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022 食べ物の恨み
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広場の中央へ戻ると、出店がちらほら商品を並べだしていた。
花や野菜、魚。
それだけではなく、いい匂いのする食事系なお店も動き出している。
ちゃんとしたお店に入ればもっといい食事にありつけるのだが、広場で売っているものは平民向けのためすごく安い。
その場でも食べれるし、持ち帰ることも出来るから、ミーアたちへのお土産にちょうどいいのよね。
「ん-、串焼き食べたい。肉よね、やっぱり肉を食べなきゃ」
香ばしいタレの匂いにつられ、私はフラフラ歩き出す。
ああ、あのじゅわっと香ばしいタレに絡まったお肉とその肉汁が口の中で広がると想像したら、もう。
食べないわけがないじゃない。
もうお腹ペコペコよ。
私の空腹はすでに限界を超えていた。もうこの目には肉しか映りはしない。
「すみません、串焼き二つ……いえ、三つ……」
そう店主に声をかけた瞬間、物々しい十数名の男たちが広場に駆けつけてくる。
「おい、いたぞ!」
男たちは真っすぐに、私の方へ。
あれってたぶん、騎士団よね。
子どもの頃に一度パレードとかで見たコトあるけど。
んんん? でも、なんでこっち向かってくるのよ。
私、なにかした?
それとも父がなにかやらかしたのかしら。
うん、その可能性は大きいわよね。
いつも違法すれすれのことをしてきたわけだし。いや、すれすれ超えてて、バレてないだけともいうけえど。
ってことは逃げなきゃまずい感じなのかな。
え、待って。私に肉を食べさせて。今、お口が肉のお口なの。
今すぐ食べないと、私の肉が肉が肉がぁぁぁぁぁぁぁ。
そんな私の心の叫びなど誰も気づくこともなく、広場にいた誰もが動けないでいた。
そしてその先頭にいる騎士と、視線がぶつかる。
黒い髪に赤い瞳。
私より頭一つ分高いダミアンよりも、さらに背が高く、ガタイのいい男性だった。
ガチムチという言葉があるなら、まさにそれだ。
他の騎士たちよりも、上にも横にも大きく感じる。
なぜかな。この人を見るのは初めてではない気がする。
どこかで……いつだったか、私は彼を見た気がした。
その騎士は私のすぐ近くまで来ると、大きな剣を抜きはなった。
私は恐ろしさのあまり、声すら上げられず頭を押さえてその場にしゃがみ込む。
「逃がすな!」
騎士たちはしゃがみ込んだ私を避けるように、その後ろへと走って行く。
「な、なに⁉」
私は地面に膝をつき、這いつくばりながら、やっとの思いで後ろを振り返った。
騎士たちの前には、大きさが子どもくらいあるサイズの、でっぷりとした灰色のネズミたちが数匹いる。
ネズミたちは大きな齧歯をむき出しにし、長い尻尾をピンと立てこちらを威嚇するように見ていた。
あきらかにその姿は、こちらに攻撃を仕掛ける前段階のようだった。
「灰色ネズミ……、でもなんでこんなところにいるの?」
灰色ネズミは下水などの地下に潜むモンスターの一種だ。
基本的には、こんな風に地上に上がることはなく、地下に迷い込んだ人や他のモンスターたちを襲う習性がある。
それなのに、なんでこんな日中の広場になんて?
地下で何かが起きているってことかしら?
そんな風に眺めていると、襲い掛かるネズミたちと騎士団の戦闘が始まっていた。
ただ普段地下にしか現れず、相手にしたことのないモンスターに騎士たちは苦戦しだす。
ネズミたちは連携を取りながら、素早くその剣をかわした。
しかしそれでも自分たちの身に危険が迫ったと分かると、ネズミたちは一か所に集まり上を向く。
ああ、いけない。
「耳をふさいで!」
『きゅゅゅゅゅゅゅ!』
私のかけ声と、ネズミたちの威嚇の声はほぼ同時だった。
耳をふさげなかった者たちは、あまりの甲高い声に動けなくなっている。
これがあいつらの戦い方なのよね。
あの声を聞いてしまうと、一定時間耳がやられてマトモに動けなくなってしまう。
知らない人では、中々対応が難しいのが特徴だ。
しかも普段下水に潜んでいるせいで、騎士といっても相手にしたことがある人間などほぼいないだろう。
「まったく……こんなところで冗談じゃないわ。こっちはお腹が空いてるのよ! 私の肉の邪魔をしないで」
半ば八つ当たりだとも思いながら、私は自分のポーチからボール大の塊を出す。
そして動けなくなった騎士たちに攻撃を仕掛けようとするネズミたちに向かって、それを投げつけた。
大きな弾ける音と共に火花が散り、白煙が出てくる。
やや鼻につくようなその香りが風に乗って広がっていくと、ネズミたちは顔色を変えた様にすぐさま地下へと排水溝から潜っていった。
よく見れば、地下への排水溝の蓋が外れてるじゃない。
まったく、誰がこんなことしたのかしら。いい迷惑よ。
だけどあれが外れたくらいで、あいつらが地上に出てくるなんて普通では考えられないわよね。
私は排水溝の蓋を足で蹴り閉めながら、地下のことを少し考えていた。
花や野菜、魚。
それだけではなく、いい匂いのする食事系なお店も動き出している。
ちゃんとしたお店に入ればもっといい食事にありつけるのだが、広場で売っているものは平民向けのためすごく安い。
その場でも食べれるし、持ち帰ることも出来るから、ミーアたちへのお土産にちょうどいいのよね。
「ん-、串焼き食べたい。肉よね、やっぱり肉を食べなきゃ」
香ばしいタレの匂いにつられ、私はフラフラ歩き出す。
ああ、あのじゅわっと香ばしいタレに絡まったお肉とその肉汁が口の中で広がると想像したら、もう。
食べないわけがないじゃない。
もうお腹ペコペコよ。
私の空腹はすでに限界を超えていた。もうこの目には肉しか映りはしない。
「すみません、串焼き二つ……いえ、三つ……」
そう店主に声をかけた瞬間、物々しい十数名の男たちが広場に駆けつけてくる。
「おい、いたぞ!」
男たちは真っすぐに、私の方へ。
あれってたぶん、騎士団よね。
子どもの頃に一度パレードとかで見たコトあるけど。
んんん? でも、なんでこっち向かってくるのよ。
私、なにかした?
それとも父がなにかやらかしたのかしら。
うん、その可能性は大きいわよね。
いつも違法すれすれのことをしてきたわけだし。いや、すれすれ超えてて、バレてないだけともいうけえど。
ってことは逃げなきゃまずい感じなのかな。
え、待って。私に肉を食べさせて。今、お口が肉のお口なの。
今すぐ食べないと、私の肉が肉が肉がぁぁぁぁぁぁぁ。
そんな私の心の叫びなど誰も気づくこともなく、広場にいた誰もが動けないでいた。
そしてその先頭にいる騎士と、視線がぶつかる。
黒い髪に赤い瞳。
私より頭一つ分高いダミアンよりも、さらに背が高く、ガタイのいい男性だった。
ガチムチという言葉があるなら、まさにそれだ。
他の騎士たちよりも、上にも横にも大きく感じる。
なぜかな。この人を見るのは初めてではない気がする。
どこかで……いつだったか、私は彼を見た気がした。
その騎士は私のすぐ近くまで来ると、大きな剣を抜きはなった。
私は恐ろしさのあまり、声すら上げられず頭を押さえてその場にしゃがみ込む。
「逃がすな!」
騎士たちはしゃがみ込んだ私を避けるように、その後ろへと走って行く。
「な、なに⁉」
私は地面に膝をつき、這いつくばりながら、やっとの思いで後ろを振り返った。
騎士たちの前には、大きさが子どもくらいあるサイズの、でっぷりとした灰色のネズミたちが数匹いる。
ネズミたちは大きな齧歯をむき出しにし、長い尻尾をピンと立てこちらを威嚇するように見ていた。
あきらかにその姿は、こちらに攻撃を仕掛ける前段階のようだった。
「灰色ネズミ……、でもなんでこんなところにいるの?」
灰色ネズミは下水などの地下に潜むモンスターの一種だ。
基本的には、こんな風に地上に上がることはなく、地下に迷い込んだ人や他のモンスターたちを襲う習性がある。
それなのに、なんでこんな日中の広場になんて?
地下で何かが起きているってことかしら?
そんな風に眺めていると、襲い掛かるネズミたちと騎士団の戦闘が始まっていた。
ただ普段地下にしか現れず、相手にしたことのないモンスターに騎士たちは苦戦しだす。
ネズミたちは連携を取りながら、素早くその剣をかわした。
しかしそれでも自分たちの身に危険が迫ったと分かると、ネズミたちは一か所に集まり上を向く。
ああ、いけない。
「耳をふさいで!」
『きゅゅゅゅゅゅゅ!』
私のかけ声と、ネズミたちの威嚇の声はほぼ同時だった。
耳をふさげなかった者たちは、あまりの甲高い声に動けなくなっている。
これがあいつらの戦い方なのよね。
あの声を聞いてしまうと、一定時間耳がやられてマトモに動けなくなってしまう。
知らない人では、中々対応が難しいのが特徴だ。
しかも普段下水に潜んでいるせいで、騎士といっても相手にしたことがある人間などほぼいないだろう。
「まったく……こんなところで冗談じゃないわ。こっちはお腹が空いてるのよ! 私の肉の邪魔をしないで」
半ば八つ当たりだとも思いながら、私は自分のポーチからボール大の塊を出す。
そして動けなくなった騎士たちに攻撃を仕掛けようとするネズミたちに向かって、それを投げつけた。
大きな弾ける音と共に火花が散り、白煙が出てくる。
やや鼻につくようなその香りが風に乗って広がっていくと、ネズミたちは顔色を変えた様にすぐさま地下へと排水溝から潜っていった。
よく見れば、地下への排水溝の蓋が外れてるじゃない。
まったく、誰がこんなことしたのかしら。いい迷惑よ。
だけどあれが外れたくらいで、あいつらが地上に出てくるなんて普通では考えられないわよね。
私は排水溝の蓋を足で蹴り閉めながら、地下のことを少し考えていた。
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