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第一章
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しおりを挟む後ろを振り返ると想像通りリリヤが立っていた。
リリヤは別棟に住んでるけど、外に出る出口は本邸と同じだからここにリリヤが居てもおかしくはないけど、何でここに1人でリリヤが居るのかしら?
他国に住んでたリリヤには王都で会う人は居ないだろうし、私と同じで買い物に行くつもりなら、お母様が居ないと買うお金もないと思うけど?
まさかお母様はリリヤにお小遣いでもあげてるのかしら?
「こんにちは、何故ここに?貴女もお出かけなの?」
「いえ……、散歩してたらここまで来てしまったの。イリーナさんは何処に行くの?まさか王太子様に会いに行くの?」
何でここで王太子様が出てくるのかしら?
私が公爵家の娘とはいえ、簡単に王太子様に会える身分ではないのだけど?
私が王太子様の婚約者候補なんてことは、誰も話してないはずだから会えるなんて発想はないわよね?
やっぱりリリヤは転生なのかな?
「今日は王宮に行く予定はないから、王太子様に会うことはないわよ。これから買い物に行くだけよ」
「いいな~、私も連れて行ってほしいです!!お金がないからイリーナさんみたいに好き勝手に買い物いけないんです。それに王都に来たばかりだから地理もよくわからないですし」
図々しいな。
そういうお願いはお母様にすればいいのに、何で私に言ってくるのよ。
メリーが隣で怒ってるのが雰囲気でわかる。
男爵令嬢のリリヤが私に対して、舐めた真似をしてるのが許せないのよね。
普通だったら男爵令嬢のリリヤが、私をさん付けで呼んでるのは完全にアウトなのよね。
私とリリヤは従姉妹とはいえ、身分差はあるし、親しい間柄でもない。
リリヤが来て1週間ぐらいしか経ってないのに、使用人達はリリヤを嫌っているのよね。
リリヤは使用人達に偉そうに命令をしているらしい、リリヤが我が家のお客様って事とお母様が許してるから、使用人達は文句を言えなくなっている。
公爵家に仕えてる使用人はリリヤより身分が上のものが多い。
中には庶民も居るけど、我が家では他国のお客様を招くことが多いから、自然とマナーが身に付いてる貴族の者を雇い入れている。
メリーだって身分だけで考えたら伯爵令嬢になるのよね。
代々、我が家に仕えてるからちょっと違和感があるけど
「ねぇ~、イリーナさん聞いてる?私もお出かけに連れて行ってほしいって言ってるの!!それで私にも何か買って欲しいわ」
「はぁ~、そういうお願いはお母様にして下さい。何で貴女と同い年の私が、貴女の保護者にならないといけないんですか?同い年の子にたかって恥ずかしくないの?」
私の言葉にリリヤの顔が真っ赤になる。
この子にも羞恥心があるみたいで良かったわ。
もしも開き直られて態度が横暴になったら、どうすれば良いのか困るもの。
「公爵令嬢のクセにケチ臭いのよ。お金なら幾らでもあるでしょ。お金がある人に頼って何が悪いの。私にはもう親が居ないのだから、お金がある人にお願いしてもおかしくないわ」
いや……、開き直ったわね。
ここにいる人は私とメリーだから、どんな発言をしても誤魔化せるって思ってるんでしょうね。
今までどんだけ親に甘やかされて育ったのよ。
私も親から甘やかされた自覚はあるけど、赤の他人に横暴な態度をして許されるなんて思ってないわ。
「私のお金は私のものじゃないわ。私が使ってるお金はお父様が苦労して稼いだお金だから、貴女を喜ばすために使えるお金じゃない。私が貴女に貢ぐ理由はないわ。欲しいものがあるのなら、お母様にお願いしてちょうだい」
リリヤのことはお母様が任されている。
お母様が決めたことに私は逆らうつもりはないけど、自分から何かしてあげたいって気持ちはない。
「お嬢様お待たせいたしました」
言いたいことが言い終わったところでノエルが来てくれた。
グッドタイミングね。
「ありがとう。メリー行くわよ」
「はい!!」
「ちょっと待ちなさいよ!!私を置いていっていいと思ってるの!!伯母様に言いつけてやるから!!その男も私のほうが相応しいわ!!私に誠心誠意仕えなさい!!」
自分の本心を隠すこともしなくなったわね。
顔が歪んで醜いわね。
「ノエルは物ではないわ。私の大切な人よ。貴女には絶対に渡さないわ」
「お嬢様……」
ノエルは感動したように私を見詰める。
普段はこんな事を絶対に言わないから照れくさいわね。
「馬鹿ノエル!!感動してないで早く出発しなさいよ!!」
「俺だけが大切な存在って言われて嫉妬してるんだろ~、言われなくても出発するよ」
ノエルはそう言って、御者に行き先をつげて指示をする
「2人共喧嘩しないでよ。メリーだって私の大切な人よ」
メリーは私に抱きついてくる
「私にとってもお嬢様は大切なお嬢様です!!」
メリーの頭を撫でながらチラッと窓の外を見ると、リリヤはこちらを睨みつけていた
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