37 / 257
第三十七話 イキりガール①
しおりを挟む
落葉ダンジョンは私が初めて挑戦する、ダンジョンらしいダンジョンだろう。まあ二回目だけど。
重厚な扉を抜ければ魔石のランプが壁に掛けられ、地下へどんどん進んでいくほどに強敵が現れる。
私が頭をかち割られたオークはその中でも最底辺、レベル50程度。
とはいっても当時の私からすれば絶望的なレベル差、まともに太刀打ちできるわけがなかった。
ホテルを出たのは明朝、まだ入り口の扉前に人は少ない。
入り口近くに設置された台、その上に置かれているのは簡易的な地図の印刷された紙。
協会が用意したものだろうそれを一枚……一応二枚抜き取り、片方は折りたたんでリュックへ詰める。 こうやってみると相当広く、あちこちへとルートが分岐しているようだ。
しかしその多くはマップの中心、地下へと続く階段へつながっているので、どの道を通るかなどはあまり気にする必要もあるまい。
取っ手へ手を伸ばし……動きが止まる。
本当に開けていいのか、私は……
何度めか分からない逡巡。
無機質な金属の冷気が、恐怖で血の気が引いた指先へ伝播する。
目をつむり深呼吸、深々とした息衝き。
「よし」
開いた瞬間、背中を押すように空気が雪崩れ込む。 緊張で火照った頬を風が舐め、肩の上で適当に切った髪の毛が風と戯れる。
果たして鬼が出るかじゃがいもが出るか、まあ落葉ダンジョンには実際鬼が出るのだが、
戦いへ身を投じる前に、レベルアップで入手したSPを『経験値上昇』へ叩き込む。
―――――――――――
経験値上昇LV3→LV4
必要SP:30
―――――――――――
『経験値上昇がLV4へ上昇しました』
これで経験値効率は3倍から3.5倍、そして……
「『スキル累乗』対象変更、『経験値上昇』!」
―――――――――――――――
経験値上昇 LV3
パッシブスキル
経験値を獲得する時、その量を【×42.875倍】
現在『スキル累乗』発動中
―――――――――――――――
LV2に上がった『スキル累乗』、その効果によって三乗された経験値補正は、膨大なものとなる。
薄暗い通路、ランプの明かりに照らされたカリバーが私へ笑いかける。
戦えるか……って? 勿論だ。
私が歩みを止めぬ限り、カリバーだけは私のそばに寄り添い続けてくれる。
相棒が一緒にいてくれるというのに、私が折れるわけには行けない。
◇
通路を歩きながら、未体験の感覚に戸惑う。
花咲、麗しの湿地とそのどちらも視界が開けたダンジョンだったので、こうやって制限された道を進む感覚に慣れない。
しかしトンボの様に突然どこからか現れ襲撃されない分、これはこれで悪くないか。
「……っ!」
ジャリ……ジャリ……と砂を噛む足音、ぼうっと明かりに照らされた巨漢。
オークだ。
その見た目からすれば奇妙に思えるほど鍛え抜かれた、筋肉の割れた腕を見ればわかる。
二メートルほどの巨漢。突き出た腹はただ太っているのではなく、堅牢な筋肉の上に分厚い脂肪というクッションをかぶっているのだろう。
壁に掛けられたライトの光を受け、粗末な出来の石斧が私を嘲笑う。
また来たのかと、お前も学ばないやつだと。
『グオオオオオオオッ!』
向こうもこちらを見つめ、狂喜の雄たけびを上げた。
「ひっ……!」
レベルだって圧倒的にこちらの方が上。
そのはずなのに、なぜか足はすくみ、喉が引き攣る。
人間がどれだけ扱い慣れても火を恐れるように、優位を理解していても、根源的な恐怖が私の身体を縛っていた。
ドスドスと鈍重な音を立て寄ってくるオーク、滲んだ汗が首筋を伝う。
目を逸らせない。
私は、わたしは……!
『オオオオオオオオオオッ!』
「やっ……、やだ……っ」
斧というにはあまりに武骨な石の塊が、私の身体をぐちゃぐちゃに叩き潰そうと、その牙を剥く。
やっぱり来なければよかった。
Fランクのダンジョンなんて無数にあるのだから、わざわざここでなくとも、多少遠出してでもほかの場所を選べばよかったのだ。
だからこんな目に合う、だから二度、私はここで無様に死ぬ。
トンボの飛翔と比べたら遅い一振り。
それを避けるわけでもなく、オークへ攻撃をするでもなく……私はただ反射に従って、頭を守るようにカリバーを構えて……
カンッ!
「……ん?」
響いたのは、馬鹿みたいに軽い音。
カンッ! カンッ! カンッ!
『ブモオオオオオオオオッ!!』
私の目の前で汗だとか、唾液だとかを振りまき、必死に石斧を振り回しているオーク。
だがバットへ伝わる衝撃はあまりにしょっぱく、冗談なのかと思ってしまう。
「『鑑定』」
――――――――――――――
種族 オーク
名前 アニー
LV 50
HP 200 MP 0
物攻 192 魔攻 0
耐久 326 俊敏 89
知力 7 運 13
――――――――――――――
耐久特化のステータスだが、肝心の耐久も当然だが私以下。
そこそこあるはずの攻撃力だが、私自身耐久特化なステータスの上、カリバーが破壊不可なのでただでさえ高い耐久力が、カリバーで受ける場合にはさらに跳ね上がっている。
その結果、オークさんによる全力の振り下ろしは、めちゃくちゃ情けない音を立てて終わってしまった。
『オオオ?』
「……?」
流石におかしいぞと、こちらを見つめ首をかしげるオーク。
それに合わせこちらも首をかしげる。
目と目が見つめあい……
「『スキル累乗』対象変更、『ストライク』」
取り敢えず殴っとくか。
「『ストライク』ッ!」
『ブオオオオオオオオッ!?』
輝くカリバーがその腹に突き刺さり、高耐久の上から致命的な一撃を食らわす。
首を垂れ膝をつき、呼吸のできなくなった苦しみに喘ぐオーク。
その首筋へ再度『累乗ストライク』を叩き込むと、彼は光となって消えて行った。
『レベルが上昇しました』
オーク克服しました
重厚な扉を抜ければ魔石のランプが壁に掛けられ、地下へどんどん進んでいくほどに強敵が現れる。
私が頭をかち割られたオークはその中でも最底辺、レベル50程度。
とはいっても当時の私からすれば絶望的なレベル差、まともに太刀打ちできるわけがなかった。
ホテルを出たのは明朝、まだ入り口の扉前に人は少ない。
入り口近くに設置された台、その上に置かれているのは簡易的な地図の印刷された紙。
協会が用意したものだろうそれを一枚……一応二枚抜き取り、片方は折りたたんでリュックへ詰める。 こうやってみると相当広く、あちこちへとルートが分岐しているようだ。
しかしその多くはマップの中心、地下へと続く階段へつながっているので、どの道を通るかなどはあまり気にする必要もあるまい。
取っ手へ手を伸ばし……動きが止まる。
本当に開けていいのか、私は……
何度めか分からない逡巡。
無機質な金属の冷気が、恐怖で血の気が引いた指先へ伝播する。
目をつむり深呼吸、深々とした息衝き。
「よし」
開いた瞬間、背中を押すように空気が雪崩れ込む。 緊張で火照った頬を風が舐め、肩の上で適当に切った髪の毛が風と戯れる。
果たして鬼が出るかじゃがいもが出るか、まあ落葉ダンジョンには実際鬼が出るのだが、
戦いへ身を投じる前に、レベルアップで入手したSPを『経験値上昇』へ叩き込む。
―――――――――――
経験値上昇LV3→LV4
必要SP:30
―――――――――――
『経験値上昇がLV4へ上昇しました』
これで経験値効率は3倍から3.5倍、そして……
「『スキル累乗』対象変更、『経験値上昇』!」
―――――――――――――――
経験値上昇 LV3
パッシブスキル
経験値を獲得する時、その量を【×42.875倍】
現在『スキル累乗』発動中
―――――――――――――――
LV2に上がった『スキル累乗』、その効果によって三乗された経験値補正は、膨大なものとなる。
薄暗い通路、ランプの明かりに照らされたカリバーが私へ笑いかける。
戦えるか……って? 勿論だ。
私が歩みを止めぬ限り、カリバーだけは私のそばに寄り添い続けてくれる。
相棒が一緒にいてくれるというのに、私が折れるわけには行けない。
◇
通路を歩きながら、未体験の感覚に戸惑う。
花咲、麗しの湿地とそのどちらも視界が開けたダンジョンだったので、こうやって制限された道を進む感覚に慣れない。
しかしトンボの様に突然どこからか現れ襲撃されない分、これはこれで悪くないか。
「……っ!」
ジャリ……ジャリ……と砂を噛む足音、ぼうっと明かりに照らされた巨漢。
オークだ。
その見た目からすれば奇妙に思えるほど鍛え抜かれた、筋肉の割れた腕を見ればわかる。
二メートルほどの巨漢。突き出た腹はただ太っているのではなく、堅牢な筋肉の上に分厚い脂肪というクッションをかぶっているのだろう。
壁に掛けられたライトの光を受け、粗末な出来の石斧が私を嘲笑う。
また来たのかと、お前も学ばないやつだと。
『グオオオオオオオッ!』
向こうもこちらを見つめ、狂喜の雄たけびを上げた。
「ひっ……!」
レベルだって圧倒的にこちらの方が上。
そのはずなのに、なぜか足はすくみ、喉が引き攣る。
人間がどれだけ扱い慣れても火を恐れるように、優位を理解していても、根源的な恐怖が私の身体を縛っていた。
ドスドスと鈍重な音を立て寄ってくるオーク、滲んだ汗が首筋を伝う。
目を逸らせない。
私は、わたしは……!
『オオオオオオオオオオッ!』
「やっ……、やだ……っ」
斧というにはあまりに武骨な石の塊が、私の身体をぐちゃぐちゃに叩き潰そうと、その牙を剥く。
やっぱり来なければよかった。
Fランクのダンジョンなんて無数にあるのだから、わざわざここでなくとも、多少遠出してでもほかの場所を選べばよかったのだ。
だからこんな目に合う、だから二度、私はここで無様に死ぬ。
トンボの飛翔と比べたら遅い一振り。
それを避けるわけでもなく、オークへ攻撃をするでもなく……私はただ反射に従って、頭を守るようにカリバーを構えて……
カンッ!
「……ん?」
響いたのは、馬鹿みたいに軽い音。
カンッ! カンッ! カンッ!
『ブモオオオオオオオオッ!!』
私の目の前で汗だとか、唾液だとかを振りまき、必死に石斧を振り回しているオーク。
だがバットへ伝わる衝撃はあまりにしょっぱく、冗談なのかと思ってしまう。
「『鑑定』」
――――――――――――――
種族 オーク
名前 アニー
LV 50
HP 200 MP 0
物攻 192 魔攻 0
耐久 326 俊敏 89
知力 7 運 13
――――――――――――――
耐久特化のステータスだが、肝心の耐久も当然だが私以下。
そこそこあるはずの攻撃力だが、私自身耐久特化なステータスの上、カリバーが破壊不可なのでただでさえ高い耐久力が、カリバーで受ける場合にはさらに跳ね上がっている。
その結果、オークさんによる全力の振り下ろしは、めちゃくちゃ情けない音を立てて終わってしまった。
『オオオ?』
「……?」
流石におかしいぞと、こちらを見つめ首をかしげるオーク。
それに合わせこちらも首をかしげる。
目と目が見つめあい……
「『スキル累乗』対象変更、『ストライク』」
取り敢えず殴っとくか。
「『ストライク』ッ!」
『ブオオオオオオオオッ!?』
輝くカリバーがその腹に突き刺さり、高耐久の上から致命的な一撃を食らわす。
首を垂れ膝をつき、呼吸のできなくなった苦しみに喘ぐオーク。
その首筋へ再度『累乗ストライク』を叩き込むと、彼は光となって消えて行った。
『レベルが上昇しました』
オーク克服しました
50
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる