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007 現状の確認
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日が傾きかけた頃、私はルカと共に歩いて部屋まで帰った。
部屋の中にはいつ届けられたのか分からない食事が、水差しと共に置かれている。
どうやら朝と同じ侍女たちが運んできてくれたようだ。
しかしベッドなどは朝私が出ていったまま整えられてもおらず、よく見れば部屋の隅には白い綿ほこりがかなり溜まっていた。
彼女たちは食事を運ぶくらいしか、今までビオラの世話をしていなかったらしい。
クローゼットの中の服といい、まったく扱いが酷すぎるわね。
私は冷めた料理の置かれたテーブルにつく。
食事は朝よりはマシとはいえ、冷えた野菜くずのような炒め物と、その上に乗せられた味がしなさそうな固い目玉焼き。
そして朝と同じような具のないスープとパン。
「さすがにこれが夕飯って……」
ビオラが何も言わないことをいいことに、やりたい放題ね。
ルカと一日遊んで分かったことはいくつかある。
まず、昼ごはんの時間になっても、ルカの元へ来る侍女たちはいなかった。
彼は勝手知ったるとばかりに、私と一緒に厨房まで食事を取りに行った。
ルカの話では、自分のことは自分で出来るようにならなければいけない、というのが彼の乳母からの教えらしい。
ルカの母親は、ルカが三歳の時に出て行ったはず。
その後はルカの母親が実家から連れてきた乳母が、彼の面倒を全部見ていた。
だけど、いくら自分のことは自分でといってもまだ相手は四歳の子どもなのよ。
そんな小さな子にさせることじゃないと思うのよね。
厨房では、料理長が私とルカが外で食べる分の食事をすぐに用意してくれた。
初め、私とルカがセットでいることに驚いてはいたけど、少なくとも他の使用人たちよりは、料理長は親切だった。
嫌な顔ひとつせず、お肉や野菜がたくさん入ったサンドイッチにお菓子、それにフルーツまでカゴに入れて渡してくれたもの。
「自分たちで取りに行った料理はマトモなもので、今がこれってことは、やっぱりそういうことよね」
あの子たちからの嫌がらせか。
どうしようかな。
今まではそのまま我慢していたみたいだけど、私はそこまで性格良くないのよね。
「でもまぁ私のことよりも、まずはルカのことよね。明日は乳母がどんな人なのかと、困っていることがないか確認しなきゃ」
わざわざ母親が実家から呼び寄せた乳母。
しかも彼女は母親がルカを捨てて出て行ったあとも、ルカのためにこの公爵家に残った。
普通に考えれば、彼女がこの屋敷でルカの一番の味方のはずなんだけど。
物語でもルカは酷い子ども時代を過ごしたと書かれていた。
身分で言えばルカは次期公爵なのに、現公爵である実の父親がルカのことにまったく関心がないのがダメなのよね。
おそらくそれをいいことに、この部屋の侍女と同じように乳母もルカに酷い扱いをしているんだわ。
公爵の耳にこのことを入れるのは簡単だけど、絶対動かなさそうだし。
大人であり、継母である私が何とかしてあげなきゃ。
明日はもっと仲良くなれるといいな。
そんな風にいろいろと考えながら、一人部屋で自分のことをしていると、あっという間に朝が来ていた。
部屋の中にはいつ届けられたのか分からない食事が、水差しと共に置かれている。
どうやら朝と同じ侍女たちが運んできてくれたようだ。
しかしベッドなどは朝私が出ていったまま整えられてもおらず、よく見れば部屋の隅には白い綿ほこりがかなり溜まっていた。
彼女たちは食事を運ぶくらいしか、今までビオラの世話をしていなかったらしい。
クローゼットの中の服といい、まったく扱いが酷すぎるわね。
私は冷めた料理の置かれたテーブルにつく。
食事は朝よりはマシとはいえ、冷えた野菜くずのような炒め物と、その上に乗せられた味がしなさそうな固い目玉焼き。
そして朝と同じような具のないスープとパン。
「さすがにこれが夕飯って……」
ビオラが何も言わないことをいいことに、やりたい放題ね。
ルカと一日遊んで分かったことはいくつかある。
まず、昼ごはんの時間になっても、ルカの元へ来る侍女たちはいなかった。
彼は勝手知ったるとばかりに、私と一緒に厨房まで食事を取りに行った。
ルカの話では、自分のことは自分で出来るようにならなければいけない、というのが彼の乳母からの教えらしい。
ルカの母親は、ルカが三歳の時に出て行ったはず。
その後はルカの母親が実家から連れてきた乳母が、彼の面倒を全部見ていた。
だけど、いくら自分のことは自分でといってもまだ相手は四歳の子どもなのよ。
そんな小さな子にさせることじゃないと思うのよね。
厨房では、料理長が私とルカが外で食べる分の食事をすぐに用意してくれた。
初め、私とルカがセットでいることに驚いてはいたけど、少なくとも他の使用人たちよりは、料理長は親切だった。
嫌な顔ひとつせず、お肉や野菜がたくさん入ったサンドイッチにお菓子、それにフルーツまでカゴに入れて渡してくれたもの。
「自分たちで取りに行った料理はマトモなもので、今がこれってことは、やっぱりそういうことよね」
あの子たちからの嫌がらせか。
どうしようかな。
今まではそのまま我慢していたみたいだけど、私はそこまで性格良くないのよね。
「でもまぁ私のことよりも、まずはルカのことよね。明日は乳母がどんな人なのかと、困っていることがないか確認しなきゃ」
わざわざ母親が実家から呼び寄せた乳母。
しかも彼女は母親がルカを捨てて出て行ったあとも、ルカのためにこの公爵家に残った。
普通に考えれば、彼女がこの屋敷でルカの一番の味方のはずなんだけど。
物語でもルカは酷い子ども時代を過ごしたと書かれていた。
身分で言えばルカは次期公爵なのに、現公爵である実の父親がルカのことにまったく関心がないのがダメなのよね。
おそらくそれをいいことに、この部屋の侍女と同じように乳母もルカに酷い扱いをしているんだわ。
公爵の耳にこのことを入れるのは簡単だけど、絶対動かなさそうだし。
大人であり、継母である私が何とかしてあげなきゃ。
明日はもっと仲良くなれるといいな。
そんな風にいろいろと考えながら、一人部屋で自分のことをしていると、あっという間に朝が来ていた。
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