私は秘書?

陽紫葵

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私は秘書?

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異動先の出社日は月曜で、土曜日に引っ越した。
引っ越し業者は会社で手配してくれて、トラックに積んだ後、私は自分の車で後を追った。
引っ越し先は、車で2時間ほどの場所だった。ちなみに本社は逆方向でもっと遠い。入社すぐの研修で1度行った事あるが、電車を乗り継いで5時間かかった。
引っ越し先に着くと、先に引っ越しのトラックが停まってた。
鍵を開け、部屋の中に納めて貰った。
大きいものは位置に置いてもらったが、あれこれ収納を考えていたら、部屋のインターフォンが鳴った。
誰だろう?何かの勧誘?何て、恐る恐る覗くと、上篠さんが見えた。え、何で?
慌てて開けると、
「おっす」
「何で?」
「え、俺も隣に越して来たからさ」
「え?」
「部屋片付いたら、ゆっくり話したいから、こっち来て。206の方ね」
と言って、ドアを閉め行ってしまった。
え?どうゆう事?
取り敢えず、散らかっているものだけを片付け、上篠さんの部屋に行った。
「さ、入って」
「お邪魔します」
入って行くと、ソファーがあって、座り、
「いつから?」
「ん?」
「ここ来たの」
「2週間くらい経つかな。琳が異動になったとこ、俺もいるから」
「え?本社に戻ったんじゃなかったの?」
「一旦な。実はさ、ここでの仕事は、前からやりたかったことなんだよ。あれから急ピッチで決まって行って、ここへは俺が責任者として来た」
「あの・・・」
「単身だよ。ってか、離婚したし」
「え?」
「そんな驚くなよ」
「だってさ」
「丹代の事は俺が推薦したから」
「え、何で?」
「何でって、一緒に働きたいから。支社と言っても、一駅先にある支社の1部になってて、俺は課長、琳は主任だから」
「え、私も役職があるの?」
「そうだよ」
従業員は15人と聞いているが、始動日にみんな初めて顔を合わせることになっている。
「俺は先に来て準備してた。琳は明後日からだけど、他は4月からの人もいる。中、まだ見てないよな?」
「うん」
「今から行こうか」
上篠さんの車で一緒に向かった。
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