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ユリア、旅をする!!
おちび達大集合で大混乱です!!①
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今の幼子に怒られている邪神セラムの姿を見たら神々は驚いて腰を抜かすだろうか?
森の番人ドライアドはそんな事を考えていた。この地を負の力で荒地に変えてしまったセラムの悍ましい姿は今でも忘れられない。あの時は死んでゆく森を只々見ているしか無かった。神々でさえ必死で戦ってもセラムを封印するのが精一杯だった。
今回何者かがセラムの封印を解いた。また森や人々が傷つく事になるだろうと思っていたが、何故かセラムの負の感情が感じられないでいた。それどころか荒地の花や木々達が復活する気配を感じ取ったドライアドと世界樹ユグドラシルは急いでこの因縁の地にやって来たのだ。
(やっぱりユリアだったのね)
ドライアドは綺麗に咲き乱れる花や生き生きとした木々を見て涙を流しながらユリアに感謝するのだった。そんなドライアドを見て何かを察したアネモネが横に座った。
「うちの子がお世話になっています」
「ふふ⋯あなた方には本当に感謝するわ。あの子を諦めないで産んでくれてありがとう!あの子は世界の光だわ!」
「あの子は私達の宝です。少し元気があり過ぎますが⋯」
アネモネは三人の大人にくどくどと説教をしている愛しい娘を見て苦笑いする。
「おーい、ユリア!そのくらいにしてこっちに来い!肉が焼けたぞー!!」
「キャー!!おにくーー!!」
オーウェンが持っている皿には肉がてんこ盛りになっていて、いい匂いを漂わせていた。ユリアは興奮気味にオーウェンの元へ走って行く。
ユリアの感情のあまりの変わりように取り残された三人はポカンとしていたが、チェスターも孫に負けじと立ち上がりバーベキューに戻って行く。
「おちび!肉ばかり食うな!野菜も食え!!」
肉を美味しそうに頬張るユリアに野菜を勧めるチェスター。
「もぐもぐ⋯もぐ⋯おに⋯ち⋯」
「ブッ!何だおにちって!!おにくとあにちが融合してる!!」
口一杯に肉を頬張っているので上手く話せないユリアを見て爆笑する妖精コウ。
「もう!ユリア?お口一杯入れなくてもお肉はまだまだあるからゆっくり食べなさい!」
アネモネにそう諭されるが、ユリアは口をもぐもぐしながらチェスターを指差した。アネモネが指を指した方向を見ると、口一杯に肉を頬張るチェスターがいた。
「⋯⋯本当にそっくりね⋯」
そんな祖父と孫を見て呆れるアネモネ。
ユグドラシルはドライアドの横に座り景色を堪能していた。そしてセラムはそんな光景を見て懐かしさと同時に焦りも感じ始めていた。
(こんな事をしていていいのか?)
夢の記憶を取り戻して静かに暮らしたいと思っていた。だが、神の愛し子ユリアと出会い変わって行く自分に何故か期待している事に恐怖を感じた。また負の感情が湧き上がって来そうになった時だった。夢がお皿に肉や野菜を乗せてこちらにやって来たのだ。
「あの⋯私が焼いたんですけど、一緒に食べましょう?」
「え⋯ああ。」
嬉しいのについ素っ気ない態度を取ってしまったセラムだが、渡された皿をどうしようかとも悩んでいた。
「嫌いなものありました?」
「あ⋯私たちは神ですから食べなくても平気なのでこういったものを食べてこなかったんです」
セラムがそう言うと、夢はチラッと横を見たのでセラムも釣られて見ると、時の大精霊ミリーが口一杯にまるでリスのように嬉しそうに肉を頬張っていた。
「⋯⋯」
更に妖精コウもアネモネに細かく切ってもらい、それを嬉しそうにユリアの横で食べていた。
「⋯⋯」
そんな二人をジト目で見ていたセラムも意を決して幼子が騒いでいた肉を手に取ると、タレを付けてゆっくりと口に含んだ。夢は固唾を飲んで見守る。
「⋯⋯美味しい⋯こんなに美味しいものは初めて食べました」
感動でなのか自然と涙が零れ落ちるセラムを皆が見てしまう。すると、ユリアがチェスターの皿から肉を奪いセラムの皿に乗せた。
「どーぞ!」
ニコニコとセラムに笑いかけるユリア。目が点になるセラム。
「おい!自分の皿から渡せよ!」
そんな横暴な孫に猛抗議するのは肉を奪われた祖父だ。
「あにちは食べしゅぎでしゅよ!!」
なのに逆に怒られる理不尽極まりない展開に唖然とするチェスター。
「なんて孫だ!!」
「うるちゃいでしゅよ!!」
睨み合うユリアとチェスターを無視して皆は黙々と食べ始めた。
「たあーー!(ユリアーー!!)」
「ん?俺の勘違いか?あの赤ん坊の声が聞こえたような?」
「たあたあ!!(足臭オヤジ!!)」
「誰が足臭オヤジだ!!」
そう言って振り向いたチェスターの目の前にぷかぷか浮かぶ赤ん坊がいた。それに気付いたユリアは嬉しそうに手を振った。
「あーー!!りゅいーじゃちゃん!!」
「たあーー!!(ユリアーー!!)」
抱き合って再会を喜ぶ赤子と幼子に唖然とするのは周りの大人達だった。だが驚きはこれだけじゃなかった。
「ユリアーー!!」
「ユリア!」
「キャーー!!」
そこにいたのはポロポロと泣いているカイル、嬉しそうなルウ、そして大騒ぎのピアが三人仲良く手を繋ぎこちらに向かって来たのだった。
森の番人ドライアドはそんな事を考えていた。この地を負の力で荒地に変えてしまったセラムの悍ましい姿は今でも忘れられない。あの時は死んでゆく森を只々見ているしか無かった。神々でさえ必死で戦ってもセラムを封印するのが精一杯だった。
今回何者かがセラムの封印を解いた。また森や人々が傷つく事になるだろうと思っていたが、何故かセラムの負の感情が感じられないでいた。それどころか荒地の花や木々達が復活する気配を感じ取ったドライアドと世界樹ユグドラシルは急いでこの因縁の地にやって来たのだ。
(やっぱりユリアだったのね)
ドライアドは綺麗に咲き乱れる花や生き生きとした木々を見て涙を流しながらユリアに感謝するのだった。そんなドライアドを見て何かを察したアネモネが横に座った。
「うちの子がお世話になっています」
「ふふ⋯あなた方には本当に感謝するわ。あの子を諦めないで産んでくれてありがとう!あの子は世界の光だわ!」
「あの子は私達の宝です。少し元気があり過ぎますが⋯」
アネモネは三人の大人にくどくどと説教をしている愛しい娘を見て苦笑いする。
「おーい、ユリア!そのくらいにしてこっちに来い!肉が焼けたぞー!!」
「キャー!!おにくーー!!」
オーウェンが持っている皿には肉がてんこ盛りになっていて、いい匂いを漂わせていた。ユリアは興奮気味にオーウェンの元へ走って行く。
ユリアの感情のあまりの変わりように取り残された三人はポカンとしていたが、チェスターも孫に負けじと立ち上がりバーベキューに戻って行く。
「おちび!肉ばかり食うな!野菜も食え!!」
肉を美味しそうに頬張るユリアに野菜を勧めるチェスター。
「もぐもぐ⋯もぐ⋯おに⋯ち⋯」
「ブッ!何だおにちって!!おにくとあにちが融合してる!!」
口一杯に肉を頬張っているので上手く話せないユリアを見て爆笑する妖精コウ。
「もう!ユリア?お口一杯入れなくてもお肉はまだまだあるからゆっくり食べなさい!」
アネモネにそう諭されるが、ユリアは口をもぐもぐしながらチェスターを指差した。アネモネが指を指した方向を見ると、口一杯に肉を頬張るチェスターがいた。
「⋯⋯本当にそっくりね⋯」
そんな祖父と孫を見て呆れるアネモネ。
ユグドラシルはドライアドの横に座り景色を堪能していた。そしてセラムはそんな光景を見て懐かしさと同時に焦りも感じ始めていた。
(こんな事をしていていいのか?)
夢の記憶を取り戻して静かに暮らしたいと思っていた。だが、神の愛し子ユリアと出会い変わって行く自分に何故か期待している事に恐怖を感じた。また負の感情が湧き上がって来そうになった時だった。夢がお皿に肉や野菜を乗せてこちらにやって来たのだ。
「あの⋯私が焼いたんですけど、一緒に食べましょう?」
「え⋯ああ。」
嬉しいのについ素っ気ない態度を取ってしまったセラムだが、渡された皿をどうしようかとも悩んでいた。
「嫌いなものありました?」
「あ⋯私たちは神ですから食べなくても平気なのでこういったものを食べてこなかったんです」
セラムがそう言うと、夢はチラッと横を見たのでセラムも釣られて見ると、時の大精霊ミリーが口一杯にまるでリスのように嬉しそうに肉を頬張っていた。
「⋯⋯」
更に妖精コウもアネモネに細かく切ってもらい、それを嬉しそうにユリアの横で食べていた。
「⋯⋯」
そんな二人をジト目で見ていたセラムも意を決して幼子が騒いでいた肉を手に取ると、タレを付けてゆっくりと口に含んだ。夢は固唾を飲んで見守る。
「⋯⋯美味しい⋯こんなに美味しいものは初めて食べました」
感動でなのか自然と涙が零れ落ちるセラムを皆が見てしまう。すると、ユリアがチェスターの皿から肉を奪いセラムの皿に乗せた。
「どーぞ!」
ニコニコとセラムに笑いかけるユリア。目が点になるセラム。
「おい!自分の皿から渡せよ!」
そんな横暴な孫に猛抗議するのは肉を奪われた祖父だ。
「あにちは食べしゅぎでしゅよ!!」
なのに逆に怒られる理不尽極まりない展開に唖然とするチェスター。
「なんて孫だ!!」
「うるちゃいでしゅよ!!」
睨み合うユリアとチェスターを無視して皆は黙々と食べ始めた。
「たあーー!(ユリアーー!!)」
「ん?俺の勘違いか?あの赤ん坊の声が聞こえたような?」
「たあたあ!!(足臭オヤジ!!)」
「誰が足臭オヤジだ!!」
そう言って振り向いたチェスターの目の前にぷかぷか浮かぶ赤ん坊がいた。それに気付いたユリアは嬉しそうに手を振った。
「あーー!!りゅいーじゃちゃん!!」
「たあーー!!(ユリアーー!!)」
抱き合って再会を喜ぶ赤子と幼子に唖然とするのは周りの大人達だった。だが驚きはこれだけじゃなかった。
「ユリアーー!!」
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五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
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