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初めてのデート編
鳥のさえずりかと思った
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朧げな意識の中、耳を傾けると小鳥のさえずりが聞こえる。
でも聞いたことのない種だ。ヨタカか?
自室にある窓の方から、ヨタカと思わしき鳴き声が元気よく響いてくる。
余りにも元気過ぎて、まるで部屋全体に振動が伝わる程に――――――
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン―――――――!
いや、これ違うな。
「拓海―――!? いる――――!?」
目を開けると、ベランダの仕切り板が尋常でない速さで叩かれていた。
その横からは莉乃が顔を覗かせている。
「あ、やっと起きた」
「あのさ……こっちは昼寝してたんだから少しは気遣えよ。近所迷惑だ」
起き上がり、ベランダからプライバシーを覗き見てくる不届き者に忠告する。
「別に良いじゃん。隣に住んでた人、最近になって地方に転勤だとか言い残して引っ越したらしいから」
「ああ、なら別に良いか……っておい、ナチュラルに俺んちを省くな」
「それこそ別に良いじゃん。ご近所なんて余所余所しい間柄じゃないし」
「人のプライバシーを簡単に侵害するなよ……」
「どうせ夜更かしでもしてたんでしょ。もう15時なんだから、今から寝たら夜になって一睡もできないよ?」
確かに正論だ。だけど……
「だからって人の寝顔をまじまじと見るなよ。自分のだらしない顔見られたら誰だって恥ずかしいし、それに昔、莉乃だって『次見たら殺す』とか言ってたろ?」
「うぅ……言ったかも……」
「まあ、流石にもう慣れたからいいんだけどさ……、で、要件は?」
こんな雑談のために呼んだ訳ではないのだろう。
「あ、そうそう! 拓海、来週って暇?」
「来週? 何もない……と思うけど」
「よし、ならデートしよう! 今メッセージ送るから……」
「おい!? 遊ぶなんてまだ一言も――――」
「どうせ部屋に引き籠ってるんでしょ……これで送信っと。じゃあ、今送ったから絶対見といてね!」
そう言い残し、莉乃は部屋に戻った。
「あいつ……」
いきなり来たと思ったら、今度はあっという間に去っていく。まるで嵐だ。
ポケットで振動したスマホを取り出し、莉乃のメッセージを確認すると、
『12時、駅前集合』
「……え、これだけ? 内容は?」
流石に困惑してしまった。
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自室にある窓の方から、ヨタカと思わしき鳴き声が元気よく響いてくる。
余りにも元気過ぎて、まるで部屋全体に振動が伝わる程に――――――
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン―――――――!
いや、これ違うな。
「拓海―――!? いる――――!?」
目を開けると、ベランダの仕切り板が尋常でない速さで叩かれていた。
その横からは莉乃が顔を覗かせている。
「あ、やっと起きた」
「あのさ……こっちは昼寝してたんだから少しは気遣えよ。近所迷惑だ」
起き上がり、ベランダからプライバシーを覗き見てくる不届き者に忠告する。
「別に良いじゃん。隣に住んでた人、最近になって地方に転勤だとか言い残して引っ越したらしいから」
「ああ、なら別に良いか……っておい、ナチュラルに俺んちを省くな」
「それこそ別に良いじゃん。ご近所なんて余所余所しい間柄じゃないし」
「人のプライバシーを簡単に侵害するなよ……」
「どうせ夜更かしでもしてたんでしょ。もう15時なんだから、今から寝たら夜になって一睡もできないよ?」
確かに正論だ。だけど……
「だからって人の寝顔をまじまじと見るなよ。自分のだらしない顔見られたら誰だって恥ずかしいし、それに昔、莉乃だって『次見たら殺す』とか言ってたろ?」
「うぅ……言ったかも……」
「まあ、流石にもう慣れたからいいんだけどさ……、で、要件は?」
こんな雑談のために呼んだ訳ではないのだろう。
「あ、そうそう! 拓海、来週って暇?」
「来週? 何もない……と思うけど」
「よし、ならデートしよう! 今メッセージ送るから……」
「おい!? 遊ぶなんてまだ一言も――――」
「どうせ部屋に引き籠ってるんでしょ……これで送信っと。じゃあ、今送ったから絶対見といてね!」
そう言い残し、莉乃は部屋に戻った。
「あいつ……」
いきなり来たと思ったら、今度はあっという間に去っていく。まるで嵐だ。
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