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「まったくマーティ様ったら、何を考えているのかしら!
いくら政略結婚とは言え、ネリーという婚約者がありながら、アリス様と抱き合っているなんて!
そもそもアリス様も悪いのよね。
シェイマス様がいるのに、マーティ様の気も引こうとして……」
とイーディスは止まらない。
「いくらなんでも、不貞行為までしているとは思わなかったわ」
「不貞行為……よね、あれは」
「そりゃそうよ!もしかしたら、抱き合う以上のことだって……」
言いかけたイーディスの声が、ふっと消えた。
そして心配そうな目つきになって、顔を覗き込んでくる。
「……ごめんなさい。
怒るより、まずは、あなたを慰めるべきだったわよね」
そう言いながら頬を撫でられて、イーディスは初めて自分が泣いていることに気がついた。
ネリーは慌ててハンカチを取り出すと、顔に押し当てる。
「あれ……おかしいわね。
泣くつもりなんてなかったのに」
「大丈夫よ。私以外には誰も見ていないから。
いつも、マーティ様との婚約が羨ましいなんて言って、ごめんなさいね。
こんなにひどい方だったなんて!」
「いいの。私だって、まさかマーティが……こんなこと……」
ネリーはしばらくの間、声を殺して、ポロポロと涙を流した。
その間、イーディスは黙ったまま、まるで母親がするように優しく背中を撫で続けてくれた。
いつもお喋りが止まらない彼女が、口を閉ざして温かい眼差しを向けていてくれる。
その優しさが、傷ついたネリーの心に、じんわりと染み込んでいって。
少しずつ、嗚咽はおさまっていった。
「……なんだか、泣くだけ泣いたらスッキリしたわ」
ようやくハンカチを顔から離すと、ネリーは大きく息を吐き出した。
「それなら良かった」
少し顔色の良くなった友人を見て、イーディスの顔もパッと明るくなる。
「それで……どうするの?
不貞行為をしているとなれば、婚約は破棄することが出来るんじゃない?
完全にマーティ様が悪いもの」
「うーん……」
ネリーは、少し考えていたが、ゆるゆると首を横に振ると、力無く笑った。
「まだそこまでは頭が回らないわ。
今は何も考えたくない……。
とにかく今日は早く寝て、明日ゆっくり考えてみるわ」
「そう……?」
イーディスは不満そうに唇を尖らせてはいたが、それ以上は何も言わなかった。
しかし、
「でも、あの2人には釘を刺しておかないとね」
と独り言のように呟いたのだった。
いくら政略結婚とは言え、ネリーという婚約者がありながら、アリス様と抱き合っているなんて!
そもそもアリス様も悪いのよね。
シェイマス様がいるのに、マーティ様の気も引こうとして……」
とイーディスは止まらない。
「いくらなんでも、不貞行為までしているとは思わなかったわ」
「不貞行為……よね、あれは」
「そりゃそうよ!もしかしたら、抱き合う以上のことだって……」
言いかけたイーディスの声が、ふっと消えた。
そして心配そうな目つきになって、顔を覗き込んでくる。
「……ごめんなさい。
怒るより、まずは、あなたを慰めるべきだったわよね」
そう言いながら頬を撫でられて、イーディスは初めて自分が泣いていることに気がついた。
ネリーは慌ててハンカチを取り出すと、顔に押し当てる。
「あれ……おかしいわね。
泣くつもりなんてなかったのに」
「大丈夫よ。私以外には誰も見ていないから。
いつも、マーティ様との婚約が羨ましいなんて言って、ごめんなさいね。
こんなにひどい方だったなんて!」
「いいの。私だって、まさかマーティが……こんなこと……」
ネリーはしばらくの間、声を殺して、ポロポロと涙を流した。
その間、イーディスは黙ったまま、まるで母親がするように優しく背中を撫で続けてくれた。
いつもお喋りが止まらない彼女が、口を閉ざして温かい眼差しを向けていてくれる。
その優しさが、傷ついたネリーの心に、じんわりと染み込んでいって。
少しずつ、嗚咽はおさまっていった。
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ようやくハンカチを顔から離すと、ネリーは大きく息を吐き出した。
「それなら良かった」
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今は何も考えたくない……。
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「そう……?」
イーディスは不満そうに唇を尖らせてはいたが、それ以上は何も言わなかった。
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「でも、あの2人には釘を刺しておかないとね」
と独り言のように呟いたのだった。
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