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ぶっ飛ばしたいほど尊い推し(6)
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成瀬さんの言葉に、私は首を大きく縦に振った。
強火影山担の私は、蓮の多くを知っているつもりになっていたが、その実、彼のプライベートについては何1つ知らない。蓮のプライベートは、私の知らない世界。
……蓮のことを全て知ってるつもりになっていたけど、私、本当は何も知らないんだ。
そんな私の気持ちを見透かしたかのように、成瀬さんは苦笑いを浮かべる。
「こいつ、酔うとタバコ吸うんだよ。でも、外では酒もタバコもしない。ファンのイメージを壊さない為に。完璧に猫かぶってるの。まぁ、よく言えば、根っからの熱血優等生アイドルなんだよな」
成瀬さんのその言葉に、蓮がふんと鼻を鳴らした。
「お前、余計なこと言い過ぎ」
蓮はタバコを灰皿に押し付けて、火を消した。そして、私に向かって少しバツの悪そうな顔を向ける。
「悪いな。イメージ壊しちゃって」
……あぁ、その顔も私の知らない顔だ。いつも見るのは、自信満々な不敵な笑みか、キラキラのアイドルスマイルか。こんな不貞腐れたような蓮の顔、私は知らない。これが素の影山蓮なんだ。
私は、蓮の言葉にフルフルと頭を左右に振った。せっかく推しが目の前に居るのに、それしか意思表示ができないなんて私って、本当にポンコツだ。
何か言わなくちゃ。何か、話題を振らなくちゃ。
焦りのあまり更に言葉が出てこない私を見て、蓮は少し寂しそうに笑った。
「やっぱ、イメージ悪いよな。幻滅させてごめんな」
蓮の言葉に、ようやく私の口から言葉が出た。
「違うの! そうじゃないっ!! 幻滅なんてしてないから」
思ったよりも大きな声に、蓮も成瀬さんもきょとんとしている。私だって、自分でびっくりした。慌てて口を押さえる。
どうしよう、私……。テンパりすぎだ! 穴があったら入りたい!!
恥ずかしさで、思わず俯く。すると、クスクスと笑い声が聞こえてきた。顔を上げると、成瀬さんが面白そうに笑っている。
「やっと、いつもの石川さんだ」
成瀬さんのほんわか笑顔につられて、私もへにゃりと顔が緩んでしまう。そんな私を見て、成瀬さんがまた笑った。そして、蓮の背中をバンッと叩く。
「石川さんは、ヘタレなお前でもきっと幻滅したりしないぞ。お前、自分のファンをもっとちゃんと信じろよ」
蓮は成瀬さんを無言で睨む。その視線は苛立ちを含んでいるようだ。蓮の周りだけピンと空気が張り詰めている。今にも成瀬さんに食ってかかりそう。だが、蓮は反発するでもなくただ黙っている。
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……蓮のことを全て知ってるつもりになっていたけど、私、本当は何も知らないんだ。
そんな私の気持ちを見透かしたかのように、成瀬さんは苦笑いを浮かべる。
「こいつ、酔うとタバコ吸うんだよ。でも、外では酒もタバコもしない。ファンのイメージを壊さない為に。完璧に猫かぶってるの。まぁ、よく言えば、根っからの熱血優等生アイドルなんだよな」
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「お前、余計なこと言い過ぎ」
蓮はタバコを灰皿に押し付けて、火を消した。そして、私に向かって少しバツの悪そうな顔を向ける。
「悪いな。イメージ壊しちゃって」
……あぁ、その顔も私の知らない顔だ。いつも見るのは、自信満々な不敵な笑みか、キラキラのアイドルスマイルか。こんな不貞腐れたような蓮の顔、私は知らない。これが素の影山蓮なんだ。
私は、蓮の言葉にフルフルと頭を左右に振った。せっかく推しが目の前に居るのに、それしか意思表示ができないなんて私って、本当にポンコツだ。
何か言わなくちゃ。何か、話題を振らなくちゃ。
焦りのあまり更に言葉が出てこない私を見て、蓮は少し寂しそうに笑った。
「やっぱ、イメージ悪いよな。幻滅させてごめんな」
蓮の言葉に、ようやく私の口から言葉が出た。
「違うの! そうじゃないっ!! 幻滅なんてしてないから」
思ったよりも大きな声に、蓮も成瀬さんもきょとんとしている。私だって、自分でびっくりした。慌てて口を押さえる。
どうしよう、私……。テンパりすぎだ! 穴があったら入りたい!!
恥ずかしさで、思わず俯く。すると、クスクスと笑い声が聞こえてきた。顔を上げると、成瀬さんが面白そうに笑っている。
「やっと、いつもの石川さんだ」
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「石川さんは、ヘタレなお前でもきっと幻滅したりしないぞ。お前、自分のファンをもっとちゃんと信じろよ」
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