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ぶっ飛ばしたいほど尊い推し(13)
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私なんかが何を言っても、意味のないことなのかもしれない。だけど、どうしても黙っていられなかった。言いたいことはまだまだある。私はそのままの勢いで続けた。
「みんなの頑張りを事務所の都合で踏み躙られるなんて、絶対許せない。樹の名前が予定通り売れたから、それでScorpioを解散させる? そんなの間違ってるわ!」
しばらくの沈黙の後、呆れたように蓮が口を開いた。
「そんなこと言ったって、事務所が決めたことだ。どうしようもない」
その顔には悔恨の色が広がっている。私が今口にしたことなど、蓮だって既に何度となく思ったに違いない。彼もきっとこれまで様々な葛藤があったのだろう。その暗く沈んだ表情はどこか諦めているように見える。
「明日の配信で、樹が海外の事務所とプロモーション契約をして活動拠点を向こうに移すこと、それに伴うScorpioの無期限活動休止が発表される。活動休止と言うけれど、事実上の解散だ。樹なしでは、グループ活動を続けても意味がないという事務所の判断。もう、俺たちにはどうすることもできないんだよ」
蓮は淡々と告げる。その口調には諦めが滲み出ていた。
私は言葉を失う。Scorpioの解散をこんな形で知ることになるなんて……。
推したちの苦渋に満ちた表情を見ていられずに、私は俯いたまま唇を噛むしかなかった。
Scorpioが、蓮たちがそんな扱いを受けていたなんて思わなかった。でも……これが現実なんだ。
事務所の思惑に翻弄されるアイドルたち。そんな残酷な現実に、私は息をするのも忘れてしまう。何か言わなければ。そう思うのに、気ばかりが焦って何も言葉にならない。
やっと絞り出した私の声は情けなく震えていた。
「蓮はいつ、このことを知ったの?」
私の問いに応えるように蓮は小さく溜め息をついた。
「半年くらい前」
そんな短い答えを補うように、成瀬さんが話し始めた。
「俺と石川さんが初めて話をした日のこと、覚えてる?」
私は成瀬さんを見つめた。
どうして今そんな話をするんだろう。
成瀬さんの意図が掴めないながらも、私は小さく頷いた。
「ライブの当落発表の日ですよね」
「そう。あの日、電話があったでしょ? 相手は、こいつ。樹の脱退を知った蓮が、最後のライブになるなら同期三人でステージに立ちたいって連絡してきたんだ」
「同期……」
「いつか三人でライブステージに立つ。それが俺たちの初めての約束だったから」
ベランダに夜風が吹き抜けた。
「みんなの頑張りを事務所の都合で踏み躙られるなんて、絶対許せない。樹の名前が予定通り売れたから、それでScorpioを解散させる? そんなの間違ってるわ!」
しばらくの沈黙の後、呆れたように蓮が口を開いた。
「そんなこと言ったって、事務所が決めたことだ。どうしようもない」
その顔には悔恨の色が広がっている。私が今口にしたことなど、蓮だって既に何度となく思ったに違いない。彼もきっとこれまで様々な葛藤があったのだろう。その暗く沈んだ表情はどこか諦めているように見える。
「明日の配信で、樹が海外の事務所とプロモーション契約をして活動拠点を向こうに移すこと、それに伴うScorpioの無期限活動休止が発表される。活動休止と言うけれど、事実上の解散だ。樹なしでは、グループ活動を続けても意味がないという事務所の判断。もう、俺たちにはどうすることもできないんだよ」
蓮は淡々と告げる。その口調には諦めが滲み出ていた。
私は言葉を失う。Scorpioの解散をこんな形で知ることになるなんて……。
推したちの苦渋に満ちた表情を見ていられずに、私は俯いたまま唇を噛むしかなかった。
Scorpioが、蓮たちがそんな扱いを受けていたなんて思わなかった。でも……これが現実なんだ。
事務所の思惑に翻弄されるアイドルたち。そんな残酷な現実に、私は息をするのも忘れてしまう。何か言わなければ。そう思うのに、気ばかりが焦って何も言葉にならない。
やっと絞り出した私の声は情けなく震えていた。
「蓮はいつ、このことを知ったの?」
私の問いに応えるように蓮は小さく溜め息をついた。
「半年くらい前」
そんな短い答えを補うように、成瀬さんが話し始めた。
「俺と石川さんが初めて話をした日のこと、覚えてる?」
私は成瀬さんを見つめた。
どうして今そんな話をするんだろう。
成瀬さんの意図が掴めないながらも、私は小さく頷いた。
「ライブの当落発表の日ですよね」
「そう。あの日、電話があったでしょ? 相手は、こいつ。樹の脱退を知った蓮が、最後のライブになるなら同期三人でステージに立ちたいって連絡してきたんだ」
「同期……」
「いつか三人でライブステージに立つ。それが俺たちの初めての約束だったから」
ベランダに夜風が吹き抜けた。
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