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翔が書いた物語
第6話:拒絶される色
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ラーナ神殿と呼ばれる、白亜の建物。
見張りの塔から目をこらしていた若い男が、何かに気付くと大慌てで建物の中に駆け込んだ。
「緑の賢者様が帰られたぞ!」
神殿の中にいた人々が、次々に建物の前の広場に出てくる。
周辺にある畑の手入れをしていた人々も、バラバラと駆け寄って来た。
陽光を受けて、様々な色に輝く髪。
彼等は、彫りの深い顔と白人よりも白い肌、宝石のように美しい髪や瞳をもっていた。
「若長の転生者が見つかったのですか?」
空から降りて来る者たちを見て、期待に瞳を輝かせて駆け寄って来る人々。
けれど地面に降り立つ1人、リオの髪の色に気付いた途端、人々は凍りついた様に立ち止まった。
「エレアヌ様、その少年は……!」
彼等の顔はサッと青ざめ、悲鳴を上げる女性すらもいる。
「闇色の髪と瞳! 何故そんな魔物を連れて来たのですか?!」
(……またかよ……)
シアルを抱えたまま、リオはフーッと溜め息をついた。
ここまで運ばれてくる間に、エレアヌから白き民が黒を嫌う事や、このエルティシアの人間はみな色素の薄い肌に鮮やかな色彩の髪と瞳をしていて、黒色人種や黄色人種のように黒い肌や髪や瞳をもつ者は存在しない事を聞かされた。
けれど、さすがに化け物でも見るような目を向けられては嫌になる。
幸い、彼等はシアルのように攻撃してくる事は無かったが、引き吊った顔でジリジリと後退してゆく。
「彼は魔物ではありません。異なる世界から来た、リュシア様の生まれ変わりです」
エレアヌが穏やかな口調で諭したが、人々の目から怯えの色は消えなかった。
「その証はあるのですか?」
サファイアブルーの髪をした若者が、皆の間から進み出てきて言う。
「その少年がリュシア様の魂を宿しているという、確かな証拠が無ければ、私たちは納得出来ません」
「証拠なら……そこにいるテイト」
それに対し、エレアヌは若者の背後にいる琥珀色の髪の男に問いかける。
「今日の見張り番は貴方でしたね?」
「は……はい……」
テイトと呼ばれた若い男は、少し震える声で答えた。
彼は空を飛んで来たエレアヌ達を最初に見つけ、皆に知らせた者である。
「貴方は見たでしょう、風の妖精に運ばれる私達を……」
「は、はい。見ました」
淡い緑の宝石に似た瞳に見つめられ、男はおずおずと首を縦に振った。
「世界の大半が闇に染まって以来、妖精達の心は人から離れていましたね? 彼等に友と認められ、力を貸してもらえるのはリュシア様だけだという事は、皆も知っているでしょう?」
エレアヌは人々の目から目へ、視線を巡らせる。
「確かに、風の妖精達に運ばれたのが本当なら、その少年は転生者かもしれません。しかし、魔物は幻術で人を惑わすといいます。エレアヌ様やテイトが、その幻術に騙されていないと言い切れますか?」
反論したのは、青い髪の若者。
「もしそうなら、今頃ここにいる皆も幻術にかかり、彼がリュシア様の生まれ変わりだと思わされていますよ」
そう言って、エレアヌは微笑んだ。
見張りの塔から目をこらしていた若い男が、何かに気付くと大慌てで建物の中に駆け込んだ。
「緑の賢者様が帰られたぞ!」
神殿の中にいた人々が、次々に建物の前の広場に出てくる。
周辺にある畑の手入れをしていた人々も、バラバラと駆け寄って来た。
陽光を受けて、様々な色に輝く髪。
彼等は、彫りの深い顔と白人よりも白い肌、宝石のように美しい髪や瞳をもっていた。
「若長の転生者が見つかったのですか?」
空から降りて来る者たちを見て、期待に瞳を輝かせて駆け寄って来る人々。
けれど地面に降り立つ1人、リオの髪の色に気付いた途端、人々は凍りついた様に立ち止まった。
「エレアヌ様、その少年は……!」
彼等の顔はサッと青ざめ、悲鳴を上げる女性すらもいる。
「闇色の髪と瞳! 何故そんな魔物を連れて来たのですか?!」
(……またかよ……)
シアルを抱えたまま、リオはフーッと溜め息をついた。
ここまで運ばれてくる間に、エレアヌから白き民が黒を嫌う事や、このエルティシアの人間はみな色素の薄い肌に鮮やかな色彩の髪と瞳をしていて、黒色人種や黄色人種のように黒い肌や髪や瞳をもつ者は存在しない事を聞かされた。
けれど、さすがに化け物でも見るような目を向けられては嫌になる。
幸い、彼等はシアルのように攻撃してくる事は無かったが、引き吊った顔でジリジリと後退してゆく。
「彼は魔物ではありません。異なる世界から来た、リュシア様の生まれ変わりです」
エレアヌが穏やかな口調で諭したが、人々の目から怯えの色は消えなかった。
「その証はあるのですか?」
サファイアブルーの髪をした若者が、皆の間から進み出てきて言う。
「その少年がリュシア様の魂を宿しているという、確かな証拠が無ければ、私たちは納得出来ません」
「証拠なら……そこにいるテイト」
それに対し、エレアヌは若者の背後にいる琥珀色の髪の男に問いかける。
「今日の見張り番は貴方でしたね?」
「は……はい……」
テイトと呼ばれた若い男は、少し震える声で答えた。
彼は空を飛んで来たエレアヌ達を最初に見つけ、皆に知らせた者である。
「貴方は見たでしょう、風の妖精に運ばれる私達を……」
「は、はい。見ました」
淡い緑の宝石に似た瞳に見つめられ、男はおずおずと首を縦に振った。
「世界の大半が闇に染まって以来、妖精達の心は人から離れていましたね? 彼等に友と認められ、力を貸してもらえるのはリュシア様だけだという事は、皆も知っているでしょう?」
エレアヌは人々の目から目へ、視線を巡らせる。
「確かに、風の妖精達に運ばれたのが本当なら、その少年は転生者かもしれません。しかし、魔物は幻術で人を惑わすといいます。エレアヌ様やテイトが、その幻術に騙されていないと言い切れますか?」
反論したのは、青い髪の若者。
「もしそうなら、今頃ここにいる皆も幻術にかかり、彼がリュシア様の生まれ変わりだと思わされていますよ」
そう言って、エレアヌは微笑んだ。
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