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飛行機で約12時間
モントリオールに到着した
時差ボケの事もあるので、既に現地入りしてくれている事務所のスタッフさんの迎えで3カ月お世話になる家へ向かった
入国審査は、片言の英語でなんとか通過できた
入国審査って凄く怖いイメージだったけど、先に入国審査を済ませた響さんが、僕が英語を話せないことや、初めての海外で飛行機に乗る前から凄く緊張している事を伝えてくれてたようで、分かりやすい英語で質問してくれた
優しい笑顔に緊張も薄れ、英会話本片手に会話ができた
『お仕事頑張ってね』と言ってもらえて、僕は笑顔で『ありがとう、貴方もお仕事頑張って!』と返した
スタッフが用意してくれたお家は、鍵が2個取り付けられていて、中は日本と同じように靴を脱ぐスタイルだ
元々日本人が建てて住んでいたようで、仕事の関係で売りに出していたらしい
そこを3カ月借りる予定だ
大きな塀に囲まれた家は、庭が広く塀が高くても圧迫感は感じない
1階はキッチン、パントリー、リビング、リビングの一部が畳になっていて、水回りも広い
洗濯物を干す所も広くて4人で住んでも問題ない広さがある
バーカウンターまで有った
2階は部屋が4つあったけど、僕と響さんは一緒の部屋、志野さんと頼さんも一緒の部屋なので、残り2部屋は誰も泊めないだろうけど、ゲストルームにした
地下もあって、そこには身体を鍛えるためのジム用品が揃っていた
他にも衣装部屋があった
「3カ月しか借りないのにこんなに揃ってるんですか?」
「いや、当初はそのつもりだったんだけど、他の子もこっちでの仕事が入ってたりしてるから、なら事務所で買いとろうって事になったんだよ」
そう志野さんが教えてくれた
前々から思っていたけど、うちの事務所って規格外じゃない?
在籍数が他に比べて少ないのに結構お金も稼いでるみたいだし
「彼方、うちの事務所は少数精鋭だ。他の事務所で言う中堅クラスが稼ぐ金額がDランクが稼ぐ金額だぞ。」
部屋を見て回りリビングで一息ついてた時に頼さんから言われた
「じゃあCランクは…?」
「人気が固定化して仕事が常にある状態だな」
「……じゃあAとBは……?」
「Aが超人気俳優で、オーディションを受けなくても基本オファーでスケジュールが埋まる。Bは基本オファーで仕事が埋まるが、オーディションもたまに受けるやつだな。大体Aランクの年収は億超えだな。Bはちょっと届かなかったくらいか?」
「ちなみに響のSは海外からもオファーが来る、数年先までスケジュールが埋まってる人だけがなれるランクだよ。年収はまぁ…ね?」
頼さんと志野さんに説明されてつい響さんを見る
だからSランクは響さんしかいないのか…
響さんはフフっと笑うと
「彼方は今度のランク分けでAスタート確定だよ?」
と爆弾投下した
「え?」
Aって言った?
でも最初は下のランクからって…
色々と忙しかったのと、社長も戻って来た子達のフォローで忙しく、僕のランク付けが遅れてたんだよね
だから今回初めてランク付けされるんだけど………
「お前、スケジュール全てオファーが来たやつだろ…」
頼さんが呆れたように言う
確かにオーディションは事務所のやつだけしか受けたことないけど…
「仕事が1つ終わってオンエアーされる度に仕事が舞い込んできてんだからな?どの時期にどの仕事を入れたらいいか、最近じゃあ永倉と響、俺と志野の4人で話し合ってるぐらい来てるから。
響の時以来のオファーに、事務所としては彼方を完全バックアップして、響に続いてSランクにまで育てる計画だ」
壮大な計画に愕然となる
「えぇ……?でも……え?何で?」
「それだけ彼方の演技には魅了されるってこと。最初は影を持った青年、次は愛情を表現できない神官、その次は爽やかだと思ったら裏でえげつない事をしてたサイコパスな教師。ドラマの特別出演では撮影1日のみ、NG無しの一発取りで現場を驚かせて、バラエティーに出ても天然キャラが炸裂するけど人を不快にさせず笑いに持っていく。
何をさせてもやってのけて、安心して任せられるし、演技力は言わずもがな。業界ではそういう評価だからね。」
そんな……過大評価なんだけど…
「それに、共演者からの推薦も大きいんだよ。人たらしの彼方は分かってないんだろうけど、大物俳優とか、演出家や監督に気に入られてる。それが一番ヤバい。皆次の作品にも出てほしいって、仕事の最終日に声かけられるし、撮影現場に見学に来てる人からもオファーが来る」
それは…最初の現場でもあったけど……あれ、続いてたんだ?
「まぁ、まずは日本で知らない人間が居ないほど活躍してもらう為に、これからは色々なジャンルに挑戦してもらうからな」
頼さんが何か企んでいる顔をする
「色々って……?」
「彼方、歌は歌えるか?」
「歌…ですか?うーん…歌の稽古は受けてるので、歌えるって言えば歌えますけど、別に上手くはないですね」
「じゃあ帰国したら特訓だな」
歌の!?
え?次の仕事なんなの!?
響さんと違って、大きな時間がかかる仕事に入ってる時は次の仕事が始まる1カ月前にしかスケジュールを教えてくれない頼さん
僕は最初から知ってたら、目の前の仕事に集中できなくなるって言われている
歌
歌かぁ…
そんな事を話ながら、僕の海外生活1日目がスタートした
モントリオールに到着した
時差ボケの事もあるので、既に現地入りしてくれている事務所のスタッフさんの迎えで3カ月お世話になる家へ向かった
入国審査は、片言の英語でなんとか通過できた
入国審査って凄く怖いイメージだったけど、先に入国審査を済ませた響さんが、僕が英語を話せないことや、初めての海外で飛行機に乗る前から凄く緊張している事を伝えてくれてたようで、分かりやすい英語で質問してくれた
優しい笑顔に緊張も薄れ、英会話本片手に会話ができた
『お仕事頑張ってね』と言ってもらえて、僕は笑顔で『ありがとう、貴方もお仕事頑張って!』と返した
スタッフが用意してくれたお家は、鍵が2個取り付けられていて、中は日本と同じように靴を脱ぐスタイルだ
元々日本人が建てて住んでいたようで、仕事の関係で売りに出していたらしい
そこを3カ月借りる予定だ
大きな塀に囲まれた家は、庭が広く塀が高くても圧迫感は感じない
1階はキッチン、パントリー、リビング、リビングの一部が畳になっていて、水回りも広い
洗濯物を干す所も広くて4人で住んでも問題ない広さがある
バーカウンターまで有った
2階は部屋が4つあったけど、僕と響さんは一緒の部屋、志野さんと頼さんも一緒の部屋なので、残り2部屋は誰も泊めないだろうけど、ゲストルームにした
地下もあって、そこには身体を鍛えるためのジム用品が揃っていた
他にも衣装部屋があった
「3カ月しか借りないのにこんなに揃ってるんですか?」
「いや、当初はそのつもりだったんだけど、他の子もこっちでの仕事が入ってたりしてるから、なら事務所で買いとろうって事になったんだよ」
そう志野さんが教えてくれた
前々から思っていたけど、うちの事務所って規格外じゃない?
在籍数が他に比べて少ないのに結構お金も稼いでるみたいだし
「彼方、うちの事務所は少数精鋭だ。他の事務所で言う中堅クラスが稼ぐ金額がDランクが稼ぐ金額だぞ。」
部屋を見て回りリビングで一息ついてた時に頼さんから言われた
「じゃあCランクは…?」
「人気が固定化して仕事が常にある状態だな」
「……じゃあAとBは……?」
「Aが超人気俳優で、オーディションを受けなくても基本オファーでスケジュールが埋まる。Bは基本オファーで仕事が埋まるが、オーディションもたまに受けるやつだな。大体Aランクの年収は億超えだな。Bはちょっと届かなかったくらいか?」
「ちなみに響のSは海外からもオファーが来る、数年先までスケジュールが埋まってる人だけがなれるランクだよ。年収はまぁ…ね?」
頼さんと志野さんに説明されてつい響さんを見る
だからSランクは響さんしかいないのか…
響さんはフフっと笑うと
「彼方は今度のランク分けでAスタート確定だよ?」
と爆弾投下した
「え?」
Aって言った?
でも最初は下のランクからって…
色々と忙しかったのと、社長も戻って来た子達のフォローで忙しく、僕のランク付けが遅れてたんだよね
だから今回初めてランク付けされるんだけど………
「お前、スケジュール全てオファーが来たやつだろ…」
頼さんが呆れたように言う
確かにオーディションは事務所のやつだけしか受けたことないけど…
「仕事が1つ終わってオンエアーされる度に仕事が舞い込んできてんだからな?どの時期にどの仕事を入れたらいいか、最近じゃあ永倉と響、俺と志野の4人で話し合ってるぐらい来てるから。
響の時以来のオファーに、事務所としては彼方を完全バックアップして、響に続いてSランクにまで育てる計画だ」
壮大な計画に愕然となる
「えぇ……?でも……え?何で?」
「それだけ彼方の演技には魅了されるってこと。最初は影を持った青年、次は愛情を表現できない神官、その次は爽やかだと思ったら裏でえげつない事をしてたサイコパスな教師。ドラマの特別出演では撮影1日のみ、NG無しの一発取りで現場を驚かせて、バラエティーに出ても天然キャラが炸裂するけど人を不快にさせず笑いに持っていく。
何をさせてもやってのけて、安心して任せられるし、演技力は言わずもがな。業界ではそういう評価だからね。」
そんな……過大評価なんだけど…
「それに、共演者からの推薦も大きいんだよ。人たらしの彼方は分かってないんだろうけど、大物俳優とか、演出家や監督に気に入られてる。それが一番ヤバい。皆次の作品にも出てほしいって、仕事の最終日に声かけられるし、撮影現場に見学に来てる人からもオファーが来る」
それは…最初の現場でもあったけど……あれ、続いてたんだ?
「まぁ、まずは日本で知らない人間が居ないほど活躍してもらう為に、これからは色々なジャンルに挑戦してもらうからな」
頼さんが何か企んでいる顔をする
「色々って……?」
「彼方、歌は歌えるか?」
「歌…ですか?うーん…歌の稽古は受けてるので、歌えるって言えば歌えますけど、別に上手くはないですね」
「じゃあ帰国したら特訓だな」
歌の!?
え?次の仕事なんなの!?
響さんと違って、大きな時間がかかる仕事に入ってる時は次の仕事が始まる1カ月前にしかスケジュールを教えてくれない頼さん
僕は最初から知ってたら、目の前の仕事に集中できなくなるって言われている
歌
歌かぁ…
そんな事を話ながら、僕の海外生活1日目がスタートした
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