孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi

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6章 それぞれの旅立ちとこれから

軍の熊さんvs王族の熊さん①

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熊さんじゃないという衝撃の事実を知ったおちび達のショックは大きい。

「うぅ⋯くましゃんとあそびたいでしゅ⋯」崩れ落ちるヨシュア。

「くましゃん⋯」激しく落ち込むリク。

エドワードは未だに信じられずに呆然と立ち尽くしている。

「ええー?そんなにショックなの!」

三人のあまりの大袈裟な反応につい突っ込んでしまうアンリ。

「ちょっと!少しの間だけ熊になりなさい!命令よ!」

どうして良いか分からないでいるゲッターに、無茶苦茶な事をいう上司のエチカ。

「そんな!私は熊ではありませんぞ!」

空気が読めないのか、大声で反論するゲッター。それを聞いてますますガーンという顔をするおちび達。

「ガハハハ!おちび達よ!わしが熊さんになってやるわい!」

意気揚々にそんな提案する先王ヨルド。

「じいじはじいじでしゅ!」正論のヨシュア。

「じじいくましゃん?」何気に不敬極まりないリク。

リクの言葉に爆笑するアンリと苦笑いのルル。

「このしゃいじじいくましゃんでいいでしゅ!」完璧不敬なエドワード。


じじいくましゃんことヨルドはおちび達に引っ張られて何やらコソコソとこちらを見ながら話している。

「何あれ、怪しいわね」

エチカが立ち上がり、ヨルド達の所に行こうとした時だった。ヨシュアがトコトコとゲッターの側にやってきた。

「⋯⋯?何かな?」

ただ横に並んでじっとしているヨシュアに話しかけるゲッター。

「⋯たしゅけてーー!!わりゅいくましゃんにちゅかまったーー!!ふかくでしゅ!!」

棒読みで叫び出したヨシュアに皆がポカンとする中、心当たりが全くない悪い熊さんにされたゲッターは急いでヨシュアから離れようとするが、足にしがみついて離れない。

「あー!ヨシュアがちゅかまった!わりゅいくましゃんめぇー!」

またまた棒読みで叫ぶリク。そしてその横でエドワードが、仁王立ちして動かないヨルドに近づいて行く。そしてネジを回す真似をして大声で叫ぶ。

「じじいくましゃん!しゅつどーー!!」

「ガハハハーー!暴れるぞーー!!」

どちらが悪い熊か分からない程に凶悪な顔をしたじじい熊がゲッターに近づいて行く。そんな大根芝居を何故か固唾と見守るルルとエチカだが、ランバートは生きた心地がしないで胃を抑えていた。

ジェラルドは呆れながらもこれからの展開から目が離せない。アンリはそんなジェラルドに賭けようと騒いでいた。

「おい!俺はこの国の国王だぞ!?お前と賭けなんてやるわけ無いだろ!!」

「不敬ですよ」流石にアンリを注意するランバート。

「ジョンさんが勝ったら、ルルの可愛い秘密を教えてあげるよ?」

ヨルド以上に凶悪な顔をするアンリ。

「⋯まぁ、少しぐらい良いかもな。⋯⋯本当に秘密を教えてくれるか!?」

「勝ったらね?」

そう言って不敵に笑むアンリと対抗心剥き出しのジェラルドに、開いた口が塞がらないランバートだった。

そんな周りの騒がしさも聞こえない程に焦っているのはある意味被害者のゲッターだ。

「ハムスター1号よ!足から剥がれなさい!!」

ヨシュアを足から剥がそうとするが、ゲッターの力でもビクともしない。前からは凶悪な顔をした先王が迫っている。

「悪い熊よ!わしの大事な孫を離すんじゃー!」

「離すもなにも剥がれないんですーー!!誰か離して下さいーー!!」

さあ、じじいくましゃんvs悪い(?)くましゃんの戦いはいかに!?



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