元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ

文字の大きさ
115 / 161
ヒロインがやって来た

いじめっ子

しおりを挟む
 ユーリアの影の情報によると、ウッド男爵令嬢ことピンクのノートを破いているのは、同じEクラスの子爵家の令嬢らしい。しかし、この子はどうやら誰かに命令されているようだ。しばらくすると、影が調べてくれ、その子に命令していたのは、一つ学年が上の伯爵令嬢らしく、放課後、校舎の裏庭のガゼボに子爵家の令嬢を呼び、命令や指示を出しているのだと言う。その伯爵令嬢は、ピンクに水をかけた令嬢と一緒にいた人だった。
 根性悪いわー!直接、命令している現場を押さえちゃおうかと腹黒達は言う。そうしないと、命令されている子爵家の令嬢に罪をなすりつけそうだもんね。

 影が言うには3日に1度くらいの頻度で呼び出していると言う。そうすると、次に呼び出すのは、明日が可能性大らしい。明日、裏庭に隠れてみようか?裏庭は木が生い茂っていて、隠れる場所は沢山あるからね。しかも、日当たりがあまり良くなくて、人通りも少ないのでちょうどいい。私達だけだと、インパクトに欠けるから、誰か他の人も誘ってみる?ってなり、他にも呼んだら面白そうな人に声を掛けてみることにした。


 次の日の放課後。

 すぐに裏庭に移動して、茂みや木の陰に隠れる私達。すると、すでに生徒会長も来ていた。なんと、近衛騎士団長子息の副会長まで連れて来たようだ。実は義兄に頼んで、声を掛けてもらっていたのだが、思った以上に、乗り気で来てくれたようだった。義兄達4人もガゼボの裏の茂みにいる。
 数分後、ピンクのクラスの子爵家の令嬢がガゼボにやって来た。やはり今日も呼び出されているのね。大人しそうな子だわ。そして、更に数分後に2年生の伯爵令嬢と、その仲間達と思われる令嬢が3人来た。あら、ピンクに水をかけた令嬢もいるじゃないの。私達には気付いてないようで、話出す。

「あら、待たせてしまったかしら?」

「いえ。今来たばかりでございます。」

「ウッド男爵令嬢はどう?」

「普通に学校に来ております。」

「そう。元平民だけあって、少しくらい虐めても効果がないのかしら。」

「いえ、落ち込んでいるようにも見えましたが。」

「落ち込むくらいじゃだめなのよ!ノートと教科書はちゃんと破いたの?」

「はい。やりました。」

「クラスの他の令嬢は、何もしないの?虐めたりとか?」

「関わりたくないようで、話すらしません。」

「あなた、今度は机や持ち物にも落書きでもしなさい。できるわよね?」

「あの、そろそろ止めないとバレそうな気がするのですが。」

「バレないように、上手くやりなさいよ。別に出来ないならいいのよ。今までのノートや教科書は、全部貴女がやってましたってバラすだけだから。」

「そんな!私は先輩方に命令されただけなのに。それは酷いですわ。」

「煩いわね!貴女の家との取り引きを止めるように、お父様に話してもいいのよ。」

 おー!そこまで聞けるとはね。そろそろ出て行きますか?レジーナ達や生徒会長と目を合わせる。

「随分と面白い話をしているな!」

 生徒会長を呼んで良かったわ。私達は余計なことを喋らずに、傍観者になれるからね。
 まさか、生徒会長や副会長、義兄達、私達腹黒が出てくるとは思っていなかったらしく、2年生の令嬢方や、脅されていた子爵家令嬢が絶句し固まっている。

「君たちの会話は始めから全部、私達が聞いていた。最近、真面目になったウッド男爵令嬢に、後輩を脅して嫌がらせをさせていたとは。ブレック伯爵令嬢、残念だよ。これは、先生に報告させてもらう。」

「ああ、すでに呼んでおいたぞ。」

 副会長が茂みにの方を指差すと、なんと生徒会の顧問の先生が出てきた。まだ若いのに、やり手でみんなに慕われてるという、かわいい系の男の先生だ。少し前から、やる気のある若い先生が増えたよね。

「私も君たちの話を始めから聞いていたからね。言い逃れ出来ないよ。じゃあ、学園長の前でも話してもらうから、今から来てくれるか?」

 あの脅されていた令嬢も、何か罰を受けるのかしら。それは、かわいそうだわ。そう思った私は、

「先生!こちらの令嬢は、脅されていたようですが、何か罰を受けるのでしょうか?彼女も被害者の1人であると思いますので、どうかお助けくださいませ。」

「私1人で決められないので、今は何とも言えないですが…、彼女が脅されていたことは、私も聞いていたので、きちんと学園長には報告しておきますから、安心してください。」

 あら、かわいい系の先生の、優しい笑顔は癒されるわね。ん?腹黒達も目をキラキラさせて先生を見ている。わかるわ!ルーベンス先生や、剣術の男らしい先生方とは違ったタイプの、かわいい系の先生が、優しい笑顔を見せてくれたのだからね。みんな腹黒系女子だから、あんな癒し系のかわいいタイプに弱いのかもしれない。

 生徒会長と副会長は、先生や令嬢方と一緒に学園長の所に行ったようだ。
 そして、残された私達。

「マリーはあんなタイプが好きなのか?」

 うっ!無駄に鋭い義兄に見られたか。

「お兄様?何を話されているのでしょう?」 

「さっきの生徒会の顧問の先生だよ。マリーはじっと見つめていたよね?」

 義兄だし、本音で話しちゃうか。

「あんな癒し系は、みんな好きだと思いますわ。友人達も見つめていましたし。」

「そうか!フィリップ兄様と随分と違うタイプだから、フィリップ兄様はやめて、今後を考え直してもいいかもな!」

「ふふっ!お兄様ったら、私の今後は自分で決めますから、ご心配なく。」


 この後、みんなでお茶をしにカフェに行き、楽しい放課後を過ごした私達であった。
 




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

行動あるのみです!

恋愛
※一部タイトル修正しました。 シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。 自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。 これが実は勘違いだと、シェリは知らない。

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

赤貧令嬢の借金返済契約

夏菜しの
恋愛
 大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。  いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。  クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。  王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。  彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。  それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。  赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。

【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう

楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。 目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。 「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」 さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。 アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。 「これは、焼却処分が妥当ですわね」 だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

処理中です...