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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
避難
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寮の自室に戻ると、アリーが出迎えてくれる。何だか、表情が険しいわね。
「おかえりさないませ。お嬢様、あの…、アルベルト様がいらしています。」
いつもより、小声で話すアリー。
「いつ来たの?」
私も小声になる。
「2時間くらい前に、いらっしゃいました。」
何で休みの日に来るのよ!侯爵家の馬車なんて、見当たらなかったよね。もしかして、学園の正門の方に停めて来た?しかも、もうすぐ夕方なんだから、早く帰れよ。
覚悟を決めて、リビングのドアをノックすると、義兄の返事が聞こえる。部屋に入ると、義兄はソファーに座っている。
「マリー、綺麗に着飾ってどこに行って来たの?あっ、アリー、お茶はもういいから、外で待っていてくれる?兄妹で大切な話がしたいから。」
不機嫌な笑顔の義兄。サーっと血の気が引く。アリーは気不味そうに部屋の外へ。ドアはしっかり閉めていったわね。
「マリー、こっちに来て。」
また怒られるの?怖いんだけどー。しぶしぶ義兄の近くに行く私。義兄は私の手を引いて、自分の膝の上に座らせる。今日も近いんですけどー。
「男の香水の匂いがする。誰に会ったの?正直に話して。」
そんな匂いする?あー!あの時、ハグして匂いが付いちゃった?
「あの、ちょっと…、社会勉強に、…行ってきました。」
「誰と?正直に言わないと、首に跡付けちゃうよ。」
私の腰を両腕でしっかり抱きしめている義兄は、首元に唇を当てている。逃げられない状況だ。
どうして、ここまで義兄にされないといけないの?最近、更に近くなったよね。もう、我慢も限界かもしれない。一日中楽しかったのに、最悪よ。
普通の兄妹の距離感で付き合いたいのに。揉めたくなくて、断罪が怖くて、本音を言えずにいたのが、ダメだった?
「うっ。うっ…。うっ……。」
「…マリー?」
涙が溢れて来る。私、この人、ダメかも。根は優しいかもしれないけど、だからって何をしてもいい訳ではない。
その時、ガチャっとドアが開く。えっ?
「何をしているのかしら?」
ひぇー!お母様が来たぞー!!
「アル、あなた出掛けたとは聞いていたけど、ここで何をしているの?マリーを離しなさい。私とマリー、2人で話があるから、あなたは先に帰りなさい。」
母の目が怖い!義兄の腕の力が緩んだところで、サッと立ち上がり、義兄から離れる私。
義兄は、スッと立ち上がると、では先に帰りますと言って部屋を出て行った。
お母様が来てくれて良かったけど、これはこれで、気まずいよね。
「マリー、あなた泣いているの?」
そう言って、私を抱きしめるお母様。安心して、更に涙が出る私。
「マリー、あなた、アルが苦手でしょ?」
バレてたのね。さすが母親。とりあえず、黙ってうなづく私。
「苦手であっても、嫌なことはハッキリ嫌と言わないと、あのシスコンは分からないわよ。でも、あなた達は、少し離れた方がいいかもしれないわね。アルは頭を冷やした方がいいだろうし。」
いや、近づきたくないから女子校に進学したんですよ。ずっとあの女子校にいたかったんですけどね。言えないけど。
「寮で生活して、離れて暮らしているようでも、ああやって強引に訪ねてきたら、マリーとアリーではどうしようもないわね。侯爵家では一緒の生活で意味が無いし、あなたのお父様と話し合ってみるわ。」
お母様なりに、あのシスコンのことは心配してくれているのね。
「マリー、それより…、今日はどうだった?」
お母様の表情が、お見合いおばさんの表情に変わる。わざわざ、その話を聞く為に、この時間に訪ねて来たのね。
「観劇は感動しましたし、食事も美味しかったですし、シリル様は親切な紳士で、楽しい時間を過ごせましたわ。お母様の言う通り、いい社会勉強になりました。」
「まあ!シリル様だなんて、あの方を名前でお呼びしているの?すごいわ。さすが私の娘ね!」
「えっ?学園の入学パーティーの時に、そう呼ぶように言われただけですが。」
「何ですって?マリーは、学園のパーティーの時から、あの方と交流があったの?」
「王太子殿下にお声を掛けて頂いて、一緒にダンスを踊りました。」
「まあ!良くやったわ。あの方がダンスを踊ったり、自分をファーストネームで呼ばせるなんて、聞いたことがないわ。これはもしかして、…いけるかもしれないわね。」
「お母様、私達は特別な関係とかを望んでいるわけではありませんから、あまり変な期待をしないで下さい。」
そこは、しっかり言っておかないと、後でガッカリさせちゃうからね。それよりも、
「お母様、私、今日の観劇にとても感動いたしまして、また行ってみたいと思いましたの。今度はお母様やお父様と行きたいですわ。」
「マリーがそこまで言うなら、そのうち計画しましょうね。」
お母様は、上機嫌で帰って行った。娘の将来を案じていたのね。心配掛けてごめん。
次の日の午後。今度は父と母で、急に訪ねて来る。まぁ、今日まで休みだしね。しかし、母はとんでもない事を話し出すのであった。
「マリー、今から急だけど、一時的に引っ越すわよ。」
「えっ?なぜでしょう?」
「シスコンを拗らせたアルが危険だから、頭が冷えるまで、あなたはここを離れた方がいいと判断したわ。」
「お父様はね、マリーが可愛すぎるから、アルがシスコンになってしまうのは、仕方がないと思っていたんだ。悪い虫を追い払ってくれるし、マリーをすごく可愛がってくれているから。でも、マリーがその事で思い悩んでいるなら、今のままではいけないと思ってね。お父様の姉上の家なら学園も近くて、警備もしっかりしていいかなーと気が付いたから、さっき姉上の所に行って、マリーベルをお願い出来ないかって聞いてみたんだ。姉上はすぐに連れてらっしゃいと言ってくれてね。だから、しばらくは寮じゃなくて、君の伯母上のスペンサー侯爵家で生活してくれないか?あそこもウチみたいに、家族が仲が良いから、居心地は悪くないと思う。マリーの伯母夫婦と、従兄弟のフィリップが住んでいるからね。それと、フィリップには姉がいたのだけど、若くして事故で亡くなられていてね。亡くなったアンネマリーは君にそっくりだったから、もしかしたら、侯爵家でビックリされるかもしれないけど、従姉妹だから、似ているのなんて当たり前だし、気にしなくていいからね。」
「学園もしばらくは休みなさい。出席日数より、テストの点数重視だから、マリーなら大丈夫ね。お父様はアルに甘すぎなのも良くなかったから、お母様がアルとお父様を躾直しておくわ。」
うーん。急な展開について行けないわ。確かに、ああやって寮に来られるのは、危険だしね。でも、この寮の部屋は気に入っていたのよねー。自分の城って感じがして。友達も呼びやすくてさ。あーあ、残念。
寮はこのまま借りておくというので、最低限の荷物をまとめて、すぐにスペンサー侯爵家に行く事になった。出発時、心配掛けないように、レジーナの部屋に軽く説明しに行くと、興味深そうにしていた。腹黒達には話てもいいけど、他の誰にも言わないように口止めしておく。そのうち、スペンサー侯爵家も遊びに行けそうなら行くねと言っていた。授業ノート届けるフリして行くよだって。待ってるよ!!
「おかえりさないませ。お嬢様、あの…、アルベルト様がいらしています。」
いつもより、小声で話すアリー。
「いつ来たの?」
私も小声になる。
「2時間くらい前に、いらっしゃいました。」
何で休みの日に来るのよ!侯爵家の馬車なんて、見当たらなかったよね。もしかして、学園の正門の方に停めて来た?しかも、もうすぐ夕方なんだから、早く帰れよ。
覚悟を決めて、リビングのドアをノックすると、義兄の返事が聞こえる。部屋に入ると、義兄はソファーに座っている。
「マリー、綺麗に着飾ってどこに行って来たの?あっ、アリー、お茶はもういいから、外で待っていてくれる?兄妹で大切な話がしたいから。」
不機嫌な笑顔の義兄。サーっと血の気が引く。アリーは気不味そうに部屋の外へ。ドアはしっかり閉めていったわね。
「マリー、こっちに来て。」
また怒られるの?怖いんだけどー。しぶしぶ義兄の近くに行く私。義兄は私の手を引いて、自分の膝の上に座らせる。今日も近いんですけどー。
「男の香水の匂いがする。誰に会ったの?正直に話して。」
そんな匂いする?あー!あの時、ハグして匂いが付いちゃった?
「あの、ちょっと…、社会勉強に、…行ってきました。」
「誰と?正直に言わないと、首に跡付けちゃうよ。」
私の腰を両腕でしっかり抱きしめている義兄は、首元に唇を当てている。逃げられない状況だ。
どうして、ここまで義兄にされないといけないの?最近、更に近くなったよね。もう、我慢も限界かもしれない。一日中楽しかったのに、最悪よ。
普通の兄妹の距離感で付き合いたいのに。揉めたくなくて、断罪が怖くて、本音を言えずにいたのが、ダメだった?
「うっ。うっ…。うっ……。」
「…マリー?」
涙が溢れて来る。私、この人、ダメかも。根は優しいかもしれないけど、だからって何をしてもいい訳ではない。
その時、ガチャっとドアが開く。えっ?
「何をしているのかしら?」
ひぇー!お母様が来たぞー!!
「アル、あなた出掛けたとは聞いていたけど、ここで何をしているの?マリーを離しなさい。私とマリー、2人で話があるから、あなたは先に帰りなさい。」
母の目が怖い!義兄の腕の力が緩んだところで、サッと立ち上がり、義兄から離れる私。
義兄は、スッと立ち上がると、では先に帰りますと言って部屋を出て行った。
お母様が来てくれて良かったけど、これはこれで、気まずいよね。
「マリー、あなた泣いているの?」
そう言って、私を抱きしめるお母様。安心して、更に涙が出る私。
「マリー、あなた、アルが苦手でしょ?」
バレてたのね。さすが母親。とりあえず、黙ってうなづく私。
「苦手であっても、嫌なことはハッキリ嫌と言わないと、あのシスコンは分からないわよ。でも、あなた達は、少し離れた方がいいかもしれないわね。アルは頭を冷やした方がいいだろうし。」
いや、近づきたくないから女子校に進学したんですよ。ずっとあの女子校にいたかったんですけどね。言えないけど。
「寮で生活して、離れて暮らしているようでも、ああやって強引に訪ねてきたら、マリーとアリーではどうしようもないわね。侯爵家では一緒の生活で意味が無いし、あなたのお父様と話し合ってみるわ。」
お母様なりに、あのシスコンのことは心配してくれているのね。
「マリー、それより…、今日はどうだった?」
お母様の表情が、お見合いおばさんの表情に変わる。わざわざ、その話を聞く為に、この時間に訪ねて来たのね。
「観劇は感動しましたし、食事も美味しかったですし、シリル様は親切な紳士で、楽しい時間を過ごせましたわ。お母様の言う通り、いい社会勉強になりました。」
「まあ!シリル様だなんて、あの方を名前でお呼びしているの?すごいわ。さすが私の娘ね!」
「えっ?学園の入学パーティーの時に、そう呼ぶように言われただけですが。」
「何ですって?マリーは、学園のパーティーの時から、あの方と交流があったの?」
「王太子殿下にお声を掛けて頂いて、一緒にダンスを踊りました。」
「まあ!良くやったわ。あの方がダンスを踊ったり、自分をファーストネームで呼ばせるなんて、聞いたことがないわ。これはもしかして、…いけるかもしれないわね。」
「お母様、私達は特別な関係とかを望んでいるわけではありませんから、あまり変な期待をしないで下さい。」
そこは、しっかり言っておかないと、後でガッカリさせちゃうからね。それよりも、
「お母様、私、今日の観劇にとても感動いたしまして、また行ってみたいと思いましたの。今度はお母様やお父様と行きたいですわ。」
「マリーがそこまで言うなら、そのうち計画しましょうね。」
お母様は、上機嫌で帰って行った。娘の将来を案じていたのね。心配掛けてごめん。
次の日の午後。今度は父と母で、急に訪ねて来る。まぁ、今日まで休みだしね。しかし、母はとんでもない事を話し出すのであった。
「マリー、今から急だけど、一時的に引っ越すわよ。」
「えっ?なぜでしょう?」
「シスコンを拗らせたアルが危険だから、頭が冷えるまで、あなたはここを離れた方がいいと判断したわ。」
「お父様はね、マリーが可愛すぎるから、アルがシスコンになってしまうのは、仕方がないと思っていたんだ。悪い虫を追い払ってくれるし、マリーをすごく可愛がってくれているから。でも、マリーがその事で思い悩んでいるなら、今のままではいけないと思ってね。お父様の姉上の家なら学園も近くて、警備もしっかりしていいかなーと気が付いたから、さっき姉上の所に行って、マリーベルをお願い出来ないかって聞いてみたんだ。姉上はすぐに連れてらっしゃいと言ってくれてね。だから、しばらくは寮じゃなくて、君の伯母上のスペンサー侯爵家で生活してくれないか?あそこもウチみたいに、家族が仲が良いから、居心地は悪くないと思う。マリーの伯母夫婦と、従兄弟のフィリップが住んでいるからね。それと、フィリップには姉がいたのだけど、若くして事故で亡くなられていてね。亡くなったアンネマリーは君にそっくりだったから、もしかしたら、侯爵家でビックリされるかもしれないけど、従姉妹だから、似ているのなんて当たり前だし、気にしなくていいからね。」
「学園もしばらくは休みなさい。出席日数より、テストの点数重視だから、マリーなら大丈夫ね。お父様はアルに甘すぎなのも良くなかったから、お母様がアルとお父様を躾直しておくわ。」
うーん。急な展開について行けないわ。確かに、ああやって寮に来られるのは、危険だしね。でも、この寮の部屋は気に入っていたのよねー。自分の城って感じがして。友達も呼びやすくてさ。あーあ、残念。
寮はこのまま借りておくというので、最低限の荷物をまとめて、すぐにスペンサー侯爵家に行く事になった。出発時、心配掛けないように、レジーナの部屋に軽く説明しに行くと、興味深そうにしていた。腹黒達には話てもいいけど、他の誰にも言わないように口止めしておく。そのうち、スペンサー侯爵家も遊びに行けそうなら行くねと言っていた。授業ノート届けるフリして行くよだって。待ってるよ!!
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