異世界ニートを生贄に。

ハマハマ

文字の大きさ
169 / 185

126.5「ロップス:第2ラウンド」

しおりを挟む

「今度こそ仕切り直しだ」

 魔力で棒を作り出し、真っ直ぐに突き出してそう言った私。

 ふふ、ちょっとカッコイイな私。


「アイツがいない」
「じゃあ戦う?」
「コイツらぐらいは倒さなきゃ」
「アギーに怒られちゃうよ」

 四人の有翼人どもが戦闘態勢に入ったようだな。

「いざ行かん!」

 パンチョ殿が剣を抜き払い突撃した。

 しまった、出遅れた。
 パンチョ殿に続き私も突撃だ。

 四人の中央に突撃したパンチョ殿の剣を一人が魔力刀で受け、さらに別の有翼人がパンチョ殿に斬りかかる。
 その魔力刀を私が棒で受け、抜いた刀で斬りかかるも別の有翼人がそれを受けて払われ、一旦距離を取る。

此奴こやつらなかなかやりおるわ」
「イロファスの住人のようにはいきませんな」

 はぁっ、と気合と共に魔力を全身に循環させる私。

「次は私が」
「では我が援護しよう」

 棒を仕舞い、剣のみを構えて突撃する私に飛来するいくつもの魔力の矢。
 ヴァン殿のように小さな障壁を張って弾くのは私には無理だ。
 なので剣を振って弾き返す。

「こんなものが今更効くか!」

 迅雷斬でなんとか弾ける程の速さ、ではあるが余裕があるフリをせねばな。
 慌ててると思われるのはカッコ悪いからな。

「真・烈風迅雷斬!」

 一人の有翼人に斬撃が入ったが、浅い。
 僅かに斬り裂いたのみだ。

 パンチョ殿の剣から放たれた風の刃を切っ掛けに二歩下がり、すぐさま改めて斬りかかるが、別の奴がすぐにフォローに回って上手くいかん。

 確かに良い連携をする。隙を見て一人ずつ仕留めるしかあるまい。


 斬りかかってはなされ、を二度三度と繰り返す。これでは埒が開かん。

 迅雷斬では少しぐらい剣が入ったとて効いてる様子でもない。かと言って連中の動きを見る限り十山斬のような遅い剣が当たるとは思えん。


 ここでアレを使うか。
 イギーめを叩っ斬る用だったんだがしょうがあるまい。

 ガゼル様の魔力操作も併用すると格段に難易度が上がるが、効かなかったらカッコ悪いしな、ここは出し惜しみなしだ。

「ロップス殿、代わろうか?」
「ここからが本番だ。中距離で牽制をお願いしたい」

 まずは魔力操作に集中、幸い積極的に攻めてくる様子でもない、全身に隈なく高速で魔力循環させタイミングを計る。

 剣を構えてゆっくりと近付き普通の十山斬を放つも魔力刀で受け止められ、さらに別の一人が私に斬りかかる。

「明き風刃!」

 その一人に放たれるパンチョ殿の風の刃を別の一人がさらに防ぐ。

 ここだ。
 今の攻防に参加していない最後の一人を目掛けてとっておきだ。

「真! 烈雷れつらい剛迅斬ごうじんざん!」

 高速で横っ飛びを一つ、最後の一人の眼前に飛び込んでやや崩れた形の袈裟斬り、角度のついた横薙ぎと言い換えても良い。

 魔力操作も完璧だ。
 プックルの魔法なしゆえ、叔父上に使ったものより威力は落ちるが、現段階では最高の一撃だ。

「ぎゃぁぁ!」

 左肩から右胸まで両断し、二つになった有翼人の体が砂のように崩れ去っていく。


「さて。残りは三人だ。お前たちも覚悟せよ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

しがない電気屋のおっさん、異世界で家電召喚ライフしてたら民から神格化され魔王から狙われる

長月 鳥
ファンタジー
町の電気屋として細々と暮らしていた俺、轟電次郎(とどろき でんじろう)。 ある日、感電事故であっけなく人生終了──のはずが、目を覚ましたら異世界だった。 そこは魔法がすべての世界。 スマホも、ドライヤーも、炊飯器も、どこにもない。 でもなぜか俺だけは、“電力を生み出し家電を召喚できる”という特異体質を持っていて── 「ちょっと暮らしやすくなればそれでいい」 そんなつもりで始めた異世界ライフだったのに…… 家電の便利さがバレて、王族に囲まれ、魔導士に拉致され、気が付けば── 「この男こそ、我らの神(インフラ)である!」 えぇ……なんでそうなるの!? 電気と生活の知恵で異世界を変える、 元・電気屋おっさんのドタバタ英雄(?)譚!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...