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第三章
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しおりを挟むこの場を離れようとすると、タイミング悪く1番会いたくなかった人達が居ることに気が付きた。
早くこの場から離れないと!?
絶対に絡まれる。
あの子だけならまだ良いけど、あの男まで一緒に居るなんて絶対に無理!!
この場を離れるよりも早くあちらが気が付いてしまった。
リリヤは数人の男性を連れてこちらに歩いてくる。
男性の中に王太子様もいる。
リリヤは私をチラッと見てから、嬉しそうに顔がニヤついている。
「お母様~、お父様~、あれ?何でイリーナお姉様が居るの?もしかしてお母様と感動の再会をしてたの?さっきはあんなに嫌がってたのに、本当はお母様に会いたかったのね!!」
チッ
何で今日はこんなに運が悪いんだろう。
特進クラスを選べば、リリヤと王太子様と関わることはないって思ってたのにな。
「勘違いしないでください。私はこの女性と会いたいとは思ってませんわ。親を待たせてるので失礼させていただきます。王太子様も失礼致します。エリー行きましょう」
「はい」
今度こそこの場を離れようとするけど、リリヤに腕を掴まれてしまう
「痛いので離してください」
「何でそんなに他人行儀なの?私達は姉妹でしょ?」
「リリヤ止めなさい。サフィナ公爵令嬢に失礼だ。我々は簡単にこの方に話しかけて良いような身分ではないんだよ」
テイラー伯爵は常識人みたいね。
でも気が弱そうな彼では、リリヤとテイラー伯爵夫人を止められるとは思えない。
「でもイリーナお姉様は私のお姉様よ。身分なんて関係ないわ」
関係あるわよ。
貴族として本当に勉強してきたのかしら?
「私と貴女は他人よ。分かってると思いますけど、テイラー伯爵夫人とも他人です。貴族が離婚するのはそういうことですわ」
「でも!!そんなの寂しいじゃない。親が離婚したからって、何で親権を取られた方は2度と自分の子供の親だと名乗ってはだめなの」
「貴族としての暗黙のルールですわ。納得出来ないなら貴族なんて止めなさい。ルールが守れない人は邪魔よ」
ハッキリ言わないとこの人達には分からないのよね。
でもこれでは私が悪者みたいじゃない。
常識がないこの2人が悪いのに、何で私が嫌な役をしないといけないのかしら?
「酷い!!イリーナお姉様は私が嫌いなだけでしょ。ミハイル様~、イリーナお姉様はいつもこうやって私を虐めるんです。今は何時もより酷いと思うけど、もしかしたら私がミハイル様と一緒に居るから気に入らないのかも」
うわぁ~、本当にやりましたわ。
レイチェルがリリヤなら私を冤罪で貶めるかもしれないって言ってたけど、まさか初日からこんな事をしてくるとは思わなかったわ。
それよりリリヤが王太子様に抱きついた時に、リリヤの付けてるブレスレットがちょっと光った気がするけど気のせいかしら?
ブレスレットが光るわけ無いわよね。
光が反射しただけかな?
今はリリヤの事を対処しないといけないわね。
「嘘を言わないでくださる?私は貴女に興味などありませんから虐める理由がありませんわ。私は貴女が妹ではないのだから、お姉様と呼ばないでって言ってるだけですわよね?」
「だから何でそんな冷たいことを言うの?私はお母様の娘になったんだから、お母様の実の娘であるイリーナお姉様は私のお姉様ってことでしょ?」
あぁ~!!
何で話しが通じませんの!?
まずその大前提が違うって言ってるんじゃない!!
ストレスで禿そう。
「何度同じことを言えば理解してくれますの?私と貴女の母親はもう他人です。私には母親はもう居ませんわ。だから貴女が誰の娘であっても他人です。もしも私の妹や弟が出来るとしたら、お父様の子供だと認められた人だけですわ」
私の言葉に母親だった人は涙を流す。
何で泣いてるのよ。
こんなの貴族として当たり前の常識でしょ?
それを理解して離婚したはずよ。
この人に拒否権は無かったでしょうけど、お父様の忠告を何度も無視してたんですから、この人の自業自得よね?
「お前は冷たいな。親が離婚したからって他人だと言う必要が何処にある?母親が交流を持ちたがってるんだから、子供として素直に喜んだらどうなんだ?」
「例え王太子様でも他所の家のことに口出されたら困りますわ。私は貴族として当たり前の決まりを言ってるんです。本来なら3年前にこの話は終わっているので、蒸し返されたことに憤りを感じてるぐらいですから」
「だからお前は融通が利かないと言ってるんだ。実の母親をここまで拒否する必要が何処にある。お前みたいなものが俺の婚約者になるなど汚点だ」
……………?
何を言ってるのかしら?
婚約者?
誰が誰の?
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