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011 早々に折れた心
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初めからミーアをここへ呼ぶ計画ではあったものの、さすがにいきなり来てこれは可哀そうだと思い、数日は一人でこの屋敷の掃除に私は奮闘した。
隅に溜まったホコリから、汚れで外がマトモに見えない窓の掃除。
玄関先には雑草が生え放題だったし、エントランスは砂まみれだった。
しかし一人でそれをやるのは、それも数日が限度。
終わりの見えない汚さに、私の心はあっという間に折れてしまった。
修繕をするにしても掃除をするにしても、無駄に広く荒れ果てたこの男爵家は一人ではどうにもならない。
って、前回はあんなに頑張ったのに。
それが全部元どおり汚くなってるって、どんな罰ゲームなのよ。
さすがにこれはあんまりでしょう。
それに前回、三年かかったって修繕はほとんど終わらなかったのよね。
無駄に広いから掃除だけでも、一日で屋敷全部は回れない。
その上、日々また汚れて行く。
それでも手伝ってくれる人もいなかったし、助けを求めるっていう考えもなかったから、あの時は寝る間も惜しんでやっていたのよね。
でもそれがまた一からって。嫌すぎる。でも、汚いのも嫌だ。
もーーーー。本当になんなのよ。
なんでここまで汚さを放置出来るかな。
商会の作業場だって、ここより何十倍も綺麗よ。
とにかくまずはダメ元で夫に掛け合うしかないわね。
元々その予定だったし。計画より少し早くなっちゃったけど、仕方ないわ。
早朝から始めた掃除を切り上げ着替えると、食堂へ向かった。
中にはもうすでに二人がいる。
ああ、ちょうどいいわね。
食事中にするような話でもないけど、人が揃うのはここしかないもの。
「ダミアン様、使用人を増やすことは出来ないのですか?」
「なにを急に言い出すんだい、アンリエッタ」
私は簡素な朝食が運び始まった頃、夫へ話しかけた。
家族が集まる時間は、この朝食の時だけ。
これを逃したら、また一日が無駄に過ぎてしまうのだ。
「嫁のくせに、掃除も満足に出来ないなんてどういうことなの。全く使えやしない! タダでご飯を食べようなどと、どれだけ厚かましいのよ! 働かない者には食べる権利などないのよ」
金切り声で、姑が私を睨みつけながら叫んだ。
おー、なんかうちの父みたいなこと言うのね。
貴族ってそういう考えはないのかと思っていたわ。
結構平民と変わらなくてビックリだわ。
さすが貧乏貴族様。
だけど私も引き下がるわけにはいかないのよ。
人手がないと計画も進まないし。
だいたい、そうでなくとも無理がある。
この屋敷で働いているのは私と一人のシェフと、洗濯と買い付けをしている侍女だけしかいない。
義母は暇を見つけては屋敷の中を徘徊し、私の掃除に文句をつけるだけで特に手伝うわけでもない。
たった三人でどうしろっていうの。
「そうは言われましても、私一人では限界があります」
「ん-。本当に全力でやってるのかい? 手を抜いているから、間に合わないのではなくて?」
「私は手など抜いておりません。一人でこの広いお屋敷の掃除も修繕も行っていますが、手伝ってもらえないのなら、せめて誰かを入れてください」
「没落寸前の貴族だったから、この嫁はうちを馬鹿にして働かない気なのよ! だから簡単に人を雇うだなんて言うんだわ」
どこをどうしたら、そこに繋がるのかしら。
被害妄想もはなはだしい。
第一に没落寸前だったのは、誰のせいでもなく自分たちのせいでしょう。
それに貴族の家に嫁いだからって、こんな使用人以下にこき使われるのっておかしいと思わないのかしら。
この人たちにとっては、嫁はタダ働き要員としか考えてないのよね。
まだ商会で働いていた時の方が、微々たるものでも賃金をお小遣いとしてもらえたのに。
何から何まで、頭が痛くなるようなものばかりだった。
隅に溜まったホコリから、汚れで外がマトモに見えない窓の掃除。
玄関先には雑草が生え放題だったし、エントランスは砂まみれだった。
しかし一人でそれをやるのは、それも数日が限度。
終わりの見えない汚さに、私の心はあっという間に折れてしまった。
修繕をするにしても掃除をするにしても、無駄に広く荒れ果てたこの男爵家は一人ではどうにもならない。
って、前回はあんなに頑張ったのに。
それが全部元どおり汚くなってるって、どんな罰ゲームなのよ。
さすがにこれはあんまりでしょう。
それに前回、三年かかったって修繕はほとんど終わらなかったのよね。
無駄に広いから掃除だけでも、一日で屋敷全部は回れない。
その上、日々また汚れて行く。
それでも手伝ってくれる人もいなかったし、助けを求めるっていう考えもなかったから、あの時は寝る間も惜しんでやっていたのよね。
でもそれがまた一からって。嫌すぎる。でも、汚いのも嫌だ。
もーーーー。本当になんなのよ。
なんでここまで汚さを放置出来るかな。
商会の作業場だって、ここより何十倍も綺麗よ。
とにかくまずはダメ元で夫に掛け合うしかないわね。
元々その予定だったし。計画より少し早くなっちゃったけど、仕方ないわ。
早朝から始めた掃除を切り上げ着替えると、食堂へ向かった。
中にはもうすでに二人がいる。
ああ、ちょうどいいわね。
食事中にするような話でもないけど、人が揃うのはここしかないもの。
「ダミアン様、使用人を増やすことは出来ないのですか?」
「なにを急に言い出すんだい、アンリエッタ」
私は簡素な朝食が運び始まった頃、夫へ話しかけた。
家族が集まる時間は、この朝食の時だけ。
これを逃したら、また一日が無駄に過ぎてしまうのだ。
「嫁のくせに、掃除も満足に出来ないなんてどういうことなの。全く使えやしない! タダでご飯を食べようなどと、どれだけ厚かましいのよ! 働かない者には食べる権利などないのよ」
金切り声で、姑が私を睨みつけながら叫んだ。
おー、なんかうちの父みたいなこと言うのね。
貴族ってそういう考えはないのかと思っていたわ。
結構平民と変わらなくてビックリだわ。
さすが貧乏貴族様。
だけど私も引き下がるわけにはいかないのよ。
人手がないと計画も進まないし。
だいたい、そうでなくとも無理がある。
この屋敷で働いているのは私と一人のシェフと、洗濯と買い付けをしている侍女だけしかいない。
義母は暇を見つけては屋敷の中を徘徊し、私の掃除に文句をつけるだけで特に手伝うわけでもない。
たった三人でどうしろっていうの。
「そうは言われましても、私一人では限界があります」
「ん-。本当に全力でやってるのかい? 手を抜いているから、間に合わないのではなくて?」
「私は手など抜いておりません。一人でこの広いお屋敷の掃除も修繕も行っていますが、手伝ってもらえないのなら、せめて誰かを入れてください」
「没落寸前の貴族だったから、この嫁はうちを馬鹿にして働かない気なのよ! だから簡単に人を雇うだなんて言うんだわ」
どこをどうしたら、そこに繋がるのかしら。
被害妄想もはなはだしい。
第一に没落寸前だったのは、誰のせいでもなく自分たちのせいでしょう。
それに貴族の家に嫁いだからって、こんな使用人以下にこき使われるのっておかしいと思わないのかしら。
この人たちにとっては、嫁はタダ働き要員としか考えてないのよね。
まだ商会で働いていた時の方が、微々たるものでも賃金をお小遣いとしてもらえたのに。
何から何まで、頭が痛くなるようなものばかりだった。
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