【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第五章

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 次の日から私は魅了の魔法について、片っ端から調べていくことにした。

 婚約発表から1か月が経ったけど、何の成果も出てない。

 魔法が実際に使われていたのが1000年も前の話だから、正しい情報が載ってる資料や本を探すことがまず困難だった。

 どの本を調べても作者自身の考察が書かれてるだけで、魔法が使われてた当時の記録などが載ってるものが中々見つからない。

「…………これも違った。我が家にある魔法関連の本はこれが最後なのに」

 絶望して机に倒れ込むと、顔の横にカップが置かれる。

「ちょっと休憩しよう?ずっと書庫に居るから、イワン様とセミュン様も心配してるよ」

「レイチェル………」

「焦るのはわかるけど、体を壊したら元も子もないよ」

「そうですわよね。はぁ~、ちょっと焦ってしまいましたわ。簡単に見つからないのなんて予想できてましたのに、私なんかで簡単に調べられるなら、今頃は魔法について色々と研究が進んでますわよね」

 魔法について分かってないことが多いから、大勢の研究者が生涯をかけて調べてるんですものね。

「そうだよ。イリーナは色々と分かってから大人達に助けを求めるって言ってたけど、私はもう助けを求めたほうが良いと思うよ?」

「でも………、こんな突拍子もない話を信じてくれるかしら?ただの妄想話って思われて終わらないかしら?」

 私なら何言ってるんだこいつって思ってしまう気がする。

 テイラー伯爵令嬢がどんどん取り巻きを増やしてるけど、不自然に思う人も多いけど、取り巻きが増えれば増えるほど、テイラー令嬢には何か魅力があるんじゃないかって、考える人も増えて来ている。

 集団心理とは怖いもので、本心ではあり得ないって思っていても、大勢の人が素晴らしいって言ってたら、それが素晴らしいものなんだって勘違いをするようになる。

 彼女の周りには、盲目的に彼女を崇拝してる人と、周りが評価してるならそれなら自分もって考えて一緒に行動してる人で分かれている。

「確かにあり得ないって一蹴される可能性もある。だけど私達2人では調べきれないよ。今はまだ完全に魅力されてる人は少ないみたいだけど、これ以上増えたらどうなるかわからないんだから、助けを求めるべきだよ」

 確かに魅力の魔法がどれぐらい威力があるのかわからない、それにもしも副作用があるのなら、すぐにでも止めないといけない。

 今は余計な心配をしてる暇はない。

「お兄様とお父様に相談するわ」

「そうしよう。それとユーリ様と陛下にも相談したほうが良いと思うよ」

「ユーリ様と陛下に?」

「王族にだけに伝わってるような内容があるんだよ。国が滅びる可能性がある内容とかは、貴族とかには伝えずに、王族だけで代々言い伝えとして残ってるんだよ」

 そっか………、

 魅力魔法とかは特にそうだよね。

 どれぐらいの規模で使えるか分からないけど、下手したら王族を自由に操れるかもしれないのか。

 ………もう操ってる?

 ミハイル様と王妃様はテイラー伯爵令嬢に好感があるんだよね?

「もしもテイラー伯爵令嬢が魅力魔法を使ってたとして、魔法が使えない私達がどうにか出来るのかしら?私達も操られて、この国があの子の好きなようにされてしまうんじゃないかしら?」

 魔法を使う相手に私達がどうにか出来るの?

 もしもあの子が本当に魔法を使ってるなら逃げたい。

 だってどうにか出来る気がしない。

 大切な人が犠牲になるかもしれない。

 自分や大切な人を守るためなら、プライドを捨てて逃げる選択も良いと思う。

 でももしもあの子がこの国だけでは満足せず、他の国にも手を伸ばす可能性もあるのよね。

 他の国では魔法についてあまり知られてない、もしもテイラー伯爵令嬢をどうにか出来るとしたら、この国にある魔法について色々と遺ってる遺跡を調べる必要がある。

 逃げられないのよね。

「怖いよね。イリーナの気持ちがわかるよ。魔法なんて私達にとって未知の存在だもん。でももしも本当に魅了の魔法を使ってるなら、1日でも早く王妃様達を魔法から解放する必要があると思うんだ」

「どういう事?魅了魔法が危険ってことですの?確かに陛下も操られてしまったら、この国があの子の好きなように操られてしまうかもしれないけど、国を操るには陛下以外にも操る必要があるはずよ?全員を操るにはまだ時間がかかるんじゃないかしら?」

 簡単に魅了出来るなら、もう実際に行動に移してるわよね?

 陛下やユーリ様はまだ操られてないから、簡単には魅了を出来ないってことじゃないかしら?

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