空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~

和吉

文字の大きさ
39 / 86
終わりと出会い

襲撃

しおりを挟む
次の日の朝
いつも通り清々しい朝を迎えるはずが今回は違った。3人は早朝ドンッという鈍い音で目が覚めることになった。3人は飛び起きると、シオンとラドは驚いた顔で目を合わせ、シオンはすぐに状況把握に動いた。断続的に鳴り続けるドンッという鈍い音、土壁を何者かが強く叩いてる振動が3人へ伝わる。幸いまだ土壁が壊れる様子はないシオンは周りの状況を確認するために、音が鳴る方へと寄り覗き穴を作り外を見ると土壁を叩いている者がそこにはいた。3mを軽く超える巨体、その手には棍棒を持ちその表情は鬼のようオーガだ。オーガが土壁を発見し、人の匂いを嗅ぎつけたのだろう中にいる人間を食べようと棍棒で土壁を殴っていたのだ。

不味いわね・・・そう簡単にはこの壁は壊れないけど魔除けの香を無視して近づくことが出来るってことは変異種ね。しかも、よりによってオーガこれは見逃してはくれなさそうね。倒すしかないわね

「グレス、ラド落ち着いて聞いて、この壁の外にオーガが居るわ。まだ壁は持つけれど出られないからオーガを倒すしかない。私がここから出て倒すから2人はこのままここに居て」
「危険すぎないか?やり過ごすことは出来ないのか?」
「無理ね。オーガは獲物に対して執念深いのよ。ここから逃げても何処までも追ってくるし、壁が壊れるまでずっといると思うわ。流石に腹が減れば獲物を探しに行くだろうけど、それだと私たちが持たないわ」
「倒すしかないのか・・・」
「ラド、グレスをお願いね」
「すまない、俺に戦える力が有れば・・・」
「仕方ないわ。それにあの程度の奴に私は負けないから安心して待ってて。グレス、いい子でラドと一緒に待っててね」
「うん」

まったく動揺していないグレスにシオンは落ち着いた声で言うと、ラドの震えた手を掴み耳元で小さな声で伝える。

「イエリ―の街から逆方向にオーガを引き付けるわ。もしも私に何かあったら土壁が壊れるからもし、そうなったら全力で間に向かって走って」

ラドはシオンを引き留めようとしたが、シオンの覚悟を決めた表情を見て自分も覚悟を決め頷いた。

さて、覚悟を決めましょう私なら出来るわ!

リュックの薬棚シオンは土壁に自分が通れる程度の穴を空けると、身体強化をかけ飛び出した。
「炎よ!」
オーガが居る反対から飛び出すと同時に土壁を直し、後ろを向き炎のローブを纏いこぶし大の火球を4つ作り出し、オーガに向かって放った。オーガは飛び出してきたシオンを視認すると向かってくる火球を無視し土小屋を乗り越え向かってくる。火球は全部オーガに当たるが全くの無傷だった。土小屋を乗り越えたオーガはシオンを捕らえようと、棍棒でシオンを殴ろうとする歩いてきた方向に向かって避け距離を取ろうとする。

丈夫ね。でも、意識はこっちに向いたわね。距離を取りながら削ってっ!!!??

オーガ巨体で筋肉隆々だが動きは遅いため、距離を取りながら戦えば安全に勝利できるとシオンは考えていたがこのオーガは違っていた。変異種、魔物に時折現れる種族には無い特徴を有した存在、魔除けが効かず脅威となる存在それがこのオーガだったのだ。本来動きが遅いはずのオーガが、驚愕の速さでシオンに近づき棍棒で横腹を殴りつけた。不意を突かれたシオンは吹き飛ぶが何とか空中で姿勢を直し地面に着地し、オーガが近づけないよう魔法を発動させた。

「炎よ、彼の者を妨げる壁となれ!」

炎の壁がオーガとシオンの間に3つ現れ、オーガの視界と近づく道を奪う。

これで近寄れないでしょ、最悪油断したわ。変異種だって分かっていたのに・・・

シオンは咄嗟に炎のローブの炎を横腹に集中させ威力を抑えると同時に、受け身の体制を取ったためそこまでダメージは無かったが、相性が最悪だという事に焦りを感じ、額に汗が浮かぶ。

まだ、遅ければ何とでもなるけど早いと魔法を使う暇が無いし攻撃が当たらないかもしれないわね。何とかしなきゃ・・・・!!!??

オークが炎の壁を無視して突っ込んできたのだ。3枚の炎の壁を無理やり突破したのにオーガは火傷1つを負うことはなく、平然とシオンを食べようと棍棒を振り下ろすがシオンは右に転がり回避する。すかさず魔法をオーガに打ち込む

「炎よ、彼の者を射抜け」

5本の炎の矢がオーガに打ち込まれるが聞いてる様子はない。シオンはその様子を見て冷静に分析をするが、心は焦りが出てくる。

炎が効かないか魔法が効かないかね。相性最悪じゃない・・・
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...