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5.南海の秘宝
64.帰国……その前に
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停泊中に個人的な理由によって、指定の宿を変更したり、飲食費が余りにも過大な請求書は全て各班長に差し戻し処理にします。ほとんどの乗組員は、節度を守っていたようですが、一部ではハメを外した方もいたようですね。
各科で多かれ少なかれ異常な支出が見られましたので、多い科では10件余り、少ない科でも1件は差戻しが発生しています。航海科と衛生科は、娼館を利用した訳ではないので、イリスさんやユイが見ても困る事はないでしょう。
ワイアットの飛行科とリアンの機関科は問題が多いので、差戻されて班長の決裁を受けると困る人がいるかもしれませんが、知った事ではありません。
あぁ、現在この地域に発生している伝染病や風土病などは、衛生科に確認してもらって、病気に感染していない事を確認してもらいましょう。伝染するような病気に感染していたら、即時に隔離病室に入ってもらうか、最悪アレキサンドリアに転送で強制送還しないとダメですね。
衛生科からの問い合わせでは、アルムニュール国で特に発生している風土病などは無いらしいのですが、熱帯地方ですのでマラリアなどの危険は無いとは言えません。
マラリアは発熱が伴うはずなので、艦内モニターで高体温の人のモニターを行うと同時に、発熱した人は衛生科で監視してもらいましょう。
ほんとは入港する前に注意しておきたかったのですが、昏睡状況だったので注意することができなかったのは大きいですね。
お昼前辺りから、順次帰艦する人が出てきましたので、艦内の食堂で復職したことを伝えます。その後、班単位で衛生科による検診を行ってもらい、艦内の体制も通常体制にもどします。
快気祝いはしないのかと一部に聞かれましたが、ついこの間戦勝パーティーをしたばかりで、その他にもトータルで72時間は自由時間が与えられていたはずですので、無しと伝えます。その後、士官だけのミーティングでは、人魚族との残りの契約が、海賊船20隻以上の討伐だと知らされます。
「そちらは期限が設けられているわけではないので、さほど慌てなくてもよいでしょう」
オスカー副長はそう言ってくれますが、自分の不始末を他人にしてもらうのは気が進みません。しばらく考えた後、良案らしきものが浮かびましたので、他の士官の意見を確認しました。
みなさん呆れはしましたが、早々に厄介事の解決を図れる事もあり、賛成していただきました。では、あとは仕掛けと準備をしないといけませんね。
*****
翌日久しぶりにDM2で人魚の島と、テネリの議会を訪問して、寄港させて頂いたお礼と、あるお願いをしました。お願いの方は、みなさん疑問に思われたようですが、快く了承して頂いたので、その日からテネリ沖の海上できっちり訓練を行いました。
訓練は、オスカー副長にみっちりと鍛えてもらったので、往路のような恥はさらさずに済みそうです。
その後、再度テネリへ寄港して食料などを購入し、アレキサンドリアへの帰港準備を開始します。幸い訓練中に発熱した人もいないようなので、マラリアなどにかかった人はいないでしょうから、翌朝8時をもってアレキサンドリアへの帰港の途につくことを発表しました。
「本当にくるのでしょうか?」
ユイは多少不安そうにいいますが、かなりの確率で、海賊さん達は来襲すると思いますよ。
僕の案は、テネリの人々や人魚族にお願いして、ある噂を広めてもらう事でした。その噂というのは、
「『蒼海の宝珠』を、人魚族はアレキサンドリアの海軍に保管を依頼し、白い大型船に運び込んだ。白い大型船は、訓練を装い、人魚族から秘宝を預かり、間もなく帰港しようとしている」
というものです。しかも、『10隻の海賊船を撃退したが、白い船にも損害はでており、それを知られない為にも訓練を偽装するだろう』というオマケつきです。正直海賊にとってはおいしい噂ですが、べつにこの話を警戒して、襲ってこなければそれはそれで助かりますしね。夜には、こっそりと人魚族の『長』と護衛の方にも、後部のゲートから乗艦してもらっています。これは当然海賊側に、噂が真実であると勘違いさせる事と、約束を履行したことを確認してもらう為です。
そして、テネリを出港して1日が過ぎた頃、予定どおり海賊が接近してきたのでした。接近しているのは知っていましたが、監視員の仕事ですからね。彼らが発見するまで、僕は何も言いません。
既に、この日の事も事前に相談済みですので、僕とオスカー副長は、艦にダメージが入りそうな場合を除いて、他の士官に任せる事にします。
「10時の方向に、船影確認。その数10」
見張り員からの報告に、砲雷長がこちらをちらりとみて、オスカー副長がうなづくのを確認すると、艦内に哨戒配備を告げます。
「総員、第一哨戒配備につけ~」
「復唱、全艦第一哨戒配備後、そのまま待機」
『全艦第一哨戒配備についてください。今後の接敵が予想されますので、持ち場にてそのまま待機願います』
ユイの艦内放送で、艦内が緊張状態に入るのが分かります。
「航空隊、1番機、2番機発艦準備よし。大型飛空艇、直上警戒の為離艦します。高速動力艇及び潜水艇は離艦準備急げ。接敵30分前にて離艦を開始し、本艦前後左右500mに展開、待機せよ」
航空指令は、飛空艇による攻撃だけではなく哨戒にも割り当てましたね。今回は動力艇も潜水艇も最初から投入するようです。
「では、今回の作成について、艦長と副長にご説明します」
艦橋中央部の海図を示しながら、砲雷長と航空指令のワイアットが作戦を説明しはじめます。前回のようにスタンドプレイには走らないようですね。
「現在、10時方向の敵船団と、毎時16ノットで接近中です。船団と交戦距離に入るまで30分余りと推定します。海賊と思われる船団は、風上を押さえており、一般的な戦力差から、このまま交戦に入ると予想されます」
砲雷長の説明に、航空指令も航海長もうなづいています。参謀長も兼任してくれるようですね。
「そこで、本艦はこのままの速度で北西に進み、敵の砲撃開始と共に風上に転舵。敵船団と距離をとりつつ、航空攻撃と動力艇などにより殲滅戦を実施します。
また、飛空艇1番、2番機には動力艇の予備部品から、105mm魔導砲を装備済みであり、投弾後はこれにより十分な距離をとって魔導砲攻撃に移り、船団の殲滅を狙います」
ふむぅ、前回に比べるとだいぶ考慮されているように思えます。オスカー副長は何も言いそうもありませんので、僕がここで口を挟みます。
「現状の戦術で問題は無いように思います。しかし、想定よりも敵船団の数が少ないように思います。こちらよりも多くの戦力を持った敵ですし、こちらが前回10隻の海賊船と渡り合ったことを想定すると、恐らく挟撃を狙ってくる可能性を考慮して、常に警戒を怠らないでください」
僕の推定では、大きく回り込んでくるでしょうね。海賊側に余裕はあるでしょうから、2分してくるか、3分してくるかは不明です。
「了解しました。上空監視の大型飛行艇に、常に監視、報告させることにします」
オスカー副長を見てみると、満足そうにうなづいていますね。
「失礼ですが、クロエ艦長殿には操艦補助と艦体防御をお願いします。あと……被害体感システムの運用は「止めないよ!」……」
あぁ、イリスさんとユイが呆れていますね。まあ、前回は僕にも油断があったのは事実です。
「前回の様に、艦よりも先に倒れるような事はしないと約束します。でも、この大海原の中で皆さんと共に沈むという選択をしない為にも、被害体感システムの運用は止めるわけにはいきません。まあ、帰国後にそこは改修しますので、今回は諦めてください。
さぁ、そろそろ開戦の時間ですよ。皆さんの訓練の成果を、しっかり発揮してください」
さぁ、三度目の海賊退治。いきますよっ!
各科で多かれ少なかれ異常な支出が見られましたので、多い科では10件余り、少ない科でも1件は差戻しが発生しています。航海科と衛生科は、娼館を利用した訳ではないので、イリスさんやユイが見ても困る事はないでしょう。
ワイアットの飛行科とリアンの機関科は問題が多いので、差戻されて班長の決裁を受けると困る人がいるかもしれませんが、知った事ではありません。
あぁ、現在この地域に発生している伝染病や風土病などは、衛生科に確認してもらって、病気に感染していない事を確認してもらいましょう。伝染するような病気に感染していたら、即時に隔離病室に入ってもらうか、最悪アレキサンドリアに転送で強制送還しないとダメですね。
衛生科からの問い合わせでは、アルムニュール国で特に発生している風土病などは無いらしいのですが、熱帯地方ですのでマラリアなどの危険は無いとは言えません。
マラリアは発熱が伴うはずなので、艦内モニターで高体温の人のモニターを行うと同時に、発熱した人は衛生科で監視してもらいましょう。
ほんとは入港する前に注意しておきたかったのですが、昏睡状況だったので注意することができなかったのは大きいですね。
お昼前辺りから、順次帰艦する人が出てきましたので、艦内の食堂で復職したことを伝えます。その後、班単位で衛生科による検診を行ってもらい、艦内の体制も通常体制にもどします。
快気祝いはしないのかと一部に聞かれましたが、ついこの間戦勝パーティーをしたばかりで、その他にもトータルで72時間は自由時間が与えられていたはずですので、無しと伝えます。その後、士官だけのミーティングでは、人魚族との残りの契約が、海賊船20隻以上の討伐だと知らされます。
「そちらは期限が設けられているわけではないので、さほど慌てなくてもよいでしょう」
オスカー副長はそう言ってくれますが、自分の不始末を他人にしてもらうのは気が進みません。しばらく考えた後、良案らしきものが浮かびましたので、他の士官の意見を確認しました。
みなさん呆れはしましたが、早々に厄介事の解決を図れる事もあり、賛成していただきました。では、あとは仕掛けと準備をしないといけませんね。
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翌日久しぶりにDM2で人魚の島と、テネリの議会を訪問して、寄港させて頂いたお礼と、あるお願いをしました。お願いの方は、みなさん疑問に思われたようですが、快く了承して頂いたので、その日からテネリ沖の海上できっちり訓練を行いました。
訓練は、オスカー副長にみっちりと鍛えてもらったので、往路のような恥はさらさずに済みそうです。
その後、再度テネリへ寄港して食料などを購入し、アレキサンドリアへの帰港準備を開始します。幸い訓練中に発熱した人もいないようなので、マラリアなどにかかった人はいないでしょうから、翌朝8時をもってアレキサンドリアへの帰港の途につくことを発表しました。
「本当にくるのでしょうか?」
ユイは多少不安そうにいいますが、かなりの確率で、海賊さん達は来襲すると思いますよ。
僕の案は、テネリの人々や人魚族にお願いして、ある噂を広めてもらう事でした。その噂というのは、
「『蒼海の宝珠』を、人魚族はアレキサンドリアの海軍に保管を依頼し、白い大型船に運び込んだ。白い大型船は、訓練を装い、人魚族から秘宝を預かり、間もなく帰港しようとしている」
というものです。しかも、『10隻の海賊船を撃退したが、白い船にも損害はでており、それを知られない為にも訓練を偽装するだろう』というオマケつきです。正直海賊にとってはおいしい噂ですが、べつにこの話を警戒して、襲ってこなければそれはそれで助かりますしね。夜には、こっそりと人魚族の『長』と護衛の方にも、後部のゲートから乗艦してもらっています。これは当然海賊側に、噂が真実であると勘違いさせる事と、約束を履行したことを確認してもらう為です。
そして、テネリを出港して1日が過ぎた頃、予定どおり海賊が接近してきたのでした。接近しているのは知っていましたが、監視員の仕事ですからね。彼らが発見するまで、僕は何も言いません。
既に、この日の事も事前に相談済みですので、僕とオスカー副長は、艦にダメージが入りそうな場合を除いて、他の士官に任せる事にします。
「10時の方向に、船影確認。その数10」
見張り員からの報告に、砲雷長がこちらをちらりとみて、オスカー副長がうなづくのを確認すると、艦内に哨戒配備を告げます。
「総員、第一哨戒配備につけ~」
「復唱、全艦第一哨戒配備後、そのまま待機」
『全艦第一哨戒配備についてください。今後の接敵が予想されますので、持ち場にてそのまま待機願います』
ユイの艦内放送で、艦内が緊張状態に入るのが分かります。
「航空隊、1番機、2番機発艦準備よし。大型飛空艇、直上警戒の為離艦します。高速動力艇及び潜水艇は離艦準備急げ。接敵30分前にて離艦を開始し、本艦前後左右500mに展開、待機せよ」
航空指令は、飛空艇による攻撃だけではなく哨戒にも割り当てましたね。今回は動力艇も潜水艇も最初から投入するようです。
「では、今回の作成について、艦長と副長にご説明します」
艦橋中央部の海図を示しながら、砲雷長と航空指令のワイアットが作戦を説明しはじめます。前回のようにスタンドプレイには走らないようですね。
「現在、10時方向の敵船団と、毎時16ノットで接近中です。船団と交戦距離に入るまで30分余りと推定します。海賊と思われる船団は、風上を押さえており、一般的な戦力差から、このまま交戦に入ると予想されます」
砲雷長の説明に、航空指令も航海長もうなづいています。参謀長も兼任してくれるようですね。
「そこで、本艦はこのままの速度で北西に進み、敵の砲撃開始と共に風上に転舵。敵船団と距離をとりつつ、航空攻撃と動力艇などにより殲滅戦を実施します。
また、飛空艇1番、2番機には動力艇の予備部品から、105mm魔導砲を装備済みであり、投弾後はこれにより十分な距離をとって魔導砲攻撃に移り、船団の殲滅を狙います」
ふむぅ、前回に比べるとだいぶ考慮されているように思えます。オスカー副長は何も言いそうもありませんので、僕がここで口を挟みます。
「現状の戦術で問題は無いように思います。しかし、想定よりも敵船団の数が少ないように思います。こちらよりも多くの戦力を持った敵ですし、こちらが前回10隻の海賊船と渡り合ったことを想定すると、恐らく挟撃を狙ってくる可能性を考慮して、常に警戒を怠らないでください」
僕の推定では、大きく回り込んでくるでしょうね。海賊側に余裕はあるでしょうから、2分してくるか、3分してくるかは不明です。
「了解しました。上空監視の大型飛行艇に、常に監視、報告させることにします」
オスカー副長を見てみると、満足そうにうなづいていますね。
「失礼ですが、クロエ艦長殿には操艦補助と艦体防御をお願いします。あと……被害体感システムの運用は「止めないよ!」……」
あぁ、イリスさんとユイが呆れていますね。まあ、前回は僕にも油断があったのは事実です。
「前回の様に、艦よりも先に倒れるような事はしないと約束します。でも、この大海原の中で皆さんと共に沈むという選択をしない為にも、被害体感システムの運用は止めるわけにはいきません。まあ、帰国後にそこは改修しますので、今回は諦めてください。
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