2 / 36
作戦会議です
しおりを挟む
ジル兄様の発言にライ兄様と私の頭の上には、クエスチョンマークがいっぱいだ。
「短期間でいい。男装して騎士団員として一緒に過ごすんだ。そうすれば、アンジーより強い奴を見極められるだろ」
「でもライ兄、男同士で恋愛なんてそうそう出来ないぞ」
「バカか。見極める事が出来たら令嬢姿に戻ってアンジェリーナとして出会えばいいだろう」
「あ、なーる」
「それ、乗ったわ」
「ま、確かに面白そうだな」
こうして、私の騎士団潜入作戦が決行されることになった。
翌日、私の騎士団潜入作戦をスムーズに決行するためにと、王太子であるフィエロ殿下の執務室で打ち合わせが行われている。
この場にいるのは、騎士団を統括しているフィエロ殿下とディアナ姉様。騎士団の団長のルイージ様、騎士団第一部隊長のライモンド兄様、宰相補佐のジルベルト兄様と私だ。
そして、この場にはいないけれど、宰相であるお父様も勿論知っている。因みに陛下とクソ王子こと、第二王子のカッシオ殿下には内緒だ。
陛下は国王としては素晴らしい人なのだけれど、こと二人の王子のこととなると甘々のダメダメになるので、カッシオ殿下にバレる可能性を危惧して内緒にすることにした。
まあ、騎士団はフィエロ殿下が全面的に取り仕切っているので、陛下にバレる心配は正直ない。でも、念には念をだ。
「しかし、君たち兄妹は相変わらず仲良しだねえ。そんな遊びを考えるなんて。羨ましいよ」
机の上に肘をつきながら、濃い色の金髪に琥珀の目が美しいフィエロ殿下が笑った。
「だから仲間に入れてあげているでしょう」
ジル兄様が冷たくあしらう。
「団長もすみませんが協力お願いします」
ライ兄様が頭を下げると、体格のいいライ兄様よりも更に体格のいい団長が笑った。
「ああ、いいぞ。最近平和ボケしていたからちょうどいいんじゃないか?アンジェリーナ嬢が強いのは俺も知っているし、いきなり実力のある若いのが入ればいい刺激にもなるだろう。でも、こんな美人さんが本当に男装してバレないのか?」
「そこは私たちがカバー致します」
ディアナお姉様とお姉様付きの侍女が二人、それは楽しそうに意気込んでいる。
緩いウェーブのかかった美しい金髪に、エメラルドのような緑の瞳の美しいディアナ姉様。私とは歳が離れていたせいか、とても可愛がってもらっている。嫁いだ今でも時々お茶をするほど仲良しだ。
「ディアナ姉様、お手柔らかにね」
「ふふ、勿論よ。立派な男装の麗人にしてあげるわね」
「えっと、麗人はいらないからね。男装だけね」
「そうだったわね、男装ね。そうね、中性的な感じがいいわね。無理に男性に寄せようとすると失敗しそうだから中性的な美少年を目指しましょう」
美少年とかやめて欲しいけれど、楽しそうにどうするのがいいかと話し合っている三人を止められる気がしない。お手柔らかにとだけ言っておいた。
「じゃあ、俺の親戚ってことで第一部隊に入れればいいか?」
「ですね、団長の親戚というのが一番しっくりくるでしょう」
フィエロ殿下が納得する。
「見た目、だいぶ違うけどな」
ライ兄様が小声で笑った途端、スパーンといい音がした。驚いて音のした方を見ると、いい顔でライ兄様の頭を団長がはたいていた。
「いいなあ、楽しそうだなあ。私も訓練に参加したいなあ」
またもやフィエロ殿下が羨ましそうな顔をする。
「いい機会だから参加してもよろしいのではないかしら?アンジーにしごかれるといいわよ」
ディアナ姉様が紅茶を飲みながら答えると、ブルブルと首を振るフィエロ殿下。
「ガルヴァーニ家にしごかれると地獄を見るからそれは遠慮したいなあ。私はどちらかといえば頭脳派だからね」
「そういえば昔、父上に散々しごかれていましたね」
ライ兄様がその当時を思い出したのか、クスクスと笑う。
「そうそう。ディアナを守れる強さを持てってね。宰相殿があんなに強かったなんて知らなかったよ」
「うちは皆強いですよ、母上以外は」
「うん、そうだね。結婚してから知ったよ、ディアナが私より強いって。それでもディアへの愛は変わらないけれど」
「皆、父上に一通りしごかれましたからね」
ジル兄様が苦笑する。
「なんで宰相殿はあんなに強いんだろうねえ」
「ガルヴァーニ家は元々武闘派でしたから。今でも暗部を抱えている身ですので、弱いとなめられるんですよ」
「そうだった。ガルヴァーニ家の暗部は、王家の影なんて足元にも及ばない程の実力者揃いだったね。本当にガルヴァーニ家だけは敵にしたくないと思うよ」
「ところで、入れる理由はどうしますか?」
ルイージ団長が再び話を戻す。
「そうだな。まだ学生だけれど、実力があるので一足先に入団させたでいいんじゃないかな」
「了解しました」
「よし。じゃあそういう作戦でいこう。アンジーはくれぐれも女の子だとバレないようにね。私たちも協力するから。私もね、可愛い義妹には本当に好きになった相手と結ばれて欲しいと思っているから」
「はい。ありがとうございます、お義兄様」
「よし、話がまとまった所で休憩がてらお茶にしないか?ニコロとサーラがアンジーに会いたいって待っているらしいしね」
「私もおチビちゃんたちに会いたいわ」
「今、連れてきてもらうように言ったから。とりあえずお茶して待っていよう」
「短期間でいい。男装して騎士団員として一緒に過ごすんだ。そうすれば、アンジーより強い奴を見極められるだろ」
「でもライ兄、男同士で恋愛なんてそうそう出来ないぞ」
「バカか。見極める事が出来たら令嬢姿に戻ってアンジェリーナとして出会えばいいだろう」
「あ、なーる」
「それ、乗ったわ」
「ま、確かに面白そうだな」
こうして、私の騎士団潜入作戦が決行されることになった。
翌日、私の騎士団潜入作戦をスムーズに決行するためにと、王太子であるフィエロ殿下の執務室で打ち合わせが行われている。
この場にいるのは、騎士団を統括しているフィエロ殿下とディアナ姉様。騎士団の団長のルイージ様、騎士団第一部隊長のライモンド兄様、宰相補佐のジルベルト兄様と私だ。
そして、この場にはいないけれど、宰相であるお父様も勿論知っている。因みに陛下とクソ王子こと、第二王子のカッシオ殿下には内緒だ。
陛下は国王としては素晴らしい人なのだけれど、こと二人の王子のこととなると甘々のダメダメになるので、カッシオ殿下にバレる可能性を危惧して内緒にすることにした。
まあ、騎士団はフィエロ殿下が全面的に取り仕切っているので、陛下にバレる心配は正直ない。でも、念には念をだ。
「しかし、君たち兄妹は相変わらず仲良しだねえ。そんな遊びを考えるなんて。羨ましいよ」
机の上に肘をつきながら、濃い色の金髪に琥珀の目が美しいフィエロ殿下が笑った。
「だから仲間に入れてあげているでしょう」
ジル兄様が冷たくあしらう。
「団長もすみませんが協力お願いします」
ライ兄様が頭を下げると、体格のいいライ兄様よりも更に体格のいい団長が笑った。
「ああ、いいぞ。最近平和ボケしていたからちょうどいいんじゃないか?アンジェリーナ嬢が強いのは俺も知っているし、いきなり実力のある若いのが入ればいい刺激にもなるだろう。でも、こんな美人さんが本当に男装してバレないのか?」
「そこは私たちがカバー致します」
ディアナお姉様とお姉様付きの侍女が二人、それは楽しそうに意気込んでいる。
緩いウェーブのかかった美しい金髪に、エメラルドのような緑の瞳の美しいディアナ姉様。私とは歳が離れていたせいか、とても可愛がってもらっている。嫁いだ今でも時々お茶をするほど仲良しだ。
「ディアナ姉様、お手柔らかにね」
「ふふ、勿論よ。立派な男装の麗人にしてあげるわね」
「えっと、麗人はいらないからね。男装だけね」
「そうだったわね、男装ね。そうね、中性的な感じがいいわね。無理に男性に寄せようとすると失敗しそうだから中性的な美少年を目指しましょう」
美少年とかやめて欲しいけれど、楽しそうにどうするのがいいかと話し合っている三人を止められる気がしない。お手柔らかにとだけ言っておいた。
「じゃあ、俺の親戚ってことで第一部隊に入れればいいか?」
「ですね、団長の親戚というのが一番しっくりくるでしょう」
フィエロ殿下が納得する。
「見た目、だいぶ違うけどな」
ライ兄様が小声で笑った途端、スパーンといい音がした。驚いて音のした方を見ると、いい顔でライ兄様の頭を団長がはたいていた。
「いいなあ、楽しそうだなあ。私も訓練に参加したいなあ」
またもやフィエロ殿下が羨ましそうな顔をする。
「いい機会だから参加してもよろしいのではないかしら?アンジーにしごかれるといいわよ」
ディアナ姉様が紅茶を飲みながら答えると、ブルブルと首を振るフィエロ殿下。
「ガルヴァーニ家にしごかれると地獄を見るからそれは遠慮したいなあ。私はどちらかといえば頭脳派だからね」
「そういえば昔、父上に散々しごかれていましたね」
ライ兄様がその当時を思い出したのか、クスクスと笑う。
「そうそう。ディアナを守れる強さを持てってね。宰相殿があんなに強かったなんて知らなかったよ」
「うちは皆強いですよ、母上以外は」
「うん、そうだね。結婚してから知ったよ、ディアナが私より強いって。それでもディアへの愛は変わらないけれど」
「皆、父上に一通りしごかれましたからね」
ジル兄様が苦笑する。
「なんで宰相殿はあんなに強いんだろうねえ」
「ガルヴァーニ家は元々武闘派でしたから。今でも暗部を抱えている身ですので、弱いとなめられるんですよ」
「そうだった。ガルヴァーニ家の暗部は、王家の影なんて足元にも及ばない程の実力者揃いだったね。本当にガルヴァーニ家だけは敵にしたくないと思うよ」
「ところで、入れる理由はどうしますか?」
ルイージ団長が再び話を戻す。
「そうだな。まだ学生だけれど、実力があるので一足先に入団させたでいいんじゃないかな」
「了解しました」
「よし。じゃあそういう作戦でいこう。アンジーはくれぐれも女の子だとバレないようにね。私たちも協力するから。私もね、可愛い義妹には本当に好きになった相手と結ばれて欲しいと思っているから」
「はい。ありがとうございます、お義兄様」
「よし、話がまとまった所で休憩がてらお茶にしないか?ニコロとサーラがアンジーに会いたいって待っているらしいしね」
「私もおチビちゃんたちに会いたいわ」
「今、連れてきてもらうように言ったから。とりあえずお茶して待っていよう」
44
あなたにおすすめの小説
妹が「この世界って乙女ゲーじゃん!」とかわけのわからないことを言い出した
無色
恋愛
「この世界って乙女ゲーじゃん!」と言い出した、転生者を名乗る妹フェノンは、ゲーム知識を駆使してハーレムを作ろうとするが……彼女が狙った王子アクシオは、姉メイティアの婚約者だった。
静かな姉の中に眠る“狂気”に気付いたとき、フェノンは……
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
ある日突然、醜いと有名な次期公爵様と結婚させられることになりました
八代奏多
恋愛
クライシス伯爵令嬢のアレシアはアルバラン公爵令息のクラウスに嫁ぐことが決まった。
両家の友好のための婚姻と言えば聞こえはいいが、実際は義母や義妹そして実の父から追い出されただけだった。
おまけに、クラウスは性格までもが醜いと噂されている。
でもいいんです。義母や義妹たちからいじめられる地獄のような日々から解放されるのだから!
そう思っていたけれど、噂は事実ではなくて……
退役騎士の居候生活
夏菜しの
恋愛
戦の功績で騎士爵を賜ったオレーシャは辺境を警備する職に就いていた。
東方で三年、南方で二年。新たに赴任した南方で不覚を取り、怪我をしたオレーシャは騎士団を退役することに決めた。
彼女は騎士団を退役し暮らしていた兵舎を出ることになる。
新たな家を探してみるが幼い頃から兵士として暮らしてきた彼女にはそう言った常識が無く、家を見つけることなく退去期間を向かえてしまう。
事情を知った団長フェリックスは彼女を仮の宿として自らの家に招いた。
何も知らないオレーシャはそこで過ごすうちに、色々な事を知っていく。
※オレーシャとフェリックスのお話です。
『生きた骨董品』と婚約破棄されたので、世界最高の魔導ドレスでざまぁします。私を捨てた元婚約者が後悔しても、隣には天才公爵様がいますので!
aozora
恋愛
『時代遅れの飾り人形』――。
そう罵られ、公衆の面前でエリート婚約者に婚約を破棄された子爵令嬢セラフィナ。家からも見放され、全てを失った彼女には、しかし誰にも知られていない秘密の顔があった。
それは、世界の常識すら書き換える、禁断の魔導技術《エーテル織演算》を操る天才技術者としての顔。
淑女の仮面を捨て、一人の職人として再起を誓った彼女の前に現れたのは、革新派を率いる『冷徹公爵』セバスチャン。彼は、誰もが気づかなかった彼女の才能にいち早く価値を見出し、その最大の理解者となる。
古いしがらみが支配する王都で、二人は小さなアトリエから、やがて王国の流行と常識を覆す壮大な革命を巻き起こしていく。
知性と技術だけを武器に、彼女を奈落に突き落とした者たちへ、最も華麗で痛快な復讐を果たすことはできるのか。
これは、絶望の淵から這い上がった天才令嬢が、運命のパートナーと共に自らの手で輝かしい未来を掴む、愛と革命の物語。
乙女ゲームに転生するつもりが神々の悪戯で牧場生活ゲームに転生したので満喫することにします
森 湖春
恋愛
長年の夢である世界旅行に出掛けた叔父から、寂れた牧場を譲り受けた少女、イーヴィン。
彼女は畑を耕す最中、うっかり破壊途中の岩に頭を打って倒れた。
そして、彼女は気付くーーここが、『ハーモニーハーベスト』という牧場生活シミュレーションゲームの世界だということを。自分が、転生者だということも。
どうやら、神々の悪戯で転生を失敗したらしい。最近流行りの乙女ゲームの悪役令嬢に転生出来なかったのは残念だけれど、これはこれで悪くない。
近くの村には婿候補がいるし、乙女ゲームと言えなくもない。ならば、楽しもうじゃないか。
婿候補は獣医、大工、異国の王子様。
うっかりしてたら男主人公の嫁候補と婿候補が結婚してしまうのに、女神と妖精のフォローで微妙チートな少女は牧場ライフ満喫中!
同居中の過保護な妖精の目を掻い潜り、果たして彼女は誰を婿にするのか⁈
神々の悪戯から始まる、まったり牧場恋愛物語。
※この作品は『小説家になろう』様にも掲載しています。
皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。
この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。
そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。
ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。
なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。
※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる