【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第五章

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 ユーリ様とお昼を一緒に食べた後は、また禁書を読むことに没頭して、やっと古代語以外で書かれてるものは調べ終わった。

 魔法関連の内容はなかった。

 魔法が主流だったのは大昔だから、やっぱり古代語が読めないと駄目だよね。

「イリーナ帰るぞ~」

「お兄様?何で居るんですか?」

「父上の手伝いをしに来てたんだよ。それと父上とレイチェル様から護衛を頼まれてるんだ」

「護衛ですか?それってもしかして私のですか?」

「もしかしなくてもお前のことだよ。お前は危険なことをしてるって分かってるのか?」

 あれ?

 お兄様には話してなかったのに、誰がお兄様に教えたのかしら?

「私が何をしてるのか知ってるんですか?」

「父上から聞いたよ。レイチェル様も関わってるから、婚約者である俺も知っておいたほうが良いってことで教えてくれたんだよ」

「そうだったんですね。レイチェルを危険なことに巻き込んでしまってごめんなさい」

 本当なら他国の王女をこんな危険なことに巻き込むなんて、絶対にしてはいけないのは分かっている。

 だけど家族やユーリ様以外で頼れるのは、レイチェルしか思いつかなかった。

 レイチェルはお兄様の婚約者で前世では私の妹だったから、1番信頼できる人だったのよね。

「レイチェル様は自分から進んで関わりに行ってるから、俺はそのことについて怒るつもりはないよ。イリーナも1番危険じゃないことを任せてるみたいだしな」

 お兄様は鋭いわね。

 レイチェルが気がついてるか分からないけど、私はレイチェルがテイラー伯爵令嬢に狙われないように、レイチェルが今回の件に関わってると思われないようにしてきた。

 レイチェルには監視をお願いしてるけど、レイチェルとテイラー伯爵令嬢は同じクラスだから、監視するには最適だった。

 怪しまれても同じクラスだから見ていたと誤魔化すことも出来る。

 レイチェルにも深追いしないように注意をしている。

 レイチェルは何か指示をしておかないと、自分から危険なことに突っ込んでいく性格をしているのよね。

 だから本心では、テイラー伯爵令嬢に関わってほしくないけど、何か役割を与えないと暴走してしまう可能性もある。

 レイチェルは正義感が強くて好奇心旺盛だから、レイチェルの行動を把握しておかないといけない

「なら何でそんなに怒ってるんですか?」

 お兄様の目は据わっていて、こういう時のお兄様はとても怖い。

「分からないか?」

「…………ごめんなさい」

「はぁ~、俺は何も知らされてなかったことを怒ってるんだ。何で俺は蚊帳の外にされているんだ?役に立つか分からないが、俺だって手伝えることはある」

 お兄様は軽く私の頭を小突く

 頼りにされなかったことを怒っていたんだ。

 私もお兄様の立場だったら怒っていたかも

「ごめんなさい。お兄様を仲間外れにしてるつもりはなかったの。だけど最近のお兄様は大変そうですし、テイラー伯爵令嬢はお兄様のことも執着していたので、お兄様はこの件に関わらないほうが良いと思ってたの」

 本当はお父様も巻き込みたくなかったけど、大人を頼ろうって思った時に、お父様とユーリ様しか思いつかなかったのよね。

 身内と婚約者しか頼れないなんて、交友関係がなさ過ぎる気もするけど、貴族なんてこういうものなのよね。

 誰かに頼っていつ足元をすくわれるか分からない。

 相談したことで、それをネタに脅されるかもしれないですし、裏切られることだってある。

 貴族の世界はドロドロとして、裏切りなんて当たり前の世界なのよね。

 私達家族は仲良いからそんなことはないけど、家族間で足の引っ張り合いをするところもある。

 そう考えると家族を頼れる私は、まだマシなのかもしれないわね。

「余計な心配だ。自分の身は自分で守れるさ」

「今回は魔法が関わってるかもしれないって聞いたんですわよね?どうやって自分の身を守るつもりですの?油断をしてるなら、この件からおりてください。私はお兄様が敵になるなんて嫌です!!例え操られていたとしても、1度でもお兄様が敵になったら耐えられません」

「悪かった。頼りにされてないって思ったら、ちょっと虚しくなって適当な事を言った。絶対に油断なんてしない」

「絶対ですよ」

「約束する。だから泣くなよ」

 泣く?

 あれ?

 泣くつもりなんてなかったのに
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