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第一章
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しおりを挟む準備が終わり部屋を出る。
「本当にその髪型で良いんですか?」
「帽子を使うから構わないわよ。パーティーでもないのにガチガチにセットしたら、髪が傷んでしまうわ」
「そうですか」
すごく残念そうにしてるわね。
メリーは私の事を着飾るのが大好きだから物足りないんでしょうね。
でも毎回あんなにキツく髪を結ったりしてたら、いつか禿げそうで怖いのよね。
「本日は誰を護衛に付けますか?」
「今日は誰が休みだったかしら?」
「本日はブライトとライアンが休みですね。」
「ならノエルにお願いしようかしら?」
ノエルは口煩くないから、連れて行くならノエルが1番マシよね。
ブライトが休みで良かったわ。
もしも居たら絶対について来ていたわよね。
ブライトは口煩いから嫌なのよ。
私の事を何時までも子供扱いして、ここは駄目、あそこも駄目って言ってくるんだもの。
「すぐに呼んできます」
「お願いね。私は門のところで待ってるわ」
「はい!!」
メリーは走って騎士たちが集まってる部屋に行ってしまった。
走ってるのを侍女長に知られたら絶対に怒られるわね。
メリーは今年で22歳になるのに落ち着きがないって、侍女長が頭を悩ませてるのをよく見かける。
メリーは侍女長の娘でもあるから、このままだと嫁の貰い手もなくなるって本気で悩んでるのよね。
そんなに心配しなくても、メリーは可愛いから相手なんて選び放題だと思うけど?
5分ぐらいしてメリーとノエルが小走りでこちらに来た。
「別に急いでこなくても良かったのよ」
私の言葉にノエルはメリーを睨みつける。
「お前な~、あんなに急かすからお嬢様の一大事だと思っただろ!!」
「お嬢様を待たせるわけにはいかないわ。それに可憐なお嬢様をこんな所に一人で待たせるなんて心配だもの」
ここには門番も居るはずだけど?
メリーの目には門番は見えてないのかしら?
「確かにお嬢様から目を離すのは心配なのは分かるけど、色々と準備があるんだから意味もなく急がせるな!!準備が不十分でお嬢様に何かあったらどうするんだ!!」
ノエルは怒ってメリーの頭を鷲掴みする、メリーはノエルから逃げようと暴れるけど逃げられないみたいね。
二人は相変わらず仲良いわね。
幼馴染って聞いてるけど羨ましいわ。
「ノエルもメリーもあまり恥ずかしいこと言わないで頂戴。私は可憐じゃないわよ。平凡な顔をしてるのに、そんなに過大評価されてるのが周りに知られたら恥ずかしいわ」
私の言葉に二人は可哀想なものを見る目で私を見てくる。
イラッとくるわね。
一応、私は二人の雇い主の娘だからね?
「お嬢様が自分のことを分かってないのは今は一旦置いときましょう。本日は何処に行かれるのですか?」
「何か納得出来ないけどいいわ。万年筆を買いに行きたいの」
「万年筆ですね。旦那様行きつけのお店で宜しいですか?」
お父様が愛用してる万年筆なら間違いはないわね。
お父様は普段は無駄遣いをしないけど、日用品とかにはこだわるタイプだから失敗はないはず
「構わないわ。行きましょう」
「ではすぐに馬車を用意しています」
「歩きでも良いんだけど?」
歩いても20分ぐらいよね?
「馬車に乗らないつもりなら、護衛を5人以上連れて歩くことになりますよ」
「馬車にするわ」
「畏まりました」
ノエルって私の扱いがうま過ぎるわよね。
私は昔っから人に囲まれるのが苦手だった。
だから護衛をぞろぞろ連れ歩くか、ちょっと目立つけど馬車で向かうのか選ぶなら、間違いなく馬車を選ぶ。
「メリーは仕事に戻って良いわよ」
「お嬢様、何を言ってるんですか?私もご一緒致しますよ。護衛とはいえ、男とお嬢様を2人にするわけないじゃないですか。お嬢様に出鱈目な噂が立ったら困りますから」
12歳の子供と25歳の男性が2人で居るからって噂にならないわよ。
メリーが居たら移動中良い話し相手になるからいいか
メリーとノエルの会話も聞いてて楽しいし。
「メリーと買い物行くの久しぶりね。楽しみだわ」
最近は憂鬱なことばかりだったから、楽しい買い物になると良いわね。
「イリーナ………さん?」
ノエルを待ってると、後ろから聞きたくない声が聞こえてきた
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