【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第三章

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 エリーと話しながら馬車置き場に向かう。

 友達と探り合い無しで話せるのは楽しいわね。

 今までも友達が居ないわけではないけど、貴族同士だと探り合いになったり、私が公爵家の娘だから気を遣われることが多くて、友達って感じがしないのよね。

「流れで馬車置き場に向かってるけど大丈夫?エリーも馬車で帰りますの?」

「今日はお父さんとお母さんが来てるから馬車だよ。明日からはどうしようかなって考えてるんだよね。馬車で来るか歩きで来るか迷い中なの」

「馬車で行けるなら馬車のほうが楽じゃないかしら?エリーがどの教科を選ぶか知らないですけど、教科によっては荷物が多いこともあるでしょうし」

 我が家は学園から家までは歩きだと30分以上かかるから、絶対に馬車で登下校するつもりですけど、家が近い人は馬車での渋滞を避けるために、歩く人も居るってお兄様が言ってたわね。

 確かにほぼ全校生徒が馬車で来たら、朝や帰りはかなりの渋滞になるわよね。

 今日だって朝は学園の前で待つことになりましたし、今日は新入生とその保護者だけなのに、あの渋滞なんだから明日からは大変そうね。

「そっか………、授業が始まったら荷物が増えるんだよね。それなら馬車が良いかな?でも放課後に制服のままで友達とお出掛けとか憧れてたのにな~」

「楽しそうね。なら朝は馬車で来て、荷物が少ない日の放課後はお迎えを断って遊びに行けばいいと思うわよ。その時は一緒に遊びましょうね」

「良いの!?イリーナは公爵令嬢だから誘っても無理だと思ってたんだけど」

「隠れて護衛は居ると思うけど、街へのお出掛けは禁止はされてないわよ。家で静かに過ごすのは苦手だから、よくお出掛けするけど1人が多いから、エリーとお出掛け出来るなら嬉しいわ」

 私は笑いながらそう言うと、エリーは私の両手をガシッと掴んでブンブン振る。

「嬉しい!!本当はイリーナとお出掛けしたいと思ってたの。イリーナ以外に友達出来るか分からないし、もしかしたら夢が叶えられないかもって不安だったんだよね~」

 エリーはニコニコしながら心の底から嬉しそうにしてるのが分かる。

 エリーは可愛いわね。

 私が男だったらエリーを好きになってたかもしれない。

 エリーを微笑ましく見てると、視界の隅に見たくないものが見えた。

 そうよね…………、

 リリヤが居るのだからあの人も居るわよね。

 3年ぶりに見るあの人は、記憶にあるあの人よりもかなり老けた印象がある。

 修道院での生活は苦労したみたいだから、そのせいで老けたのかもしれないわね。

 あの人をジ―っと見すぎていたのか、あの人も私に気が付き一瞬目を見開くと、目を潤ませながらこちらに駆け寄って来る。

「イリーナ!!会いたかったわ。こんなに大きくなって」

「テイラー伯爵夫人お久しぶりです。お元気そうで良かったです」

「そんな他人行儀な態度はやめなさい。私はイワンと離婚をしてしまいたしたけど、貴女の母親であることに変わりはないわ」

 この人は何を言ってるの?

 離婚の意味を理解してないの?

 貴族にとって離婚して離れた子供は他人になるなんて常識よ。

 それに公爵家の当主であるお父様を今でも呼び捨てにするなんて失礼だわ。

 この人はここまで常識がない人だったかしら?

 リリヤの事がなかったら普通の人だと思ってたけど、私はこの人のことを理解してなかったのかも知れないわね。

 恐らく隣にいる人が再婚したアベル•テイラー伯爵よね?

 流石にこの人には常識があるみたいで、テイラー伯爵夫人の態度に困った顔をしている。

 止めないみたいだからこの人も同罪かな?

「この人は知り合いなの?」

 会えて喜んでる伯爵夫人と冷めた態度の私を見て、どういう状況なのか困惑したエリーが小声で声をかけてくる。

「一応は知り合いよ。元サフィナ公爵夫人だったテイラー伯爵夫人よ」

 エリーはすぐに状況を理解したみたいで、何も分からなかったさっきとは違い今は困惑した顔をしている。

 そうなるわよね。

 貴族の離婚について説明したばかりなのだから、あれを聞いた後なら伯爵夫人の対応は間違ってると分かるはず。

 常識の無さが親子揃って似過ぎじゃないかしら?

 実の娘である私より、姪であるリリヤとの方が性格が似てるなんて不思議ね。

「そちらはイリーナのお友達かしら?どちらの家の娘さん?」

「初めまして、エリーと申します。ブランディー商会の会長の娘です」

「ブランディー商会の方なのね。はぁ~、お友達はちゃんと選ばないとイケないわよ。サフィナ公爵家の娘が庶民と馴れ合うなんて身分が釣り合ってないわ。私がずっと一緒に居たならこんな事にはなってなかったのに」

 はぁ!?

 私の交友関係に口出すなんて何様のつもりなの?

 まだ母親のつもりなのかしら?

「貴女に心配される必要はありません。友人は自分で選びます。私と貴女は他人です。母親面はお止めください」

「サフィナ公爵令嬢、妻が申し訳ありません。2度とこのような事が無いように注意しますのでお許しください」

「今回だけですよ。2度目は許しません」

「はい!!」

 私はエリーの腕を掴み、その場を離れようとする。
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