾はもちろんのこと、二五番でさえも当りどころによっては十分に致命傷になり得た。
まず、天山がイ号一型丙無線誘導弾によって駆逐艦の半数を刈り取った。
残る半数には紫電改がこれにあたった。
こちらは六〇〇発を超える二五番を投じたものの、しかし命中したのは三〇発程度で、その命中率は五パーセント以下という惨憺たるものだった。
しかし、重巡の砲弾の二倍以上の重量を持つ二五番は、駆逐艦にとっては極めて剣呑な存在であり、一発でも食らえばそれこそ甚大なダメージを被ることになった。
四一五機の艦上機の攻撃を受けてなお、五隻の駆逐艦が無傷を維持していた。
そこで、一機艦を指揮する小沢長官は第七次攻撃隊として一〇七機の零戦とそれに一三機の彗星を繰り出した。
零戦は二五番、彗星は五〇番をそれぞれ一発装備している。
そして、これら一二〇機は無傷の駆逐艦を散々に叩きのめすとともに、傷の浅い艦に対してもその矛先を向けた。
そして、第六次攻撃と第七次攻撃から戻ってきた機体でさらに第八次攻撃隊を編成。
それらは生き残っていた駆逐艦のそのすべてを撃沈した。
護衛空母を守る猟犬が全滅してからしばし。
昨日のうちに切り離した重巡を中核とする追撃部隊がそれら護衛空母を捕捉する。
巡洋艦や駆逐艦に内懐に飛び込まれては、護衛空母としてはもはや為す術が無い。
三〇隻にも及ぶ護衛空母は一隻の例外も無く、白旗を掲げつつ洋上停止する。
最高速度が二〇ノットに満たない護衛空母ではどうあがいても逃げ切ることなど不可能だからだ。
そして、この一件はオアフ島を巡る戦い、中でも同島を守る将兵らの士気に対して甚大な影響を与えた。
自分たちと手を携えて戦うはずだった太平洋艦隊が壊滅したのだから無理もなかった。
そのうえ、すべての護衛空母を鹵獲されるという信じられない事態。
よほどの戦力差が無い限り、このようなことは起こり得ない。
そして、現在のオアフ島には地上戦力しか残されていない。
基地航空隊のほうはすでに組織的戦闘力を喪失しており、さらに頼みの綱である砲台群もまた日本の艦上機による爆撃によって壊滅的ダメージを被っていた。
それでも、武器・弾薬それに食糧はそれなりの蓄えがある。
ただ、これも無限では無い。
もし、このまま日本の艦隊が長期間にわたってハワイ周辺に居座るようなことがあれば、いずれ備蓄も底をつく。
制空権や制海権を失った孤島の防衛が絶望的なのは、太平洋最大の要衝であるオアフ島にもまた適用されるのだ。
一方、オアフ島に上陸した日本軍のほうは意気軒昂だった。
「大和」や「武蔵」それに「長門」や「陸奥」の艦砲射撃によって耕されたビーチに悠々と上陸、それ以降の進軍も手厚い航空支援によって順調だった。
そして、早い段階でオアフ島にあるハワイ方面陸軍司令部それに太平洋艦隊司令部は日本に対して降伏を申し出た。
これは、開戦劈頭のフィリピン戦線における帝国陸軍の振る舞いが少なからず影響していた。
フィリピンを巡る戦いが終わった後に起こったバターン死の行進と呼ばれるそれは、米政府が日本軍の残虐行為を非難するための宣伝材料にされるとともに、一方で米兵の日本軍に対する恐怖心を惹起させた。
さらに、太平洋艦隊司令長官のニミッツ大将の死もまた影響していた。
オアフ島を守るため、ニミッツ長官は戦艦「ニュージャージー」とともに出撃、陣頭指揮にあたっていた。
しかし、そのニミッツ長官を乗せた「ニュージャージー」は第七一任務群の他の僚艦とともにあっさりと沈められてしまった。
その沈みゆく「ニュージャージー」からニミッツ長官はすべての将兵に向けて最後のメッセージを送っていた。
「これはルーズベルト大統領の我儘から始まった無謀なる戦いだ。私は敗北の責任をとってここで艦と運命を共にする。しかし、将兵諸君らはこれに付き合うことはない。決して命を粗末にすることなく、生き残ることを最優先とせよ」
このニミッツ長官の最後っ屁ともいうべき振る舞いは、しかし第二次世界大戦の行く末を大きく左右するものだった。
艦上機隊、その中でも戦闘機搭乗員の疲労が限界を迎えていたからだ。
それに、オアフ島の基地航空隊はすでに壊滅させ、さらに脚の速い乙一もまた全滅させていたから、焦る必要は無かった。
優速を生かし、甲一から甲五までの五個機動部隊との間合いを詰めた第一機動艦隊は、早朝から航空攻撃を実施した。
一晩のインターバルがあったことで、搭乗員らはかなりの程度、体力を回復している。
出撃したのは紫電改が三一七機に天山が九八機の合わせて四一五機だった。
紫電改は五割、天山に至っては三割以下にまでその可動機が激減している。
それだけ、米軍の反撃もまた激しかったのだ。
第六次攻撃に参加する機体については、紫電改は両翼にそれぞれ二五番を一発、天山のほうはイ号一型丙無線誘導弾を胴体下に懸吊していた。
これらのうちで、第三艦隊は甲一、第四艦隊は甲二、第五艦隊は甲三、第六艦隊は甲四、第七艦隊は甲五を叩くことになっていた。
甲一から甲五までの五個機動部隊は、そのいずれもが六隻の護衛空母とそれに八隻の駆逐艦から成っていた。
この時点ではまだ日本側は承知していなかったが、四〇隻ある駆逐艦のうちの二〇隻までが戦力の小さな護衛駆逐艦だった。
四一五機からなる第六次攻撃隊は、もっぱらそれら駆逐艦にその的を絞って攻撃を実施した。
防御力が低い駆逐艦にとってはイ号一型丙無線誘導弾はもちろんのこと、二五番でさえも当りどころによっては十分に致命傷になり得た。
まず、天山がイ号一型丙無線誘導弾によって駆逐艦の半数を刈り取った。
残る半数には紫電改がこれにあたった。
こちらは六〇〇発を超える二五番を投じたものの、しかし命中したのは三〇発程度で、その命中率は五パーセント以下という惨憺たるものだった。
しかし、重巡の砲弾の二倍以上の重量を持つ二五番は、駆逐艦にとっては極めて剣呑な存在であり、一発でも食らえばそれこそ甚大なダメージを被ることになった。
四一五機の艦上機の攻撃を受けてなお、五隻の駆逐艦が無傷を維持していた。
そこで、一機艦を指揮する小沢長官は第七次攻撃隊として一〇七機の零戦とそれに一三機の彗星を繰り出した。
零戦は二五番、彗星は五〇番をそれぞれ一発装備している。
そして、これら一二〇機は無傷の駆逐艦を散々に叩きのめすとともに、傷の浅い艦に対してもその矛先を向けた。
そして、第六次攻撃と第七次攻撃から戻ってきた機体でさらに第八次攻撃隊を編成。
それらは生き残っていた駆逐艦のそのすべてを撃沈した。
護衛空母を守る猟犬が全滅してからしばし。
昨日のうちに切り離した重巡を中核とする追撃部隊がそれら護衛空母を捕捉する。
巡洋艦や駆逐艦に内懐に飛び込まれては、護衛空母としてはもはや為す術が無い。
三〇隻にも及ぶ護衛空母は一隻の例外も無く、白旗を掲げつつ洋上停止する。
最高速度が二〇ノットに満たない護衛空母ではどうあがいても逃げ切ることなど不可能だからだ。
そして、この一件はオアフ島を巡る戦い、中でも同島を守る将兵らの士気に対して甚大な影響を与えた。
自分たちと手を携えて戦うはずだった太平洋艦隊が壊滅したのだから無理もなかった。
そのうえ、すべての護衛空母を鹵獲されるという信じられない事態。
よほどの戦力差が無い限り、このようなことは起こり得ない。
そして、現在のオアフ島には地上戦力しか残されていない。
基地航空隊のほうはすでに組織的戦闘力を喪失しており、さらに頼みの綱である砲台群もまた日本の艦上機による爆撃によって壊滅的ダメージを被っていた。
それでも、武器・弾薬それに食糧はそれなりの蓄えがある。
ただ、これも無限では無い。
もし、このまま日本の艦隊が長期間にわたってハワイ周辺に居座るようなことがあれば、いずれ備蓄も底をつく。
制空権や制海権を失った孤島の防衛が絶望的なのは、太平洋最大の要衝であるオアフ島にもまた適用されるのだ。
一方、オアフ島に上陸した日本軍のほうは意気軒昂だった。
「大和」や「武蔵」それに「長門」や「陸奥」の艦砲射撃によって耕されたビーチに悠々と上陸、それ以降の進軍も手厚い航空支援によって順調だった。
そして、早い段階でオアフ島にあるハワイ方面陸軍司令部それに太平洋艦隊司令部は日本に対して降伏を申し出た。
これは、開戦劈頭のフィリピン戦線における帝国陸軍の振る舞いが少なからず影響していた。
フィリピンを巡る戦いが終わった後に起こったバターン死の行進と呼ばれるそれは、米政府が日本軍の残虐行為を非難するための宣伝材料にされるとともに、一方で米兵の日本軍に対する恐怖心を惹起させた。
さらに、太平洋艦隊司令長官のニミッツ大将の死もまた影響していた。
オアフ島を守るため、ニミッツ長官は戦艦「ニュージャージー」とともに出撃、陣頭指揮にあたっていた。
しかし、そのニミッツ長官を乗せた「ニュージャージー」は第七一任務群の他の僚艦とともにあっさりと沈められてしまった。
その沈みゆく「ニュージャージー」からニミッツ長官はすべての将兵に向けて最後のメッセージを送っていた。
「これはルーズベルト大統領の我儘から始まった無謀なる戦いだ。私は敗北の責任をとってここで艦と運命を共にする。しかし、将兵諸君らはこれに付き合うことはない。決して命を粗末にすることなく、生き残ることを最優先とせよ」
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