異世界ニートを生贄に。

ハマハマ

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108.5「ロップス:考えてみるか」

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 幼き日、叔父上に会ったのは三度。
 その三度とも、数日間に渡って剣の稽古に付き合って貰った。

 その度に言われた言葉が「考えろ」であったな。


 ふふ、あの頃となんら変わっておらんではないか。
 まぁ今まだ十二歳、ほんの数年前の事だがな。


 お?
 ヴァン殿が何かやったか?
 ウギーの姿が見えんがヴァン殿の事だ。何も心配する必要は無かろう。

 ヴァン殿は出来る男だ。

 あれほど頼りになる男、そうはおらんだろう。
 いつも皆をフォローして、それでいて「してやってる感」がない。自然体でするべき事をしている、という感じだ。

 今回もある意味、ウギーのフォローをしたのであろう。

 ヴァン殿に比べて私の視野はどうにも狭くていかん。どうしてもフォローされる側に回ってしまう。


 しかしぐじぐじ言っててもしようがない。
 さぁ考えてみるか。


 私の奥義は完璧だ。
 烈風迅雷斬はどの技よりも速く、烈火十山斬はどの技よりも力強い、これは間違いない。

 だが効かぬ、当たらぬ。

 叔父上にダメージを与えたのは一度きり、いや、前回右眼を抉ったのを入れて二度か。
 
 右眼を抉ったのは捨て身で放った烈光迅雷突。もっと捨て身の攻撃を放てと言う事であろうか。

 いやいや。
 あんな攻撃、一対一ではそれこそ当たらぬわ。

 では二度のうちのもう一方、骨までは届かなかったが肉は斬り裂いた一撃か。

 奥義でも何でもない一撃だぞ。
 もちろんガゼル様仕込みの魔力操作を行った一撃ではある。

 ではあるが、迅雷斬より遅く、十山斬よりも威力のない一撃。
 それが答えという事はないと思うんだが……。


 ん?
 考えようによっては、十山斬より速く、迅雷斬よりも強い、とも考えられるか……。

 そうか。
 私の奥義は一面的過ぎるとはそういう意味か。
 本当の奥義とは、迅雷斬の如く速く、十山斬の如く力強い、か。

 しかしそんな都合の良い奥義は一朝一夕に出来るものではない。

 とりあえずは今できる最高の戦いをしよう。

 ちゃんと頭を使ってな。
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