みにくいオメガの子

みこと

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「え?ナースのぬこニャン…。」

「いや、あげてない。ナイトライトだけだよ。」

どういうこと?あれは誰の?
でも宛先は確かに僕宛だった。

「違う人の荷物?」

真紘も驚いている。

「ううん。僕宛だった。」

「送り主は?覚えてない?」

「ナイトライトは祐一さんの名前だったからてっきり…。」

え…怖い。誰が送ったかも分からないものを部屋に置いていた?

「そのぬいぐるみ、調べてみようよ。」

真紘のその言葉で僕たちは祐一さんの車で家に向かった。母は居なかったので二人を部屋に上げた。

「これ?」

真紘がぬいぐるみを持ち上げた。

「うん。」

「俺は知らない。誰が由紀に…。」

祐一さんがそのぬいぐるみを受け取って押したり振ったりしている。

「ぬいぐるみにしては重いな。」

そう言ってぬこニャンを調べ始めた。

「これは…。由紀、ハサミある?」

え?ぬこニャンを切っちゃうの?
でも誰がくれたか分からないし。

「縫い目を切るだけだよ。ほら、ここ。他の縫い目とちがうだろ?」

そう言ってぬこニャンを見せてくれた。
確かに。縫い目が荒い気がする。
祐一さんは糸を切って開いていく。白い綿がぶわっと出できた。切った隙間から手を入れて中をさぐっている。

「あった!」

「え?なにが?」

四角くて黒い機械を引っ張り出してきた。

「祐一さん、これ…。」

「盗聴器だよ。」

「「えっ!」」

盗聴器ってことは僕を盗聴器していた?何で?

「祐一さん、これも聞かれてますか?」

震える僕の肩を真紘が抱きながら聞いた。

「たぶんね。」

僕は怖くて震えることしかできない。

「由紀、これは俺が預かるよ。調べて犯人を突き止める。」

「祐一さん。怖い…。」

祐一さんが僕を抱きしめてくれる。

「由紀、おばさんに言って祐一さんと一緒にいた方が良い。オメガを守ってくれるのはアルファだよ。自分のアルファなら命懸けで守ってくれる。僕からもおばさんに言うよ。」

母親にはアルファの彼氏が出来たことは言ってあるけど…。でも祐一さんに護衛してもらうのは悪いな。

「祐一さんは?」

「もちろんだよ。俺も由紀が側に居てくれた方が安心だ。」

そう言って優しく身体を撫でてくれた。


♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


「由紀、おいで。」

真紘の説得もあって母が盗聴器の犯人が捕まるまでは、という約束で祐一さんの家に泊まることになった。
一緒のベッドに寝る。
僕が部屋の隅でモジモジしていると祐一さんに呼ばれた。
近づくと祐一が布団を捲ってベッドをポンポンと叩いたのでそこにゆっくり横になる。

「少し落ち着いた?」

「うん。」

ぎゅっと抱きしめられて緊張で身体がこわばった。

「大丈夫、由紀の嫌がることはしないよ。」

「…嫌じゃないよ。」

「え?」

「僕、嫌じゃない、んっ!」

ちゅうっと唇を吸われてちゅっちゅっと何度もキスをする。

「そんなこと言われたらやめられないよ?」

「うん。」

「由紀、大好きだよ。愛してる。」

「うん、僕も…。」

祐一さんは本格的にキスを仕掛けてきた。口の中を舐め回され舌を絡ませくる。
手はゆっくりと優しく身体を撫でて、パジャマのボタンを外された。

「ああ…由紀。夢にまで見たよ。」

そうなんだ。てっきりそんな気はないのかと思ってた。
そのまま身体中を舐め回された。
恥ずかしいけど気持ちいい。

「あぁん、あっ!祐一さんっ!」

「ん?由紀?大丈夫?」

乳首をちゅくちゅく吸いながらアレを扱いてくる。
気持ち良くてあっという間にイってしまった。

「あ、祐一さん…イっちゃった。」 

「可愛い…。いっぱい出して、いい子だね。」

僕が出したものを掬い取ってお尻の穴に塗り込んできた。時間を掛けてゆっくり慣らしてくれる。

「由紀、もうトロトロだ。」

舐めたり指を入れたりされたそこはすっかり蕩けてしまった。

「挿れるよ…。」

「祐一さん。」

ゆっくり腰を進めて僕の中に入ってくる。
痛くない、むしろ痺れるくらい気持ちいい。

「んっ、あっ、あっ、あぁ!」

「由紀、全部入ったよ。本当にいい子だね。」

ちゅっちゅっとキスをしながらゆるゆると腰を動かされると身体がビクビク跳ねてしまう。

「はぁ、気持ちいい…。可愛いくて、気持ち良くて堪らない。由紀、由紀っ!」

「あっ!あぁん、はぁ、あーーっ、イクっ!」

祐一さんがいきなり激しく腰を動かしてきたのでイってしまった。すごい…。

「由紀、もうちょっと頑張って。」

ぎゅっと抱きしめてさらに激しく腰を打ち付ける。

「あぁ、由紀、イきそう、イク、イク、由紀っ!」

「祐一さんっ!祐一さんっ!あーーっ!」

二人で一緒にイってしまった。

「由紀、ありがとう。気持ち良かった。」

「僕も…。」

顔中にキスをされて優しく抱きしめてくれる。
そのまま腕枕をして頭を撫でてくれた。
ふわふわして気持ち良くて急に眠気が襲ってきた。

「ふふ、眠くなった?良いよ。おやすみ…。」

「おやすみなさい…。」

暖かくて良い匂いで気持ちいい…。僕はそのまま眠りについた。


♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


エッチした後、急に態度が変わる男の人がいるっていうのは知ってたけど、祐一さんもそうだったなんて…。


でも僕が知っている情報とは少し違う。

「ゆーきー。どこ行くの?」

そっとベッドから降りようとすると腰に祐一さんの腕が絡みついてきた。
起きてたのか…。そーっと動いたのに。

「トイレ…。」

「俺も行くよ。」

「やだ、恥ずかしいよ。」

「ダーメ。抱っこして行く?」

「歩けるから一人で行く。」

「由紀ぃ、離れたくないよ。」

ガバッとベッドに押し倒されて顔や首にちゅうちゅう吸い付いてくる。

「由紀、由紀、可愛い。由紀~。」

一日中離してくれない。
漏れちゃうっ!
僕は祐一さんを突き飛ばしてトイレに駆け込んだ。




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