【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第五章

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 私の考えは甘過ぎるのかな?

 まだ危機感が足りない?

「もしもテイラー伯爵令嬢が使ってる力が魅了魔法だったとして、魅了魔法は危険な可能性があるんだよ。
 確かにイリーナが言った通りに、国として危険ってことも1つの理由としてある」

「単刀直入に言ってください。他には何を心配してますの」

「1番心配しないといけないのは、テイラー伯爵令嬢に国を滅茶苦茶にされることだけど、それと同じぐらい心配しないといけないのは、魅了魔法を使われた者の精神状態かな」

 副作用ってことよね?

 私もそのことは心配してた。

「私もそれは心配してました」

「魅了魔法は人の思考を無理やり変えることだから、脳に異常をきたす可能性が高いと思う。小説とかでも魅了魔法を解かれた人が廃人かすることも有るぐらいだから」

 ………そうなんだ。

 確かにその可能性がある。

 人は物事を脳で考えて行動する。

 思考を変えさせるってことは、人の脳に魔法をかけてるってことだよね。

 脳は繊細な臓器だから、ちょっとのことでも影響を受ける可能性がありますわよね。

「レイチェルは魅了を使われた人は、廃人になる可能性が高いと考えてますのね?」

「廃人にならなくても、何か障害が残ると思う。長い期間魔法をかけられてる人は、それだけ重症になると思う」

 …………これを陛下に話さないといけないなんて、陛下はこの話を聞いたらどう思うのかしら?

 息子と妻を諦めないとイケないかもしれないなんて、私なら耐えられないわ。

 もしもミハイル様と王妃様が廃人になったり、何か障害が残ったら私の責任だわ。

 自分達だけで調べるなんて悠長なことを考えて、魅了の存在に気がついて1か月も経つのに、何の成果も出てないなんて、陛下に顔向けできないわ。

 私が最初っから周りを頼ってたら、もしかしたら王妃様達は安全に助けられたかもしれない。

 まだ障害が残るって決まったわけではないけど、その可能性が限りなく高いわよね。

「まだ諦めるのは早いよ。魅了魔法のことを何も知らないのだから、まだ助かる可能性だってある。後悔する前に出来ることは全てやろう」

「そうですわよね。クヨクヨしてる時間はありません。いきなり陛下に会うのは難しいですから、ユーリ様に事情を話しましょう」

「それが良いね」

「私はユーリ様にお願いして王宮の書庫を調べます。レイチェルは王都で1番大きい資料館をお願いできますか?あそこなら古い資料も集まってるので、もしかしたら魔法について載ってる物があるかもしれませんわ」

「分かった!!時間が惜しいから今から行ってくる」

 レイチェルはすぐに邸から飛び出していった。

 私ものんびりしてられないわね。

 使用人に馬車の準備を指示して、私は王宮で仕事をしている、お父様とユーリ様に会いに行く。

 本来ならアポもなく急に行くのは失礼になるけど、今はアポを取る時間も惜しい。

 お父様に怒られてしまうかもしれないけど、理由を話したら許してくれるわよね。

 怒られるとしたら、ずっと黙ってたことを怒られるかもしれない。

 私はずっとこの話をお父様達にして、お父様に娘の頭がおかしくなったって思われるのがずっと怖かった。

 本当なら1番にお父様に報告しないとイケなかったのに、お父様に避けられるかもしれないって思ったら、自分の考えをお父様達に話すことが出来なかった。

 でもレイチェルに、このままでは王妃様達が危険かもしれないって言われて、そこで初めて自分の考えが愚かだったのか気付かされた。

 好きな人達に嫌われたとしても、頭がおかしくなったって思われたとしても、この事はお父様達に話さないといけない事だった。

 私の話を聞いて判断するのはお父様達だけど、少しでも可能性があるのなら、知らせないといけないのよね。

 躊躇してる間に、国を危険な目に遭わせてしまう可能性がある。

 私はこの国の貴族として覚悟が足りなかった。

 公爵家の娘として、自分の気持よりこの国のことを優先しないといけない。

 今もまだ怖いけど、お父様とユーリ様なら頭ごなしに否定はしないはず。

 私の話を聞いてもしも否定するなら、色々と調べてから否定するはず。

 私はお父様達を信じるだけだわ。

 まだ手遅れになってないわよね……

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