59 / 62
ショタ萌え炸裂編第九章 日常に潜むショタ萌えの幸せ
しおりを挟むダム建設現場の視察を終え、王城へ戻る馬車に揺られていた。
夕日が美しく空を染め、砂漠に長い影が伸びる。
「お姉様、今日はとても勉強になりました」
「レオナルド様も、とても熱心に見学していらっしゃいましたわね」
五歳のレオナルドは嬉しそうに微笑んだ。
「僕、お姉様のお仕事を見てると、すごいなって思うんです」
「まあ……ありがとうございます」
「大きな石を運ぶ機械も、水の流れを変える仕組みも、全部お姉様が考えたんですよね」
純粋な尊敬の眼差しに、エリアナの胸がじんわり温かくなる。
(この子の素直さ……本当に愛おしい。五歳でこんなに真剣に話を聞いてくれるなんて)
「レオナルド様のおかげで、私も頑張れますの」
「僕のおかげ?」
小さく首をかしげる仕草がまた可愛い。
「ええ、レオナルド様が一緒にいてくださると、とても心強いんですの」
「本当ですか?」
瞳がぱっと輝く。
「僕、お姉様のお役に立ててるんですか?」
「もちろんですわ」
(ああ……この反応、可愛すぎる……! 褒められて喜ぶ五歳児、尊すぎる!)
---
その時、馬車がぐらりと揺れた。
「あっ」
レオナルドが小さな声を上げ、エリアナの方へ倒れかかる。
「大丈夫ですか?」
咄嗟に抱きとめると、彼は安心したように微笑んだ。
「はい、ありがとうございます」
(この小さな体……私の腕にすっぽり収まって……柔らかくて……萌える!)
「お姉様、温かいです。お姉様の腕の中、安心します」
(ぎゃあああ……なんて可愛いことを……! 天使すぎる……!)
「レオナルド様も、とても温かいですわ」
「えへへ……」
そのまま彼は、エリアナの肩にもたれかかった。
「お姉様……」
「はい?」
「僕、お姉様が大好きです」
(き、きたああああ! 無邪気な愛の告白! 尊死確定!)
エリアナの心臓が跳ね上がる。
「私も、レオナルド様が大好きですわ」
「本当ですか?」
「ええ、本当ですわ」
「やった!」
小さな手を叩いて喜ぶ姿に、エリアナはもう限界だった。
---
王城に到着すると、レオナルドは名残惜しそうにエリアナから離れた。
「お姉様、今日はありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
「明日も、一緒にお勉強できますか?」
「もちろんですわ」
嬉しそうに頷くと、ふと振り返った。
「お姉様。明日、僕の宝物を見せてもいいですか?」
「宝物?」
「はい、とっても大切なものなんです。お姉様にだけ、見せたいんです」
(宝物を“私にだけ”……!? 特別感が強すぎる……萌える……!)
「楽しみにしていますわ」
「やった!」
駆けて行く後ろ姿に、エリアナの心臓はまだバクバクしていた。
---
◆ ◆ ◆
その夜、日記を開く。
『今日のレオナルド様。
馬車の中で「温かい」「安心する」と言ってくれた。
そして「お姉様が大好き」と無邪気な告白。
明日は宝物を見せてくれるらしい。
「お姉様にだけ」という特別感に撃ち抜かれた。
毎日がショタ萌えの宝庫。この幸せが永遠に続けばいいのに。』
ペンを置き、窓の外の月を見上げる。
(明日はどんな可愛い姿を見せてくれるのかしら……。レオナルド様の宝物、楽しみすぎる)
月光が、彼女の頬を照らしていた。
---
◆ ◆ ◆
翌朝。
「お姉様、おはようございます!」
「おはようございます、レオナルド様」
「今日は、僕の宝物を見せる日ですね」
「ええ、楽しみにしていましたわ」
レオナルドは照れくさそうに笑った。
「でもその前に、朝ごはんを一緒に食べましょう」
小さな手で、エリアナの手を取る。
(朝から手を繋いでエスコート……! この甘え方、尊すぎる……!)
---
食卓でレオナルドは嬉しそうに話す。
「昨日から楽しみで、なかなか眠れなかったんです」
(宝物を見せるのにドキドキして眠れない……純粋すぎる……!)
食事を終えると、彼は誇らしげに言った。
「お姉様、準備ができました。僕のお部屋へ!」
---
レオナルドの部屋は、絵本やおもちゃが整然と並ぶ愛らしい空間だった。
「これが僕の宝箱です!」
小さな箱を開け、中から取り出したのは――光を反射してきらめく小石。
「これは……?」
「ダムの建設現場で見つけたんです。お姉様と一緒にいた時に見つけた石だから、僕の宝物なんです」
(わ、私との思い出の石を……宝物に……!? 純粋すぎて泣きそう……!)
「とても美しい石ですね」
「はい! この石を見ると、お姉様との楽しい時間を思い出すんです」
エリアナは胸が熱くなり、思わず彼を抱きしめた。
「ありがとうございます、レオナルド様」
「お姉様……!」
小さな手がぎゅっと服を掴んだ。
---
◆ ◆ ◆
その日も夜まで、萌えポイントが次々と積み重なった。
図書館で一緒に勉強、眠気に勝てず膝枕、天使の寝顔、起きた時の恥じらい。
日記にはこう記された。
『今日のレオナルド様。
宝物は「お姉様との思い出の石」。
「お姉様との時間が一番幸せ」と言ってくれた。
図書館での膝枕タイム。天使の寝顔を堪能。
起きた時の恥じらいも可愛い。
今日も萌えポイント満載の一日。
この子と過ごす日常そのものが宝物。』
窓の外、夕日が美しく空を染めていた。
(ショタ萌えの日常……最高の幸せ……)
エリアナは頬を赤らめ、幸せそうに微笑んだ。
---
46
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄され追放されましたが、隣国の氷の公爵様に“白い結婚”を提案されましたので、心穏やかに幸せになりますわ
鷹 綾
恋愛
婚約破棄されたその日、私は“追放令”も同時に宣告された。
王太子エドモンド殿下曰く、
「君のように冷たい女はいらない。真実の愛は聖女ローザだ」──と。
……それなら結構ですわ。
捨ててくださって、ありがとうございます。
行く宛もなく王都を去った私を拾ったのは、
冷徹と噂される若き宰相代理アレクシス様。
「俺と“白い結婚”をしないか。
互いの自由を侵さない、契約だけの結婚だ」
恋愛感情は一切なし。
――そんなはずだったのに。
料理を褒めてくれる優しい声。
仕事帰りにかけてくれる「ただいま」。
私の手をそっと包む温もり。
気づけば、契約のはずの彼との距離が、少しずつ近づいていく。
そんな折──王太子と偽聖女ローザが私を“罪人”に仕立て上げ、
祝福の儀の場で公開断罪しようと企む。
「セレナに触れるな。……彼女は、俺の妻だ」
アレクシス様が壇上で剣を抜いた瞬間、
私の世界は大きく動き出した。
偽りの聖女は暴かれ、王太子は没落。
追放された令嬢の“ざまぁ”が王都を駆け巡る中、
契約で始まった白い結婚は――本物の夫婦の誓いへと変わっていく。
これは、
捨てられた令嬢が“本当の幸せ”をつかみ取る、
大逆転のラブストーリー。
---
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
薬師の能力を買われた嫁ぎ先は闇の仕事を請け負う一族でした
あねもね
恋愛
薬師として働くエリーゼ・バリエンホルムは貴族の娘。
しかし両親が亡くなって以降、叔父に家を追い出されていた。エリーゼは自分の生活と弟の学費を稼ぐために頑張っていたが、店の立ち退きを迫られる事態となる。同時期に、好意を寄せていたシメオン・ラウル・アランブール伯爵からプロポーズを申し込まれていたものの、その申し出を受けず、娼館に足を踏み入れることにした。
エリーゼが娼館にいることを知ったシメオンは、エリーゼを大金で身請けして屋敷に連れ帰る。けれどそこは闇の仕事を請け負う一族で、シメオンはエリーゼに毒薬作りを命じた。
薬師としての矜持を踏みにじられ、一度は泣き崩れたエリーゼだったが……。
――私は私の信念で戦う。決して誰にも屈しない。
本物聖女の力は無力でした ――見世物レベルの聖女のおかげで婚約破棄されました――**
鷹 綾
恋愛
魔法が存在しないと信じられていた世界に、
突如として現れた「本物の聖女」。
空中浮遊、瞬間移動、念動力――
奇跡を披露した平民の少女は、たちまち市民の熱狂を集め、
王太子はその力に目を奪われる。
その結果、
王太子の婚約者だった公爵令嬢アストリアは、
一方的に婚約を破棄されてしまった。
だが、聖女の力は――
・空中浮遊は、地上三十センチ
・瞬間移動は、秒速一メートル
・念動力は、手で持てる重さまで
派手ではあるが、実用性は乏しい。
聖女の力は、見世物レベル。
少なくとも、誰もがそう判断していた。
それでも人々は喝采し、
権威は少女を縛り、
「聖女」という立場だけが一人歩きしていく。
そんな中、婚約破棄された公爵令嬢アストリアは、
ある違和感に気づき始める。
――奇跡よりも、奪われているものがあることに。
派手な復讐はない。
怒鳴り返しもしない。
けれど静かに、確実に、
“正しさ”は明らかになっていく。
見世物にされた奇跡と、
尊厳を取り戻す少女たちの物語。
---
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
日下奈緒
恋愛
そばかす令嬢クラリスは、家族に支度金目当てで成り上がり伯爵セドリックに嫁がされる。
だが彼に溺愛され家は再興。
見下していた美貌の妹リリアナは婚約破棄される。
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
【完結】動物と話せるだけの少女、森で建国して世界の中心になりました
なみゆき
ファンタジー
ミナ・クローバーは、王国で唯一の“動物使い”として王宮のペットたちを世話していたが、実は“動物語”を理解できる特異体質を持つ少女。その能力を隠しながら、動物たちと心を通わせていた。
ある日、王女の猫・ミルフィーの毒舌を誤訳されたことがきっかけで、ミナは「動物への不敬罪」で王都を追放される。失意の中、森へと向かったミナを待っていたのは、かつて助けた動物たちによる熱烈な歓迎だった。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる