孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi

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6章 それぞれの旅立ちとこれから

出会いは突然に⋯!!

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もう限界なのかアンデットのようにフラフラと歩き回るヨシュア、リク、エドワードのおちび達。エチカやランバートが近寄って行き抱っこしようとすると、器用にするりと避けるので飲んでいた紅茶を吹き出して笑ってしまう先王ヨルドと国王陛下ジェラルド。

「器用なもんじゃな!」

「ブッ⋯もう諦めて眠れば良いものを!!」

更に器用なのが、マカロンをモグモグと食べながら蠢いている。そして口の中が無くなると、フラフラと皆が座っているテーブルまで行きマカロンを掴むとまたフラフラと歩き出す奇行(?)を続けている。

「あれ、新しい遊びじゃない?」

アンリが目の前にあるマカロンが載っている皿を奥に引っ張ってしまう。マカロンを取ろうとしていたリクはいくら手を伸ばしてもマカロンが手に入らないことに気付いて薄目を開けて見ている。

「おい、本当はそんなに眠くないだろ?」

アンリに核心をつかれたリクは薄目をそっと閉じてまたフラフラと歩き出した。

「新しい遊びなんじゃない?そっと見守ろう」

ルルの言葉に素直に頷いたアンリだが、薄目でこちらをチラッと見てくるおちび達が気になって仕方がない。

「何だろう、こっち見てるんだけど?」

「ふふふ、可愛いわね~!」

不思議そうなアンリと、嬉しそうに見ているエチカ。

次第に大人達は大人達で話し始め、ルルとアンリも先生に出された宿題について話し始めた。

「うぅ⋯おかちたべたいでしゅ⋯」

ヨシュアがテーブルにあるマカロンやクッキーを見てフラフラと歩き出そうとした時だった。

「エチカ総司令官ーー!!」

メイドや執事が止めようにも、こんな屈強過ぎる大男を止められる筈もなくあたふたしていた。立派な軍服を着た四十代くらいの二メートルは軽く超えている筋肉隆々の男性がこちらに歩いて来た。

だが、そこにいたのはエチカだけではなく何と国王陛下ジェラルドと先王のヨルドもいた。驚いた男は大袈裟なくらい見事な敬礼をした。

「偉大なる国王陛下!!そして先王!!私、軍副司令官のゲッターと申します!!」

あまりに大きい声で話すので、驚いて椅子からずり落ちそうになるルルを支えるジェラルド。

「ああ、知っている。昨日も会っただろ?」そんなゲッターに呆れるジェラルド。

「ガハハハ!元気な若造だのう!!」

ヨルドはそんなゲッターの肩を叩く。

「あんた!声がでかいのよ!うちの子が驚くでしょ!?」

エチカがゲッターを説教し始めたが、肝心のおちび達はというとキラキラした憧れの視線をゲッターに向けていた。

「ん?このハムスターみたいなものは何ですか!!」

ゲッターのおちび達の例え方を聞いて爆笑するアンリ。

二メートル超えのゲッターから見たらおちび達は豆粒くらいしかない。

「うわーー!!ほんもにょのくましゃんでしゅよ!!」

ゲッターを見て興奮するヨシュア。

「おおきいでしゅ⋯おようふくきてましゅよ!!」

リクはゲッターの周りをクルクル回って観察する。

「くましゃん、こんにちは!おかちたべましゅか?」

エドワードはポケットに入れていたボロボロのクッキーを取り出した。

「「「くましゃんと~あしょびましゅ~!!」」」

ゲッターの周りを小躍りしながら喜ぶおちび達。

「何かの儀式みたいね⋯」呆れて見ているエチカ

「あの人見てよ!!ハムスターに絡まれて動けない熊だよ!!」そう言ってまた爆笑するアンリ。

「くましゃん!はちみつたべましゅか~?」

ヨシュアの問いかけにまた飲んでいた紅茶を吹き出してしまうヨルドとジェラルド。

「おい!ハムスター達よ!!我は熊ではないーー!!」

「「「えええーーー!!!」」」

あまりのショックに膝から崩れ落ちてしまうおちび達であった。



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