139 / 161
南国へ国外逃亡できたよ
オスカー様さようなら
しおりを挟む
「ちょうど良かったわ!私、マーフィー様の赤ちゃんがお腹にいるの。」
マジか!今日でお別れは正解だったわね。
満面の笑みで祝福してやろう。
「まあ!おめでとうございます。でしたら、日陰の身でもないのでしょうから、こんな所で盛ってないで、お身体を大切にして下さいませ。…マーフィー様、父親になるのですから、家族を大切にして下さい。ふふっ。おば様が喜ぶでしょうね。早く結婚してもらって、孫が欲しいと話してましたから。」
おば様、こんな令嬢が嫁って大変そうだけど、頑張って下さい。私は、黙ってオスカー様から去りますから。
「はっ!私との子どもなんて、出来るわけないだろう!変なことを言うな!私はリアと結婚すると決めているし、リアとの子供以外はいらない。」
そこまで言われると…ゾゾー、鳥肌が!
オスカー様は令嬢を睨んでいる。恐らくただの遊びで、特に好きではないんだろうね。扱いが雑だし。でもこれで人攫いオスカー様から逃げられるから、ありがとうね!令嬢さん!
ここで黙っていた、王太子殿下が喋り出す。
「子供が出来たのか?なら、すぐに婚姻の許可を与えてやろう。しかし、職務中にこんなことをしている文官は今すぐクビだ。お前、名前は?」
殿下が怖い!
「…レーネ・ガザフィーです。」
「ガザフィー男爵令嬢か。お前はもう登城しないように。結婚は子どもが生まれる前に、早めにするがよい。マーフィー卿、優秀だと聞いていたから残念だ。こんなに素晴らしい恋人を裏切るなんて。マーフィー卿はしばらく謹慎だ。登城は許可するまでしないでくれ。私の大切な友人を傷つけたのだ!しっかり反省するのだな。」
「私が悪いことは認めますし、反省も謹慎も致します。しかし、子供は私の子供ではありません。避妊薬を私が飲んでいるので、できるはずはないのです。どこの誰の子かも分からない子供を身籠った者との結婚は出来ません。」
男爵令嬢の顔色が更に悪くなる。あー、色んな人と遊んでいるのね。
「それは本当か?では神殿に行き、腹の子を調べれば良い。腹の子がマーフィー卿の子供だと分かれば、王太子命令ですぐに婚姻をしてもらおう。違う男の子供なら、その女が嘘をついているということになるから、王家に嘘をついたという罪になるな。虚偽罪で拘束することになる!」
男爵令嬢は、顔を真っ白にして震えている。
殿下はかなり怒っているようだ。怖すぎる。
「どちらにせよ、マーフィー卿は、もうマリア嬢とは元には戻れないだろう。マリア嬢は、こんな酷い現場を目にしたのだ。マーフィー侯爵夫人には、私から今回のことは報告しておこう。夫人は茶会などで、マリア嬢を自慢していたらしいからな。マーフィー卿がマリア嬢を裏切って選んだ相手が、こんなアバズレだと知ったら悲しむだろうが、しっかりやるように。…じゃあ、私達は行こう。マリア嬢も顔色が悪いから、早く帰って休むといい。エル、お前も一緒に帰っていいからな。」
オスカー様は表情を無くしている。反対に私の心の中は…
ありがとう!!
王太子殿下、ありがとう!上手く収めてくれるなんて!さすが王太子殿下!私はこれで、やっと自由の身。
うっ、うっ…。拐われてから、いやらしいことをされようが、奉仕を求められようが、やりたくもない恋人同士のフリをさせられようが、鳥肌立とうが…、生きる為に沢山我慢してきたけど、これでやっと解放されるのね!
もちろん命の恩人ではあるから、寂しさも多少はあるけど、人攫いで遊び人の元近衛騎士とは、本気の恋愛は出来ないの!そして、やっぱり近衛騎士は私には無理!!
私は無意識に涙を流していたようだ。
「マリア?…涙が流れてる。今はつらいだろうけど大丈夫だ!私が側でずっと守るからな。」
お兄様が私を抱き寄せる。…いや、それは必要ないからね。さり気なく、お兄様の胸を押し返す私。
「お兄様、私は大丈夫ですから。それより、この場にいるのはつらいのですが。」
「…そうだな。早く帰ろう。…歩けるか?抱っこで馬車まていくか。」
この年で抱っこはないだろう!恥をかかせる気が!
「…自分で歩けますわ。」
「王太子殿下、色々とご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。今日はこれで失礼させて頂きます。近衛騎士様も、今日はご配慮ありがとうございました。」
「マリア嬢。こんなことがあって、王宮に来るのはつらいかもしれないが、ベスがまた会いたいと言っている。茶会を改めて計画するから、ぜひ来てくれ。気をつけてな。」
王太子殿下は、さっきの恐ろしい表情が嘘のように、優しく声をかけてくれる。多分、可哀想に見える私に気を遣ってくれているのだろう。
殿下と若い近衛騎士が、実は私達兄妹のやり取りを見ていて、笑いを堪えている事に気付かない私達であった。
そしてオスカー様が、私の後ろ姿を、光を無くした目で見つめていたことにも。
マジか!今日でお別れは正解だったわね。
満面の笑みで祝福してやろう。
「まあ!おめでとうございます。でしたら、日陰の身でもないのでしょうから、こんな所で盛ってないで、お身体を大切にして下さいませ。…マーフィー様、父親になるのですから、家族を大切にして下さい。ふふっ。おば様が喜ぶでしょうね。早く結婚してもらって、孫が欲しいと話してましたから。」
おば様、こんな令嬢が嫁って大変そうだけど、頑張って下さい。私は、黙ってオスカー様から去りますから。
「はっ!私との子どもなんて、出来るわけないだろう!変なことを言うな!私はリアと結婚すると決めているし、リアとの子供以外はいらない。」
そこまで言われると…ゾゾー、鳥肌が!
オスカー様は令嬢を睨んでいる。恐らくただの遊びで、特に好きではないんだろうね。扱いが雑だし。でもこれで人攫いオスカー様から逃げられるから、ありがとうね!令嬢さん!
ここで黙っていた、王太子殿下が喋り出す。
「子供が出来たのか?なら、すぐに婚姻の許可を与えてやろう。しかし、職務中にこんなことをしている文官は今すぐクビだ。お前、名前は?」
殿下が怖い!
「…レーネ・ガザフィーです。」
「ガザフィー男爵令嬢か。お前はもう登城しないように。結婚は子どもが生まれる前に、早めにするがよい。マーフィー卿、優秀だと聞いていたから残念だ。こんなに素晴らしい恋人を裏切るなんて。マーフィー卿はしばらく謹慎だ。登城は許可するまでしないでくれ。私の大切な友人を傷つけたのだ!しっかり反省するのだな。」
「私が悪いことは認めますし、反省も謹慎も致します。しかし、子供は私の子供ではありません。避妊薬を私が飲んでいるので、できるはずはないのです。どこの誰の子かも分からない子供を身籠った者との結婚は出来ません。」
男爵令嬢の顔色が更に悪くなる。あー、色んな人と遊んでいるのね。
「それは本当か?では神殿に行き、腹の子を調べれば良い。腹の子がマーフィー卿の子供だと分かれば、王太子命令ですぐに婚姻をしてもらおう。違う男の子供なら、その女が嘘をついているということになるから、王家に嘘をついたという罪になるな。虚偽罪で拘束することになる!」
男爵令嬢は、顔を真っ白にして震えている。
殿下はかなり怒っているようだ。怖すぎる。
「どちらにせよ、マーフィー卿は、もうマリア嬢とは元には戻れないだろう。マリア嬢は、こんな酷い現場を目にしたのだ。マーフィー侯爵夫人には、私から今回のことは報告しておこう。夫人は茶会などで、マリア嬢を自慢していたらしいからな。マーフィー卿がマリア嬢を裏切って選んだ相手が、こんなアバズレだと知ったら悲しむだろうが、しっかりやるように。…じゃあ、私達は行こう。マリア嬢も顔色が悪いから、早く帰って休むといい。エル、お前も一緒に帰っていいからな。」
オスカー様は表情を無くしている。反対に私の心の中は…
ありがとう!!
王太子殿下、ありがとう!上手く収めてくれるなんて!さすが王太子殿下!私はこれで、やっと自由の身。
うっ、うっ…。拐われてから、いやらしいことをされようが、奉仕を求められようが、やりたくもない恋人同士のフリをさせられようが、鳥肌立とうが…、生きる為に沢山我慢してきたけど、これでやっと解放されるのね!
もちろん命の恩人ではあるから、寂しさも多少はあるけど、人攫いで遊び人の元近衛騎士とは、本気の恋愛は出来ないの!そして、やっぱり近衛騎士は私には無理!!
私は無意識に涙を流していたようだ。
「マリア?…涙が流れてる。今はつらいだろうけど大丈夫だ!私が側でずっと守るからな。」
お兄様が私を抱き寄せる。…いや、それは必要ないからね。さり気なく、お兄様の胸を押し返す私。
「お兄様、私は大丈夫ですから。それより、この場にいるのはつらいのですが。」
「…そうだな。早く帰ろう。…歩けるか?抱っこで馬車まていくか。」
この年で抱っこはないだろう!恥をかかせる気が!
「…自分で歩けますわ。」
「王太子殿下、色々とご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。今日はこれで失礼させて頂きます。近衛騎士様も、今日はご配慮ありがとうございました。」
「マリア嬢。こんなことがあって、王宮に来るのはつらいかもしれないが、ベスがまた会いたいと言っている。茶会を改めて計画するから、ぜひ来てくれ。気をつけてな。」
王太子殿下は、さっきの恐ろしい表情が嘘のように、優しく声をかけてくれる。多分、可哀想に見える私に気を遣ってくれているのだろう。
殿下と若い近衛騎士が、実は私達兄妹のやり取りを見ていて、笑いを堪えている事に気付かない私達であった。
そしてオスカー様が、私の後ろ姿を、光を無くした目で見つめていたことにも。
128
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
行動あるのみです!
棗
恋愛
※一部タイトル修正しました。
シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。
自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。
これが実は勘違いだと、シェリは知らない。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう
楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。
目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。
「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」
さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。
アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。
「これは、焼却処分が妥当ですわね」
だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる