最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし

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夏休み

動けない

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 「・・・・・・」

 「スゥ・・・スゥ・・・」

 「クー・・・・・・」


 朝一現在、どうしてこうなっているという状態になっている。
 確かに今日は良く眠れてしまっていた。恐らく爆睡というやつだろう。
 とは言っても、一応殺気や敵意があれば体が勝手に反応して意識が覚醒するよう仕込まれているわけだが。
 しかしそれ以外であれば?

 右にメア、左にヘレナがそれぞれ俺の方を向いて寝息を立て、二人共俺の腕を枕にして眠っていた。
 俺は寝相はそんなに悪くないと自負しているから、この腕は無理矢理持っていったのだろうが・・・そこまでされても眠ってだという事になる。
 それだけ深く眠ってしまっていたのかと、少し落ち込む。
 使っているベッドはキングサイズだから、俺に加え二人寝たとしても広さ的には問題ない。

 いや、正確にはか。

 視線を下に移すと、俺が被ってる布団が不自然に膨らんでいる。
 そこから寝息も聞こえ、それに合わせて膨らんだり萎んだりしている。
 恐らくこの屋敷の中にいる誰かではあるんだが、確認しようにも両腕が枕にされて使えない。
 ただなんとなくこの感覚に覚えがある。
 頭があるだろう胸の辺りにスリスリと擦り付けられ、足には足っぽいものが絡められているように感じる。
 これが俺の予想通りであればミーナだ。
 こんな密着して擦り付けてくる猫みたいな奴なんてミーナくらいなのだから。
 他に身体的可能性があるとしたらラピィか、ランカか、ノクトだが・・・寝ぼけて入って来ない限り、この三人はないだろう。
 精霊たちは普段、俺の体の中にいるし。
 試しに呼び掛けてみる事にした。


 「ミーナ?」

 「ん・・・」


 聞き覚えのある呻きと共に、布団の膨らみがもぞりと動いた。
 やはりミーナだった。
 そして再び寝息。起きる事はなかった。


 「・・・しょーがないか」


 無理に起こす必要もないので放っておく事にし、俺ももう少し眠る事にした。


 ーーーー


 再び目が覚めると、横でメアがジッと俺の顔を凝視していた。(他二名は未だ目を覚まさず)


 「おはよ、アヤト」


 小さい声でそう呟いて、詫びれる悪びれる様子もなく微笑む。


 「おう、おはよう。それで、この状況を説明してくれるんだろうな?」


 特に責めるつもりはないので、軽い感じに問い掛ける。
 するとメアは更に擦り寄り、密着して来た。
 近過ぎて耳にメアの息が当たってくすぐったい。


 「ヘレナっちに誘われたんだよ。アヤトの寝込み襲いに行こうって」


 スッと視線を左に移し、ヘレナを見て溜息が出る。

 何考えてやがるんだ、コイツは?
 っていつもの事か・・・。


 「そん時にいたのが俺とミーナで、実際来てみたらアヤトが気持ち良さそうに寝てたから添い寝したってわけだ」


 そう言って「にひひ」とイタズラな笑みを浮かべるメア。


 「まぁ、ヘレナの奇行はいつもの事だとして。お前やミーナが来るなんて珍しいな」


 しかもこんな時に限って。


 「ま、まぁ、そりゃあ俺だって好きな奴と一緒に寝たいって思うしさ・・・それにミーナだって・・・」

 「ミーナも・・・?」

 「ああいや、こういうのは本人から言った方がいいよな・・・。ま、それはともかく、今度からこうやって俺も寝に来ていいか?」

 「いや、「俺も」って言ってるが、そもそもヘレナをいつもここで寝かせてるわけじゃないからな?むしろいつも追い出してるんだが・・・今日は深めに寝ちまったから気が付かなかっただけだし、許可した覚えはない」

 「それじゃあ・・・ダメなのか?」


 少し潤んだ瞳で上目遣いをし、何て答えたら良いか分からない質問に思わず溜息が出る。

 なんでコイツはこういう時だけ女子力高くなるんだよ・・・。

 しばらく唸りながら考えた末に出した答えはーー


 「・・・次からは自分の枕持って来い。毎回俺の腕を枕代わりにされちゃ、動けなくて困る」

 「よっしゃ!!」


 俺の言葉を聞いたメアはガッツポーズを取り、女の部分を一瞬でログアウトさせていた。

 うん、確かに切り替えは大事だが、流石にここまで早いと呆気に取られそうになるな。

 すると俺たちの会話がうるさかったのか、ミーナが布団から唸りながら顔だけ出し、眠そうに薄く開かれた目でこちらの様子を伺っていた。


 「よう、おはよう」

 「おっ、ミーナも起きたか」

 「ん、おはよ。朝から元気?」

 「悪い、うるさかったか?」


 しかしミーナは気にしてないといった感じに首を横に振る。
 まだ眠いのか、頭や足を擦り付けてくる。


 「まだ眠いなら寝てていいぞ?まだ起きるにはーー」


 「早い」と言おうとしたところで時計を見ると、十時を過ぎていた。
 もう起きてもいい時間だ。
 そんな感じで言葉に詰まっていると、ミーナが口をゆっくりと開ける。


 「・・・起きる。でももう少しこのままで」


 それからミーナは五分間継続してスリスリしていた。


 「・・・満足したか?」

 「ん、満足」


 そう言いつつ多少不満気な顔をしつつ、ガバッと勢い良く起きるミーナ。
 布団がめくり上がり、中の状態が露わになる。
 ーー真っ裸だった。
 ヘレナやメアがじゃない、ミーナが、だ。
 布の「ぬ」の字すら見当たらない、産まれたままの姿。
 謎の光や、ましてや湯気などが仕事をしてくれる筈もなく、ミーナの首から下全てのあられもない姿が目に映る。
 ミーナはそれを隠そうとしたり恥ずかしがるわけでもなく、頬を薄っすらと赤らめながらむしろ見せ付けように胸を張っていた。


 「ミーナ」

 「ん?」

 「見えてるぞ」

 「ん」


 「見せてるんだ」と言っているような感じの答えが返ってくる。


 「なんで服着てないんだよ?」

 「邪魔」

 「・・・あ、そう・・・」


 簡潔な答え。
 どうやらミーナは裸族だったようだ。
 ただそれは「寝る時に邪魔だから」という意味であってほしいと願う。


 「とりあえず、服着てくれるか?目のやり場に困るから」

 「・・・・・・」


 返事がない。
 というか、それ以前に動く気配がない。


 「ミーナ、流石にそれは大胆じゃないか・・・?」


 メアが苦笑いをする。
 意外だった。メアならこういう状況にもう少し驚いて慌てるかと思ったんだが・・・。


 「だって、いくらアピールしても気付かないアヤトが悪い」

 「アピール?」


 何のだ?
 いつ?何を?何のアピールをしたって言うんだ?


 「あー、アヤトはなー・・・行動だけじゃ勘違いしたり混乱するだけじゃねえか?ほら、こんな感じに」


 メアが俺を指差す。

 おいこら、人を指差すんじゃない。


 「むぅ・・・」

 「なぁ、話が見えないんだが・・・何か言いたい事があるのか?その・・・お前が裸でいる理由に関係ある事が」

 「おいおい、アヤト、そこまで分かってんなら察してやれよ?」

 「・・・おい、まさかお前ーー」


 本当に?本当にそんな事を言うつもりか、ミーナ?
 お前は・・・お前はーー


 「ーーずっと裸でいるつもりか?」

 「「・・・は?」」


 メアとミーナの声が重なり、キョトンとした顔になる。


 「寝る時だけじゃなく、家にいる時はずっと裸でいさせろって言いたいのか?そんな事したらお前・・・俺やカイト他の男が目のやり場に困る上に女性陣側も接し難くなって、全体的に気不味い空気になるぞ!?」

 「何の話をしてるんだお前は!?」


 メアに盛大に突っ込まれた。
 ミーナもどことなく呆れた様子。


 「ミーナ、もう直接言葉で言った方がいいぞ、絶対」

 「・・・仕方がない。こんな鈍感男に惚れてしまった私たちの負け」

 「だなー・・・」


 そう言いながら顔を見合わせ嬉しそうに笑う二人。

 ・・・うん?待て、今ミーナなんて言った?


 「ミーナ今なんてーー」


 聞き返そうとした俺の口をミーナの口で塞がれた。

 うん、まただ。三回目。

 一秒・・・ニ秒・・・三秒・・・

 ヘレナ、メアに続きミーナまで。どんなに鈍感男と呼ばれようとも、回数を重ねれば理解できるようになる。

 十秒・・・十一秒・・・十ニ秒・・・

 つまりさっき言っていたアピールとはこういう事で、三人がここにいる理由はそういう事だったようだ。
 というか・・・

 三十秒・・・三十一秒・・・三十ニ秒・・・


 「・・・ッ、長い!!」


 ミーナの肩を掴んでしゃぶり付いて来るような口を無理矢理剥がし、ちょっと怒る。
 いくらキスが良いものだって言っても、流石に一分近くもするもんじゃない。
 横でメアが頬を染めて「ひゃー!」とか言いながらニヤニヤと笑ってるし、ムードも何もない。

 というかメアはそれで良いのかとも思うが・・・って、そういえば知ってる奴が相手だったら嫉妬しないとか何とか言ってたな。
 ・・・アレってこういう意味だったのか?

 ミーナを見るとさっきまで重ねていた自分の唇を舐め、艶かしい雰囲気で笑っていた。
 ミーナのこんな恍惚とした表情は初めて見た。


 「・・・はぁ、つまりミーナもメアと同じ感情を、と言っていいのか?」

 「ん。やっと理解しわかってくれた?」

 「ああ。でもメアはいいのか?」

 「何か問題あるか?」


 笑顔であっけらかんと答える。
 その様子に嘆息する。


 「ああ、いいのね・・・。じゃあミーナの方もいいって事か?俺とメアが付き合ってる事は知ってて言ってるって事だよな?」


 ちょっと戸惑い気味に聞く。
 これでミーナは知らなくて修羅場とやらになったらどうしようと内心ハラハラしながら。
 するとミーナはグッと親指を立てる。


 「私も加えてもらう。大丈夫、亜人の大陸ではよくある事」


 ミーナの言葉を聞いてメアの方を見ると、メアもグッと親指を立ててニッと笑っていた。

 なるほど、亜人の大陸では一夫多妻は当たり前なのか。
 そして共犯か、お前ら。


 「アヤト、返事は?」


 首を傾げて聞いてくる。
 そんなミーナに思わず小さな溜息を吐いてしまう。


 「・・・メアから聞いてるとは思うけど、「俺も好きだ」なんて言葉を期待するなよ?」

 「分かってる。ダメかどうかだけ答えてもらえればいい」


 そう言いつつ期待の眼差し。
 それにメアとも合意の上でこうしているのなら、NOと言える筈がない。


 「分かった、OKだ。お前らまとめて面倒見てやるよ」

 「ヒヒッ、流石アヤト」


 ミーナも加わって嬉しいのか、メアが腕をギュッと抱き締め、ミーナも抱き付いて来る。
 メアはいいとして、ミーナは服を着てからにしてほしい。


 「ん、アヤトの甲斐性に期待」

 「なんだ、もう養ってもらう気満々か?」

 「そんなわけ。私とアヤトはパートナーだから、冒険者は一緒にやる。甲斐性は別に期待」


 ペロッと舌を出して笑うミーナ。

 一体何を期待させられているのだろうか、俺は。

 その「何を」を言ってくれない、できてしまったもう一人の彼女になんとも言えない不安を覚えてしまう。

 ・・・というか、まさに今この状態って リアルにハーレムってやつだよな?
 次にユウキに会った時、なんて言われるか・・・。


 「そんな羨まけしからんアヤト君のハーレムに僕も入れてもらおうとしよう!」

 「うおっ!?」


 突然の聞き覚えのある声、シトの声が聞こえた。
 さっきまでいなかった筈の気配を辿ると、ミーナより更に下の足元にいた。


 「お前もいたのかよ!?そんでそんな鳥肌の立つような事を言うな、気持ち悪い!!俺に男を相手にする趣味なんてな・・・い・・・?」


 シトが俺のベッドにいるという事実から実際鳥肌が立ち、すぐさま追い出そうとシトのしがみ付いている足を持ち上げたが、その姿に戸惑い混乱した。
 肩までだった白髪は長く伸び、無邪気な少年のような顔が少しだけ少女寄りに。そしてミーナと同じく全裸となって見えているその胸はぷっくりと膨らんでいた。
 さっきの声は確かにシトだったし、雰囲気もシトのもの。しかしその容姿は女と示すものが多かった。


 「お前・・・本当にシトなのか?」

 「うん、びっくりした?びっくりしてくれたよね?まさか今まで美少年だった僕が美少女になってるんだもん、びっくりするに決まってーーぶあ!?」


 俺の足に乗り調子に乗って喋ってる途中のシトを、足を振ってサッカーボールのように壁に叩き付けた。


 「い、痛い・・・。君は・・・幼い少女に対しても容赦ないね・・・?」

 「これがお前じゃなかったらビンタくらいで済ませるんだがな・・・」

 「容赦ないね!?」


 シトの本気のツッコミに「冗談だ」と言って笑う。


 「んで、お前こそ、その姿は何の冗談だ?」

 「冗談も何も、アヤト君なら喜ぶかな~って?」

 「質問の答えになってねえぞ?」

 「・・・あ、もしかしてこの姿でアヤト君に近付いた理由じゃなくて、この姿になれた理由を聞いてるの?それなら簡単。元々僕たちに性別の概念はないんだよ。だから男にでも女にでもなれる。更に言えば、男になって女の人を孕ませる事もできるし、女になって孕む事もできる、って感じでいいかな?」

 「生々しい返答をありがとう、ここにウルとルウがいなくて良かったよ」


 心底そう思いながら溜息を吐く。


 「って事で、どうだい?僕を孕ませてみるのは?人間が神様に子を宿させるなんてそうそうないし、今現在僕たちがいるのは寝室でベッドの上、更に僕とミーナちゃんは準備万端・・・こんな千載一遇のチャンスは滅多にないよ?」

 「断る」

 「えー・・・見た目で気が乗らないならいつでも変えられるよ?ウルちゃんたちの幼女体型からヘレナちゃんみたいなスタイル抜群の体、果ては小さい体に見合わない胸を持ったルビアちゃんにもなれるから」


 それぞれ体の形を変えながらセクシーポーズを取るシト。
 ただちょっと危ない事を色々言ってたので、デコピンを食らわせる。

 とはいえ、本当に体も性別も自在に変えられるんだな・・・。

 すると俺の対応が不満だったのか、途中シトが「あっ」と声を零し、手を口に当て嫌らしい笑みを浮かべて何かを思い付いたようだった。


 「・・・それとも元の体に戻って、ノクト君と一緒に襲った方が好みだったかな?」

 「・・・人の口を縫うのって裁縫道具でできるかな?」


 割と本気で考えた瞬間だった。
 ・・・あとヘレナがいくら騒いでも起きず、いつまでも俺の腕を枕にして寝てるのが辛い。
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