私の風呂敷は青いあいつのよりもちょっとだけいい

しろこねこ

文字の大きさ
4 / 9

ギルドで仕事

しおりを挟む

冒険者ギルドでの初仕事をいくつかこなした私たち。採取クエストや配達の仕事は難なくクリアできたけど、今回はちょっと雰囲気が違う。

「リリィ、準備はいいか?」
ライルが真剣な顔で私に問いかける。

「もちろん!」
私は胸を張って答える。だって、今回の依頼は普通の仕事よりもちょっと面白そうだから!

依頼内容:魔物退治? いいえ、畑荒らし捕獲です

ギルドから受けた今回の依頼は、「町外れの畑を荒らす正体不明の生物を捕まえる」というもの。

「魔物かな? それとも野生動物?」
私はワクワクしながらライルに尋ねる。

「まだわからない。でも、普通の動物なら簡単に捕まるはずだ。今回は慎重に行こうな。」

「わかった! でももし魔物だったら、風呂敷があるから大丈夫!」

「いや、それがあるからこそ心配なんだけど……」

ライルは少し不安そうだ。でも私は自信満々。風呂敷があれば、大抵のことはなんとかなるんだもん!

現場に到着!

私たちは畑の持ち主のおじいさんから話を聞き、荒らされた現場に向かった。

「これはひどいね。」
畑には足跡が点々と続き、作物がめちゃくちゃに掘り返されている。

「何かの動物がいたずらしたのかもしれないな。」

ライルが跪いて足跡を調べる。私はその横で、風呂敷を取り出し準備万端。

「ねえ、この足跡、なんかおかしくない?」
私はライルに足跡を指差して言った。

「どれどれ……あ、本当だ。これ、普通の動物の足跡じゃないな。」

足跡は三本の指がついた奇妙な形をしていた。明らかに普通の野生動物ではない。



「夜になれば正体がわかるかもな。」

そう言って、私たちは畑の中に隠れて見張ることにした。

「ねえライル、こんなことしてたら眠くなっちゃうよ。」

「我慢しろ。油断してると何も見つからないぞ。」

じっと暗闇を見つめていると、突然ガサガサという音が聞こえてきた。

「来た!」

音のする方を見ると、そこには……大きな丸い目をした、小さなふわふわした生き物が。

「えっ、かわいい!」

見た目はまるでぬいぐるみのよう。でもそのふわふわ生物は、畑の作物をむさぼる勢いで食べ始めた。


「リリィ、捕まえるぞ!」

ライルが飛び出してふわふわ生物に向かっていくけど、意外と素早い。

「待て!」

私はタイム風呂敷を投げて生物を包もうとしたけど、風呂敷が風に飛ばされてしまった。

「ちょっと風呂敷! 仕事して!」

その間にもふわふわ生物はどんどん畑を荒らしていく。

「もういい、これで勝負だ!」

私は風呂敷を自分の体に巻き付け、時間を少し巻き戻した。そして、ふわふわ生物がまだ動き始める前のタイミングで、ライルと一緒に捕まえることに成功!

ふわふわ生物の正体判明

「お前、なんなんだ?」

捕まえたふわふわ生物を調べてみると、それは珍しい魔法生物だったことが判明。

「こいつ、どうやら森の奥から来たらしいな。」

ギルドに持ち帰って調べてもらうと、この生物は「モフリン」という魔法生物で、人間の食べ物に興味を持ちやすい性質があることがわかった。

「つまり、ただの食いしん坊ってこと?」

「そういうことだな。」

畑の持ち主のおじいさんは、モフリンを見て「かわいいから許す」と大笑いしていた。



今回の依頼を無事に終えたことで、私は冒険者として少し自信がついた。

「リリィ、よくやったな。」

ライルが私を褒めてくれるのがちょっと嬉しい。

「これで私も一人前の冒険者かな?」

「まだまだだ。でも、今日の働きは見事だったよ。」

私は風呂敷をポンポンと叩いて、「これがあれば何でもできる!」と誇らしげに宣言した。



ギルドに戻ると、次の依頼が山積みになっている。

「次はどれにする?」

ライルと相談しながら、私は次の冒険に胸を躍らせていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ボク地方領主。将来の夢ニート!

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
とある事情から名ばかり辺境伯として辺境の地へ飛ばされた家柄のラドウィンは仕事をしたくない。 昼間に起きて、本を読み、飯を食って寝る。そんな暮らしの為だけに生きるラドウィンの元に皇帝からの使者がやって来た。 「大規模な反乱の鎮圧に出ろ」その命令を受けたラドウィンの、何としても命令をサボる戦いが始まる。

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした

きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。 全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。 その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。 失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。

彼女が微笑むそのときには

橋本彩里(Ayari)
ファンタジー
ミラは物語のヒロインの聖女となるはずだったのだが、なぜか魔の森に捨てられ隣国では物語通り聖女が誕生していた。 十五歳の時にそのことを思い出したが、転生前はベッドの上の住人であったこともあり、無事生き延びているからいいじゃないと、健康体と自由であることを何よりも喜んだ。 それから一年後の十六歳になった満月の夜。 魔力のために冬の湖に一人で浸かっていたところ、死ぬなとルーカスに勘違いされ叱られる。 だが、ルーカスの目的はがめつい魔女と噂のあるミラを魔の森からギルドに連れ出すことだった。 謂れのない誤解を解き、ルーカス自身の傷や、彼の衰弱していた同伴者を自慢のポーションで治癒するのだが…… 四大元素の魔法と本来あるはずだった聖魔法を使えない、のちに最弱で最強と言われるミラの物語がここから始まる。 長編候補作品

妹が嫁げば終わり、、、なんてことはありませんでした。

頭フェアリータイプ
ファンタジー
物語が終わってハッピーエンド、なんてことはない。その後も人生は続いていく。 結婚エピソード追加しました。

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

水精姫の選択

六道イオリ/剣崎月
ファンタジー
見た目が美しくも奇異な小国の王女パルヴィは、財政難から大国に身売りすることになったのだが、道中で買うと言った王が死亡したと聞かされる。 買われ故国を救いたいと願う王女は引き返さずに大国へと赴き 

処理中です...