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結婚しても苦しむ
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学園を卒業した私は、実家の領地経営を学ぶために王都を離れて、領地で忙しい毎日を過ごしていた。
同級生達は卒業と同時に結婚したり、婚約者がいない者は相手を探すために、夜会などに出て相手探しをしていると聞く。
婚約者のいない私のところにも次期侯爵という肩書きに惹かれるのか、縁談話は沢山きた。しかし、まともな縁談話はほとんどなかった。
身持ちの悪いと評判の令嬢だったり、借金まみれの家門、黒い噂の絶えない家門、かなり年上の令嬢など、そんな縁談話が多いのだ。
学園での私の醜態を知る者は、私を婚約者にはしたいと思わないだろう…。なかなか理想的な令嬢を見つけることは出来なかった。
そんな私に両親が選んだのが、私よりも4つ年上の子爵家の令嬢だった。
数年前に子爵領の川が氾濫し、領地を立て直すために沢山の借金があり、没落しそうな家門らしい。令嬢自身は、社交などはせずに、家のために内職などの仕事をしている、真面目で優しい令嬢だと聞いた。
尻軽女に騙されたことのある私には、そんな真面目な人がいいだろう。私は両親が決めたその令嬢と結婚することに決めた。
彼女はオリビアという名の、ブラウンの髪と瞳を持った落ち着いた雰囲気の令嬢だった。大人しそうだが、私より年上でしっかりして見える。今すぐは無理でも、いつかは愛し会える夫婦になりたいと思った。
両親が早く跡継ぎが欲しいと強く希望し、半年の婚約期間の後、すぐに結婚することになる。
オリビアは、婚約してすぐにうちの邸に住み込んで、母上から侯爵夫人として必要なことを学ぶことになる。真面目な彼女は一生懸命やっていたようだ。
結婚式では、ドレスを着て嬉しそうに微笑むオリビアがいた。
そして初夜を迎える。燃え上がるようなものはないが、優しくしたつもりだった。
オリビアは純潔ではないことを謝ってきた。借金まみれになる前までいた、別の婚約者とそんな仲になっていたと打ち明けられる。真面目だと聞いていたが、彼女にも辛い過去があるのだろうと思い、深く追求しないことにした。
結婚した後は、未来の侯爵夫人として社交をこなさなければならない。しかし、元々は貧しい田舎の子爵令嬢で大人しい性格のオリビアにとっては、王都での社交はなかなか馴染めなかったようである。
ある日、お茶会から帰って来たオリビアが塞ぎ込んでいるとメイドから知らされる。
付き添ったメイドから話を聞くと、私の学園時代を知る夫人達が、私の過去の話を面白おかしく話したらしい。尻軽に騙されて、素敵な婚約者を手放したご主人だから、女関係には注意した方がいいと言われたこと。田舎の貧乏子爵令嬢だった貴女が、侯爵夫人になれたのは、ご主人にそんな過去があるからだと。
許せないと思った。私のことを言うのは構わないが、そのことに関係のないオリビアに、面白おかしく言って苦しめるとは…。
オリビアにそんなことを言った夫人達を調べて、抗議することにした。しかし、身分にあまり差がない夫人達であったために、あまり効果はなさそうだった。ただの噂話を教えてあげただけだと上手く逃げられてしまう。
結局、オリビア自身が強くなって言い負かすくらいにならないとダメなのだ。オリビアには、女狐達に負けないで欲しいと思う。
あの婚約解消からしばらく経つのに、あの時の愚かな行動で、関係のない妻が苦しめられるとは思ってもみなかった。
同級生達は卒業と同時に結婚したり、婚約者がいない者は相手を探すために、夜会などに出て相手探しをしていると聞く。
婚約者のいない私のところにも次期侯爵という肩書きに惹かれるのか、縁談話は沢山きた。しかし、まともな縁談話はほとんどなかった。
身持ちの悪いと評判の令嬢だったり、借金まみれの家門、黒い噂の絶えない家門、かなり年上の令嬢など、そんな縁談話が多いのだ。
学園での私の醜態を知る者は、私を婚約者にはしたいと思わないだろう…。なかなか理想的な令嬢を見つけることは出来なかった。
そんな私に両親が選んだのが、私よりも4つ年上の子爵家の令嬢だった。
数年前に子爵領の川が氾濫し、領地を立て直すために沢山の借金があり、没落しそうな家門らしい。令嬢自身は、社交などはせずに、家のために内職などの仕事をしている、真面目で優しい令嬢だと聞いた。
尻軽女に騙されたことのある私には、そんな真面目な人がいいだろう。私は両親が決めたその令嬢と結婚することに決めた。
彼女はオリビアという名の、ブラウンの髪と瞳を持った落ち着いた雰囲気の令嬢だった。大人しそうだが、私より年上でしっかりして見える。今すぐは無理でも、いつかは愛し会える夫婦になりたいと思った。
両親が早く跡継ぎが欲しいと強く希望し、半年の婚約期間の後、すぐに結婚することになる。
オリビアは、婚約してすぐにうちの邸に住み込んで、母上から侯爵夫人として必要なことを学ぶことになる。真面目な彼女は一生懸命やっていたようだ。
結婚式では、ドレスを着て嬉しそうに微笑むオリビアがいた。
そして初夜を迎える。燃え上がるようなものはないが、優しくしたつもりだった。
オリビアは純潔ではないことを謝ってきた。借金まみれになる前までいた、別の婚約者とそんな仲になっていたと打ち明けられる。真面目だと聞いていたが、彼女にも辛い過去があるのだろうと思い、深く追求しないことにした。
結婚した後は、未来の侯爵夫人として社交をこなさなければならない。しかし、元々は貧しい田舎の子爵令嬢で大人しい性格のオリビアにとっては、王都での社交はなかなか馴染めなかったようである。
ある日、お茶会から帰って来たオリビアが塞ぎ込んでいるとメイドから知らされる。
付き添ったメイドから話を聞くと、私の学園時代を知る夫人達が、私の過去の話を面白おかしく話したらしい。尻軽に騙されて、素敵な婚約者を手放したご主人だから、女関係には注意した方がいいと言われたこと。田舎の貧乏子爵令嬢だった貴女が、侯爵夫人になれたのは、ご主人にそんな過去があるからだと。
許せないと思った。私のことを言うのは構わないが、そのことに関係のないオリビアに、面白おかしく言って苦しめるとは…。
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結局、オリビア自身が強くなって言い負かすくらいにならないとダメなのだ。オリビアには、女狐達に負けないで欲しいと思う。
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