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盗賊団
しおりを挟む「ねえライル、これ、本当に大丈夫?」
目の前の依頼書を見て、私は頭を抱えた。
「大丈夫だ。少し危ないかもしれないが、俺たちならなんとかなる。」
ライルは自信満々だ。だけど、今回の依頼は今までの「畑のモフリン捕獲」とか「キノコ採取」とはレベルが違う。
「盗賊団のアジト調査」
そう、どうやらこの辺りで悪さをしている盗賊団がいるらしい。それを調べるのが今回の依頼だ。
「ええ~、盗賊なんて怖いし、絶対やだ!」
「報酬は高いぞ。」
「……行きます!」
金貨の額を見た瞬間、私の心は決まった。自由な冒険者ライフを維持するにはお金が必要なのだ!
準備万端!?
「さて、今回はしっかり準備して行こう。」
ライルの指導のもと、私は冒険に必要なものを集めた。水筒に食料、ロープ、地図、そして私の秘密兵器、風呂敷。
「リリィ、それ、また勝手に暴走するんじゃないか?」
「しないしない! 今回はちゃんとコントロールするから!」
風呂敷をしっかりと抱え、私は自信満々で出発した。
盗賊団のアジトは森の奥深くにあるらしい。ライルと一緒に道なき道を進む。
「ねえ、本当にこっちで合ってるの?」
「地図によればな。ほら、この足跡を見ろ。」
ライルは地面のわずかな足跡や折れた枝を手がかりに進んでいく。さすがプロの冒険者だ。私はただついて行くだけで精一杯。
「ねえライル、私もそういう追跡技術を覚えた方がいいかな?」
「そうだな。その方が役に立つ。」
「でもタイム風呂敷があれば、過去に戻って見つけられるからいいや!」
「……それは便利だが、ずるい気がするぞ。」
数時間歩いた後、ついに盗賊団のアジトらしき場所にたどり着いた。
「ここだ。見張りがいるな。」
草むらに隠れながら、私はアジトを観察する。建物はぼろぼろの小屋だけど、周囲にはしっかりと見張りが配置されている。
「どうする? 入り込むの難しそうだよ。」
「まずは様子を見よう。リリィ、お前はここで待ってろ。」
「えー! 私も行きたい!」
「だめだ。危険すぎる。」
そう言ってライルは静かにその場を離れた。
リリィ、単独行動に出る!
待てど暮らせどライルは戻ってこない。
「……何してるのかな?」
私はじっとしているのが退屈になり、ついに動き出してしまった。
「風呂敷で透明になって潜入すればいいんじゃない?」
風呂敷を広げ、「透明になりたい!」と願うと、なんと本当に姿が消えた!
「やった! 私って天才!」
意気揚々と盗賊団のアジトに忍び込む。
中の様子は……予想外!
中に入ると、盗賊たちが集まって何やら楽しそうに宴会をしている。
「なにこれ、全然悪そうに見えない……」
大酒を飲んで騒ぐ盗賊たちの様子を見ていると、ついくしゃみが出そうになった。
「くしゅん!」
「ん? 今、何か音がしたぞ。」
やばい! 私はあわてて物陰に隠れる。
まさかの正体暴露
「誰だ!」
盗賊の一人が私の隠れている場所を覗き込んだ瞬間、風呂敷が勝手に透明化を解除してしまった。
「うわっ!? なんでこんなところに!」
盗賊たちはびっくりして私を取り囲む。
「えっと……お散歩してただけです!」
「嘘つけ! お前、スパイだな!」
絶体絶命のピンチ! どうする、リリィ!?
盗賊たちに囲まれた瞬間、私は風呂敷を振り回して「何とかして!」と叫んだ。
すると、風呂敷が勝手に暴走し、周囲の時間が一斉に巻き戻り始めた。
「な、なんだこれ!?」
盗賊たちが慌てふためく中、私は風呂敷を手に持ち直し、急いで外へと走り出る。
外に飛び出すと、ちょうど戻ってきたライルと鉢合わせた。
「リリィ! お前、勝手に動いたのか!?」
「だって待ってるの退屈だったんだもん!」
「その結果、何が起きた?」
「えっと、盗賊たちが多分……大混乱してる!」
中からは盗賊たちの大騒ぎする声が聞こえてきた。
「……とりあえず、今のうちに逃げるぞ。」
依頼達成?
その後、ギルドに報告を済ませると、どうやら盗賊団は自滅したらしい。時間が巻き戻されたせいで、内部でのいざこざが起きたようだ。
「リリィ、今回ばかりはよくやったと言っておこう。」
ライルが少し苦笑いしながら言った。
「やったー! 私、やっぱり天才!」
こうして私たちは無事に依頼を達成し、報酬を手に入れた。次の冒険に向けて、また新たな一歩を踏み出すのだった。
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