66 / 66
番外編
永遠の予感
しおりを挟む
一緒に行きたいところがある、と言われて、フィアリスはエヴァンと共に館に出た。さほど遠出するわけではなく、領内にある場所だという。
目的地に行く前に、寄りたい場所がもう一つあるから、とエヴァンが黒い馬を降下させた。
それがどこであるかわかった途端に、フィアリスの全身が強ばる。
そこは今まで一度も足を踏み入れたことがなく、訪れるのを拒み続けていた場所だった。馬からおりて振り向くエヴァンに、フィアリスは言った。
「君一人で行くといい。私はここで待ってるから……」
エヴァンはしばしフィアリスを見つめていたが、手首をつかんで引っ張った。
「あなたも来て下さい」
「でも、エヴァン、私は……」
恐怖で足がもつれそうになるが、強引に手を引かれて、嫌がる気力もなかった。頭が真っ白だった。
エヴァンはそのままフィアリスを連れて、奥へと進んでいってしまう。
そこは教会だった。
エヴァンが向かっているのは墓地だ。彼は何度もここへ訪れたことがあるのだろう。とある墓石の前まで来て、立ち止まる。
石には一人の女性の名が刻んであった。その名は――エリイシア・リトスロード。
エヴァンの母であり、ジュードの妻。エリイシアはこの土の下で、とこしえの眠りについている。
フィアリスが知っているのは彼女の死に顔だけだ。穏やかに眠るエリイシアは、エヴァンとやはり面立ちが似ていたのを覚えている。優しそうな佳人で、きっと誰からも愛される人だったのだろうと思った。
けれど葬儀以降は、一度たりともこの墓地の土を踏んだことはない。
「エヴァン……私は、許されないよ」
隣に立つエヴァンは、墓石を見つめている。
「エリイシア様は、私を許してくださらないだろう」
一体自分が、どんな顔をして墓参ができるというのだろう。この人の夫と誤った関係を持つ男が、ここに訪れるなど恥知らずにもほどがある。
膝が震えそうになって、フィアリスは後ずさりしかけた。
そんなフィアリスの手を、エヴァンがそっとつかむ。
「あなたは母を知らないでしょう」
エヴァンがフィアリスの目を見た。エメラルドの瞳はいつものように優しげで、いたわるように柔らかく指が絡められる。
「私は知ってる。母は、何でも許す人ですよ。父を許しなさいと、いつも私に言っていた。あなたのことも許しますよ」
そう言われても、まともに墓石へ目を向けられなかった。視線は泳いで、足元に落ちる。
彼女が善き人であると聞けば聞くほど、己の罪の重さを自覚するのだ。仮にエリイシアが許すとしても、自分の愚かな振る舞いがなかったことになるわけではない。
「母上、聞いて下さい。やっと私は想いを伝えられましたよ。そして、気持ちを受け取ってもらいました。私はフィアリスと共に生きます」
「エヴァン……」
困惑しながら、フィアリスはエヴァンの横顔に目をやった。エヴァンは軽くため息をついて、またフィアリスの顔に目を据える。
「私が幸せになることを、母は絶対に喜んでくれますよ」
胸にこみあげてくるものがあって、フィアリスは唇を噛んだ。
自分のしたことを、絶対に正当化はできない。間違っていたのだ。間違っているとわかっていて続けた。
愚かでなければ、もう少し上手く動けたはずだ。もっと深い傷を負うことを求めて、罪と痛みを慰めにした。
お詫びなど口にする権利がない。
けれど。
フィアリスは、エヴァンと繋いだ手を離して、半ば崩れるようにその場に膝をついた。両手で顔を覆う。
「エリイシア様……どうか……」
強く目をつぶって、涙がこぼれないようにどうにかこらえる。
「私が……エヴァンを愛することを、どうか……お許し下さい……」
これからこの子と共に生きることを、許してほしい。
エヴァンがいなければもう、少しも生きていけないと気づいてしまったのだ。
愛しくてたまらない。自責の念に苛まれても、後悔が痛みとなって押し寄せても、エヴァンへの想いは変わらない。
愛してる。愛したい。愛されたい。
呆れるほどにわがままだ。こんなに何かを欲したのは初めてだった。
(この子を愛しているんです。だから……)
エヴァンの気持ちを素直に受け入れたいと思う心と、愛にすがろうとするのを浅ましく思う心がぶつかって、今なお苦しくなる時もあった。
それでも、もう、手放したくなかった。
エヴァンのそばにいたかった。狂おしいほどの願いだった。
しゃがんだエヴァンに抱きしめられる。
(ゆるしてください)
フィアリスは顔から手を離して、エリイシアの墓を見下ろした。冷たい石は何も言わない。
風が吹いて、近くの林の木立の葉を、ざわざわと揺らした。
こらえきれなかった一粒の涙が、フィアリスの金色の睫から、はふり落ちた。
* * *
「わあ、綺麗だ!」
エヴァンが行きたいと言っていたのはここだったらしい。
教会を出てしばらく馬を走らせると、エヴァンが崖の上を指さした。
さして広い範囲でもないが、たくさんの花が咲き乱れている。
滅多に通過しない辺りだから、こんなところに花畑があるだなんて知らなかった。ここは瘴気が薄く、地下の無限迷宮も長年出現していない場所だ。よって魔物が出ることもなく、用がないので近寄らない。
エヴァンはいつも通らないルートで、この景色の美しい崖を見つけたらしかった。
リトスロード侯爵家の領内といえば、人の住む場所を除けばどこも荒涼としているから珍しい。
まるで誰かがここにだけ種を蒔いて花を育てたみたいだ。
「これほどの数の花が自生する場所があったなんて、驚きだな」
目をみはりながら、フィアリスは咲き乱れる花々の中を歩いた。
エヴァンは花が好きなのだ。おとなしい子だったから、昔は剣術の稽古などより、館で育てている植物の世話をするのを好んでいた。
「ねえ、エヴァン。すごいね」
にこにこしながら近づくフィアリスの顔を、エヴァンは黙ってじっと見つめている。
「どうかした?」
「あなたのことが、好きだなって思って」
「はあ」
「昨日もあなたが大好きだったんです。でも今日はもっと好きな気がする」
今度はフィアリスが黙って見つめる番だった。わずかに首を傾げる。
「……君はどこでそういう台詞を覚えてくるんだい?」
「誰からも教わっていませんよ。自分の中から自然に出てくるし、事実しか言っていません」
改めて思うが、エヴァンはとても純真なのだろう。恥ずかしいくらいの言葉を、直球でぶつけてくるのだから。
小さな頃は臆病だったけれど、真面目といえば真面目だった。その辺は変わっていない。
「そんなに好きって言ってくれなくても大丈夫だよ。毎日聞いてるから、知ってるよ」
「いくら言っても言い足りません。私はずっと我慢してきたんだから。これでも控えているくらいなんです」
まいったなぁ、とフィアリスは人差し指で頬をかいた。
困った、というのが三割。嬉しい、というのが七割といったところだ。あまり人前で愛を囁かれても反応しにくいから、ほどほどにしてほしいとは頼んでいる。
でも、ここならいいか。誰も聞いてやしないから。
エヴァンは何故かため息をついた。
「あなたはまだぴんと来ていないんだ。私がどれだけあなたのことが好きなのか」
「いや、わかってるよ」
「いいえ、わかってない。だからこれからわかってもらいます。そして、もっと私のことを好きになっていただきます」
手をとって、エヴァンがフィアリスの指先に口づけをする。
今もこんなに好きなのに、これ以上好きになるなんてことがあるだろうか?
――あるかもしれない、と思う自分がなんだか怖い。
この想いは、果てしなく広がっていく予感がするのだ。それは幸福な予感だった。不意に涙が出そうなほどに。
「私はもっと大人になって、もっと強くなります。あなたを必ず守ります」
決意を口にする教え子は、目を細めて微笑んだ。いつもの、愛らしい笑顔。いくつになってもどこかあどけなさを含んだ、純一無雑な愛を示すその表情。
「あなたが大好きです、フィアリス」
明日も明後日も、その先もずっと。
君といよう。君のそばで、共に笑おう。
それが私と君の幸せだから。
「私もだよ、エヴァン。大好きだ」
エヴァンとフィアリスは口づけを交わした。二人の気持ちは、溶け合って一つになる。
日だまりの中に、花の芳香が満ちている。
この先、どれだけの困難と苦しみが待ち受けていたとしても、確かなものが胸にある限り、私は乗り越えられるはずだ。
私にはわかる。君との愛は私の胸で、星のように煌めいて、貴石のように、輝き続けていくだろう。
――永遠に。
目的地に行く前に、寄りたい場所がもう一つあるから、とエヴァンが黒い馬を降下させた。
それがどこであるかわかった途端に、フィアリスの全身が強ばる。
そこは今まで一度も足を踏み入れたことがなく、訪れるのを拒み続けていた場所だった。馬からおりて振り向くエヴァンに、フィアリスは言った。
「君一人で行くといい。私はここで待ってるから……」
エヴァンはしばしフィアリスを見つめていたが、手首をつかんで引っ張った。
「あなたも来て下さい」
「でも、エヴァン、私は……」
恐怖で足がもつれそうになるが、強引に手を引かれて、嫌がる気力もなかった。頭が真っ白だった。
エヴァンはそのままフィアリスを連れて、奥へと進んでいってしまう。
そこは教会だった。
エヴァンが向かっているのは墓地だ。彼は何度もここへ訪れたことがあるのだろう。とある墓石の前まで来て、立ち止まる。
石には一人の女性の名が刻んであった。その名は――エリイシア・リトスロード。
エヴァンの母であり、ジュードの妻。エリイシアはこの土の下で、とこしえの眠りについている。
フィアリスが知っているのは彼女の死に顔だけだ。穏やかに眠るエリイシアは、エヴァンとやはり面立ちが似ていたのを覚えている。優しそうな佳人で、きっと誰からも愛される人だったのだろうと思った。
けれど葬儀以降は、一度たりともこの墓地の土を踏んだことはない。
「エヴァン……私は、許されないよ」
隣に立つエヴァンは、墓石を見つめている。
「エリイシア様は、私を許してくださらないだろう」
一体自分が、どんな顔をして墓参ができるというのだろう。この人の夫と誤った関係を持つ男が、ここに訪れるなど恥知らずにもほどがある。
膝が震えそうになって、フィアリスは後ずさりしかけた。
そんなフィアリスの手を、エヴァンがそっとつかむ。
「あなたは母を知らないでしょう」
エヴァンがフィアリスの目を見た。エメラルドの瞳はいつものように優しげで、いたわるように柔らかく指が絡められる。
「私は知ってる。母は、何でも許す人ですよ。父を許しなさいと、いつも私に言っていた。あなたのことも許しますよ」
そう言われても、まともに墓石へ目を向けられなかった。視線は泳いで、足元に落ちる。
彼女が善き人であると聞けば聞くほど、己の罪の重さを自覚するのだ。仮にエリイシアが許すとしても、自分の愚かな振る舞いがなかったことになるわけではない。
「母上、聞いて下さい。やっと私は想いを伝えられましたよ。そして、気持ちを受け取ってもらいました。私はフィアリスと共に生きます」
「エヴァン……」
困惑しながら、フィアリスはエヴァンの横顔に目をやった。エヴァンは軽くため息をついて、またフィアリスの顔に目を据える。
「私が幸せになることを、母は絶対に喜んでくれますよ」
胸にこみあげてくるものがあって、フィアリスは唇を噛んだ。
自分のしたことを、絶対に正当化はできない。間違っていたのだ。間違っているとわかっていて続けた。
愚かでなければ、もう少し上手く動けたはずだ。もっと深い傷を負うことを求めて、罪と痛みを慰めにした。
お詫びなど口にする権利がない。
けれど。
フィアリスは、エヴァンと繋いだ手を離して、半ば崩れるようにその場に膝をついた。両手で顔を覆う。
「エリイシア様……どうか……」
強く目をつぶって、涙がこぼれないようにどうにかこらえる。
「私が……エヴァンを愛することを、どうか……お許し下さい……」
これからこの子と共に生きることを、許してほしい。
エヴァンがいなければもう、少しも生きていけないと気づいてしまったのだ。
愛しくてたまらない。自責の念に苛まれても、後悔が痛みとなって押し寄せても、エヴァンへの想いは変わらない。
愛してる。愛したい。愛されたい。
呆れるほどにわがままだ。こんなに何かを欲したのは初めてだった。
(この子を愛しているんです。だから……)
エヴァンの気持ちを素直に受け入れたいと思う心と、愛にすがろうとするのを浅ましく思う心がぶつかって、今なお苦しくなる時もあった。
それでも、もう、手放したくなかった。
エヴァンのそばにいたかった。狂おしいほどの願いだった。
しゃがんだエヴァンに抱きしめられる。
(ゆるしてください)
フィアリスは顔から手を離して、エリイシアの墓を見下ろした。冷たい石は何も言わない。
風が吹いて、近くの林の木立の葉を、ざわざわと揺らした。
こらえきれなかった一粒の涙が、フィアリスの金色の睫から、はふり落ちた。
* * *
「わあ、綺麗だ!」
エヴァンが行きたいと言っていたのはここだったらしい。
教会を出てしばらく馬を走らせると、エヴァンが崖の上を指さした。
さして広い範囲でもないが、たくさんの花が咲き乱れている。
滅多に通過しない辺りだから、こんなところに花畑があるだなんて知らなかった。ここは瘴気が薄く、地下の無限迷宮も長年出現していない場所だ。よって魔物が出ることもなく、用がないので近寄らない。
エヴァンはいつも通らないルートで、この景色の美しい崖を見つけたらしかった。
リトスロード侯爵家の領内といえば、人の住む場所を除けばどこも荒涼としているから珍しい。
まるで誰かがここにだけ種を蒔いて花を育てたみたいだ。
「これほどの数の花が自生する場所があったなんて、驚きだな」
目をみはりながら、フィアリスは咲き乱れる花々の中を歩いた。
エヴァンは花が好きなのだ。おとなしい子だったから、昔は剣術の稽古などより、館で育てている植物の世話をするのを好んでいた。
「ねえ、エヴァン。すごいね」
にこにこしながら近づくフィアリスの顔を、エヴァンは黙ってじっと見つめている。
「どうかした?」
「あなたのことが、好きだなって思って」
「はあ」
「昨日もあなたが大好きだったんです。でも今日はもっと好きな気がする」
今度はフィアリスが黙って見つめる番だった。わずかに首を傾げる。
「……君はどこでそういう台詞を覚えてくるんだい?」
「誰からも教わっていませんよ。自分の中から自然に出てくるし、事実しか言っていません」
改めて思うが、エヴァンはとても純真なのだろう。恥ずかしいくらいの言葉を、直球でぶつけてくるのだから。
小さな頃は臆病だったけれど、真面目といえば真面目だった。その辺は変わっていない。
「そんなに好きって言ってくれなくても大丈夫だよ。毎日聞いてるから、知ってるよ」
「いくら言っても言い足りません。私はずっと我慢してきたんだから。これでも控えているくらいなんです」
まいったなぁ、とフィアリスは人差し指で頬をかいた。
困った、というのが三割。嬉しい、というのが七割といったところだ。あまり人前で愛を囁かれても反応しにくいから、ほどほどにしてほしいとは頼んでいる。
でも、ここならいいか。誰も聞いてやしないから。
エヴァンは何故かため息をついた。
「あなたはまだぴんと来ていないんだ。私がどれだけあなたのことが好きなのか」
「いや、わかってるよ」
「いいえ、わかってない。だからこれからわかってもらいます。そして、もっと私のことを好きになっていただきます」
手をとって、エヴァンがフィアリスの指先に口づけをする。
今もこんなに好きなのに、これ以上好きになるなんてことがあるだろうか?
――あるかもしれない、と思う自分がなんだか怖い。
この想いは、果てしなく広がっていく予感がするのだ。それは幸福な予感だった。不意に涙が出そうなほどに。
「私はもっと大人になって、もっと強くなります。あなたを必ず守ります」
決意を口にする教え子は、目を細めて微笑んだ。いつもの、愛らしい笑顔。いくつになってもどこかあどけなさを含んだ、純一無雑な愛を示すその表情。
「あなたが大好きです、フィアリス」
明日も明後日も、その先もずっと。
君といよう。君のそばで、共に笑おう。
それが私と君の幸せだから。
「私もだよ、エヴァン。大好きだ」
エヴァンとフィアリスは口づけを交わした。二人の気持ちは、溶け合って一つになる。
日だまりの中に、花の芳香が満ちている。
この先、どれだけの困難と苦しみが待ち受けていたとしても、確かなものが胸にある限り、私は乗り越えられるはずだ。
私にはわかる。君との愛は私の胸で、星のように煌めいて、貴石のように、輝き続けていくだろう。
――永遠に。
84
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
ぼくが風になるまえに――
まめ
BL
「フロル、君との婚約を解消したいっ! 俺が真に愛する人は、たったひとりなんだっ!」
学園祭の夜、愛する婚約者ダレンに、突然別れを告げられた少年フロル。
――ああ、来るべき時が来た。講堂での婚約解消宣言!異世界テンプレ来ちゃったよ。
精霊の血をひく一族に生まれ、やがては故郷の風と消える宿命を抱えたフロルの前世は、ラノベ好きのおとなしい青年だった。
「ダレンが急に変わったのは、魅了魔法ってやつのせいじゃないかな?」
異世界チートはできないけど、好きだった人の目を覚ますくらいはできたらいいな。
切なさと希望が交錯する、ただフロルがかわいそかわいいだけのお話。ハピエンです。
ダレン×フロル
どうぞよろしくお願いいたします。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
イケメンに育った甥っ子がおれと結婚するとか言ってるんだがどこまでが夢ですか?
藤吉めぐみ
BL
会社員の巽は、二年前から甥の灯希(とき)と一緒に暮らしている。
小さい頃から可愛がっていた灯希とは、毎日同じベッドで眠り、日常的にキスをする仲。巽はずっとそれは家族としての普通の距離だと思っていた。
そんなある日、同期の結婚式に出席し、感動してつい飲みすぎてしまった巽は、気づくと灯希に抱かれていて――
「巽さん、俺が結婚してあげるから、寂しくないよ。俺が全部、巽さんの理想を叶えてあげる」
……って、どこまで夢ですか!?
執着系策士大学生×天然無防備会社員、叔父と甥の家庭内ラブ。
伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き
メグエム
BL
伯爵家次男のユリウス・ツェプラリトは、ずっと恋焦がれている人がいる。その相手は、幼なじみであり、王位継承権第三位の王子のレオン・ヴィルバードである。貴族と王族であるため、家や国が決めた相手と結婚しなければならない。しかも、レオンは女関係での噂が絶えず、女好きで有名だ。男の自分の想いなんて、叶うわけがない。この想いは、心の奥底にしまって、諦めるしかない。そう思っていた。
王女が捨てた陰気で無口で野暮ったい彼は僕が貰います
卯藤ローレン
BL
「あなたとの婚約を、今日この場で破棄いたします!」――王宮の広間に突然響いた王女の決別宣言。その言葉は、舞踏会という場に全く相応しくない地味で暗い格好のセドリックへと向けられていた。それを見ていたウィリムは「じゃあ、僕が貰います!」と清々しく強奪宣言をした。誰もが一歩後ずさる陰気な雰囲気のセドリック、その婚約者になったウィリムだが徐々に誤算が生じていく。日に日に婚約者が激変していくのだ。身長は伸び、髪は整えられ、端正な顔立ちは輝き、声変わりまでしてしまった。かつての面影などなくなった婚約者に前のめりで「早く結婚したい」と迫られる日々が待っていようとは、ウィリムも誰も想像していなかった。
◇地味→美男に変化した攻め×素直で恐いもの知らずな受け。
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――
ロ
BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」
と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。
「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。
※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる